hero-image

NEWS

オンプレミスとは?クラウドとの違いやメリット・デメリットを徹底解説
calendar
2025.07.29
repeat
2025.07.29

オンプレミスとは?クラウドとの違いやメリット・デメリットを徹底解説

近年、企業のITインフラを構築・運用する方法として「オンプレミス」と「クラウド」の選択肢が広く認知されています。
しかし、「オンプレミスとは何か」「クラウドとどう違うのか」「自社に適した運用方式はどちらなのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

オンプレミスは、自社でサーバーやネットワークなどのIT環境を構築・管理する運用方式です。
セキュリティやカスタマイズ性の高さから、根強い支持を集めています。

一方でクラウドは、導入や運用コストの削減、スケーラビリティに優れ、柔軟性の高さが魅力です。
多様な企業のニーズに応じたサービスが提供されており、幅広く利用されるようになっています。

本記事では、オンプレミスとクラウドの違いや、それぞれのメリット・デメリット、
オンプレミス型システムの環境構築やセキュリティ面での特徴について、
企業担当者の皆さまが選択検討する上で役立つ情報を分かりやすく解説します。

目次

オンプレミスとは

オンプレミスは、企業が自社のオフィスやデータセンターといった物理的に管理可能な専有スペース内に、サーバーやネットワーク機器、ストレージなどのITインフラを設置して情報システムを運用・管理する方式です。英語の「On-Premises」(premises=敷地、建屋)から名付けられ、自社内に所有・管理することが最大の特徴です。

具体例:財務・会計システム、生産管理システム、顧客管理(CRM)、基幹業務システム(ERP)など、企業活動に不可欠なソフトウェアやサービスはオンプレミスで高度にカスタマイズされることが多いです。これらは専任のIT担当者やベンダーによって設計・運用されています。

構築のポイント:要件定義、堅牢なシステムアーキテクチャの設計、大規模インフラ構築、既存システムとの連携など、高い技術力と信頼できるパートナーが不可欠です。カオピーズの事例紹介ページでは、製造業IoT基盤システムや金融業の高セキュリティネットワーク設計など、多様な導入実績が紹介されています。より詳しく知りたい方は高セキュリティ・高可用性を実現するシステム構築もご覧ください。

運用時の注意点:オンプレミスは物理的な資産管理やセキュリティも求められるため、耐震設備や24時間体制の監視、障害発生時の緊急対応体制も必須です。

オンプレミス環境でサーバールームに設置された実機サーバとそれを管理するエンジニアのイメージ。

クラウドとの違い

運用形態の違い:クラウド型システムはインターネット経由で外部データセンターのサービスやリソースを利用する形態です。Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどが代表的なクラウドサービスです。一方、オンプレミスは自社ですべての機器資産やソフトウェアを所有・管理します。

主な違い:

1. 初期投資とランニングコスト
オンプレミスはハードウェア購入や設置に初期投資がかかり、長期運用で資産化が可能です。クラウドは月額課金が基本で初期コストを抑えられます。経済産業省「クラウドサービスの基本的条件」参照。

2. カスタマイズ性と制御性
オンプレミスはシステム要件に柔軟に対応でき、自社の業務やセキュリティ方針に最適な設計が可能です。クラウドは標準仕様が多く、自由度は限定されがちです。

3. 保守・運用
オンプレミスは自社や委託ベンダーで運用管理を行い、専門人材・ノウハウが必要です。クラウドは事業者側がインフラを保守します。

4. セキュリティとガバナンス
オンプレミスは自社主導で物理的・論理的セキュリティ統制が強化可能です。クラウドも高いセキュリティを備えますが、事業者依存部分があります。

クラウド移行とオンプレミスの比較はForbes JAPAN「クラウドで本当に業務効率化できるか?」も参照ください。

クラウドとオンプレミスのITシステム運用形態を比較した図解。

オンプレミスのメリット

オンプレミスが企業に選ばれる理由とそのメリットを解説します。

1. セキュリティとコンプライアンスの高度制御
自社施設・自社ネットワークで運用するため、データの所在やアクセス経路を完全に把握。金融業界や医療などの厳格な法令・監査要件に柔軟対応できます。オンプレミス型セキュリティ対策の勘所もご参考ください。

