DX推進指標とは?先行企業は 8.6%?IT遅れの脱却法を解説!
「DX推進指標」とは経済産業省が提示したDXを推進するための簡単な自己診断ツールです。
現在日本企業はデジタル化の真っただ中にいます。変化の激しいビジネス界で生き残るためには、旧来のシステムから脱却した新しい企業へと変革しなければなりません。「DX推進指標」を活用し自社企業のDX進捗状況を知ることで、社内の問題点や今後の課題が見えてきます。
ここではDX推進指標が発表された経緯とその内容、結果を生かすために何をするべきかをご紹介します。デジタル化の波に乗り遅れないようしっかりと把握しておきましょう。
目次
『「DX推進指標」とそのガイダンス』とは?
『「DX推進指標」とそのガイダンス』は、各企業が社内でのデジタル経営改革を進めるよう促すため経済産業省(以下経産省)が令和元年(2019年)7月にとりまとめたものです。
「DX推進指標」では、各企業がさまざまな観点からDXがどの程度進んでいるかを簡易的に自己診断できるようになっています。
引用:経済産業省|デジタル経営改革のための評価指標(「DX推進指標」)を取りまとめました
「DX推進指標」は上の図のように、大きく分けて「DX推進のための経営のあり方、仕組みに関する指標」「DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築に関する指標」の2つで構成されています。
これらの中のキークエスチョン・サブクエスチョンごとに、レベル0(未着手)からレベル5(グローバル市場におけるデジタル企業)までの6つの成熟度で答えていきます。
画像引用:「DX 推進指標」とそのガイダンス
この自己診断結果をIPA(独立行政法人情報処理推進機構)サイト内の「DX推進指標 自己診断結果入力サイト」に提出することで、詳細なベンチマークをすぐに入手できます。
「DX推進指標」の具体的内容は「DX推進指標(サマリー) 」「DX推進指標」でご確認いただけます。
DX推進指標におけるDXの定義
まずDX推進指標を知る前にDXの意味を理解しておく必要があります。
DXとはデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)のことです。
経産省発表の『「DX 推進指標」とそのガイダンス』では、「DX推進指標」におけるDXを以下のように定義しています。
❝企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること❞
引用:「DX 推進指標」とそのガイダンス|「DX 推進指標」における「DX」の定義
簡単にいうと「ビジネス環境の変化に対応し、デジタル技術を使って、顧客のニーズに沿った商品づくりとよりよい社内環境を構築する」ことです。
ではなぜ経産省がDXを推進するに至ったのでしょうか?
DX推進指標の経緯
経産省はDX推進指標発表の1年前2018(平成30)年に「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDX の本格的な展開~」を発表しました。
このレポートではDXを進めて投資はしているものの、ビジネス変革までには至っていない企業が多いことを問題視しています。
現在はあらゆる場面でデジタル技術の活用が当たり前になっています。
その種の技術に詳しい新規参入者に対し、既存の企業は競争力を強化していかなければなりません。
そのためにDXを迅速に進める必要があるのです。
さらにDXレポートでは、万が一このままの状態で既存のITシステムを使い続けた場合、ITの人材の引退・サポート終了などが原因で起きる経済損失は、2025年以降年間最大12兆円(現在の約3倍)にもなる可能性があるとしています。
このような損失をみすみす被らないための対策の一環として作られたのが「DX推進指標」です。
【2020年版】DX推進指標の自己診断結果分析レポートで見る現状
IPAによると、2020年は有効回答305件分のデータを分析・公開しています。
回答した企業すべての指標の現在値の平均が以下の図です。
これを見ると、90%以上の企業が「未着手」~「一部での戦略的実施