2. 独自カスタマイズと他システム連携
ソフトウェアの自由な改修・追加が可能。レガシーシステムや独自プロセス・外部機器との連携が求められる場合に有利です。製造業向けIoT連携事例も参照ください。

3. 性能と可用性を最大化できる
専用インフラの独立稼働によりCPU・メモリなどの性能選択自由。自社流のバックアップ、DR対策、24時間運用監視体制を構築できます。

4. 資産化による長期的なコスト管理
ハードウェア投資後は減価償却・資産管理ができ、中長期的コスト最適化に繋がります。オンプレミスコスト最適化ガイドも参考にしてください。

高セキュリティとカスタマイズ性を活かしたオンプレミス型情報システム運用の様子。

オンプレミスのデメリット

オンプレミスの利点とあわせて押さえておきたいデメリット・課題。

1. 初期導入コストと維持負担
物理サーバーやネットワーク機器などの導入に多額の初期費用が発生し、IT資産は定期メンテナンスやリプレースも必要。設備更新や災害対応など運用負担もかかります。

2. 専門人材の確保・教育コスト
システム管理・ネットワーク・セキュリティ技術者を自社で確保し、人材教育や採用コストも発生します。カオピーズのサポートサービスで課題解決を支援しています。

3. システム拡張・リソース増設の柔軟性
クラウドのように即時リソース追加はできず、計画・発注・設置などのリードタイムが必要となります。

4. 自然災害・停電リスクへの備え
物理資産の管理ゆえ、地震・火災・停電時のBCP対策や多重バックアップ、遠隔地保管が求められます。

こうした課題にはDR対策や遠隔運用サービスなどで補完可能です。

サーバールームの設備更新作業やインフラ保守に取り組むIT担当者のイメージ。

オンプレミスが適しているケース

自社ニーズや業務環境、セキュリティ要件によってオンプレミスが最適な場合があります。

1. 高度なセキュリティと法令遵守が必要な業界
銀行・証券・医療・官公庁など、データの物理隔離や国内保管が必須な場合に最適です。

2. レガシーシステムやカスタム業務プロセスが存在する場合
既存システム移行の難易度が高い、独自ハードウェアや業務連携が求められる業務にはオンプレミスが有効です。工場系設備制御システム事例も参考にしてください。

3. 事業継続性やレスポンスタイム重視
24時間365日の連続操業や高速応答性が求められるトランザクション処理現場にも適しています。

4. 専有リソースが必要な大規模システム
AI・ビッグデータ分析、CAD/CAE処理、ハードウェアリソースの集中管理などの用途に最適です。

導入事例:堅牢な社内ネットワーク構築プロジェクトも併せてご覧ください。

金融業や製造業などで専用システムとして構築されたオンプレミス環境の利用イメージ。

クラウド移行時の注意点

既存オンプレミス環境からクラウドへの移行(クラウドマイグレーション)時の留意点を解説します。

1. システム・データの可搬性と互換性
独自アプリケーションやデータ構造がクラウドに適合しない場合は再開発・仕様変更が必要です。現行システムアセスメントや段階的移行シナリオがカギとなります。クラウド移行支援サービス参照。

2. データ移行・移送計画
大量データの転送では回線帯域・移行期間・整合性確認が重要となります。暗号化や物理メディア利用も検討材料です。

3. アクセス権限管理とセキュリティ対策
クラウド上の認証・認可設計やデータ暗号化、バックアップ戦略が不可欠です。SaaSの多要素認証やAPI脅威への防御も重要です。

4. コストとガバナンス管理
クラウドは従量課金型ですが、使い過ぎによるコスト増大を防ぐため資産管理・最適化ツールの利用を検討しましょう。

5. クラウドダウンタイムとBCP(事業継続計画)
サービス停止や障害リスク、災害時の冗長化とSLA(サービスレベル合意)の確認が必要です。

クラウド移行 成功のためのロードマップも移行の進め方や事例理解に役立ちます。

オンプレミスからクラウドへ段階的にシステム移行が進む様子を示したイラスト。

まとめ

オンプレミスとは、自社でハードウェアやソフトウェア、ネットワークなどのITインフラを構築・運用する方式です。
自社内でシステムを管理できることから、独自の運用や高度なセキュリティ対策が可能です。

一方、クラウドは外部のサービスを利用してシステムを構築・運用するため、初期投資を抑えつつ、柔軟なリソース拡張や迅速な導入が強みです。
ただし、運用面やセキュリティ面で選択肢やカスタマイズ性に制限がある場合もあります。

オンプレミスは高い管理性とカスタマイズ性が魅力ですが、初期投資やランニングコストが大きくなりやすいデメリットがあります。
クラウドと比較検討することで、自社の業務内容・運用体制・求めるセキュリティレベルに最適なシステム選定が重要です。

「どちらが自社に最適なのか判断できない」「現状の課題を整理したい」とお考えの際は、カオピーズの専門スタッフがご要望に合わせて最適なご提案をいたします。
自社にとってベストなシステム導入を、一緒に考えていきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. オンプレミスとは何ですか?
オンプレミスとは、企業や組織が自社の建物やデータセンター内にサーバーやネットワーク機器を設置し、自社管理でシステムを運用する形態です。データやアプリケーションを完全に自社管理でき、クラウド型と比較してセキュリティや制御性が高い特徴があります。
Q2. オンプレミスとクラウドの違いは何ですか?
オンプレミスは自社でインフラやシステムを所有・運用するのに対し、クラウドは外部のクラウドサービス事業者がインフラを提供・管理します。オンプレミスは高い制御性とカスタマイズ性がある一方、クラウドは初期コストが低くスケーラビリティに優れています。
Q3. オンプレミス環境のメリットは何ですか?
主なメリットは以下の通りです:
・高度なセキュリティとアクセス制御
・システムやソフトウェアの柔軟なカスタマイズ
・データの物理的保管や管理を自社ポリシーに合わせられる
・法令遵守や業界規制への対応がしやすい
Q4. オンプレミス環境のセキュリティ面での特徴は?
オンプレミスでは、ファイアウォール設定、アクセス権限管理、ネットワーク分離などを自社の基準で実施できます。外部からの不正アクセスや情報漏洩リスクを最小限に抑えられますが、定期的なセキュリティ更新と監視体制の維持が必要です。
Q5. オンプレミス環境の導入や構築で困ったときはどうすればいいですか?
導入や構築、運用改善で課題がある場合は、豊富な開発実績とノウハウを持つカオピーズがサポートします。オンプレミスとクラウドの比較、最適な移行戦略やシステム設計についてもご相談いただけます。

よく読まれている記事

https://kaopiz.com/wp-content/uploads/2025/07/iOSアプリ開発|iPhoneアプリの作り方と必要なスキルを解説.png
iOSアプリ開発|iPhoneアプリの作り方と必要なスキルを解説
初心者向けにiosアプリの開発方法や必要なスキルを分かりやすく解説。iPhoneアプリの作り方や学習手順をまとめてご紹介します。
https://kaopiz.com/wp-content/uploads/2025/07/Midjourneyを活用した-UIUXデザイン制作事例.jpg
AI・RAG
25.07.29
Midjourneyを活用したUI/UXデザイン制作事例
Midjourneyを活用した最新のUI/UXデザイン制作事例を紹介。効果的なMidjourneyデザインの活用ポイントや実際の成果も解説します。
https://kaopiz.com/wp-content/uploads/2025/07/AI.png
AI・RAG
25.07.24
RAGソリューション|導入支援・開発実績で選ぶパートナーとは?
カオピーズによるRAGソリューションの特徴やメリットを解説。最新技術を活用した効率的な情報検索や活用方法をご紹介します。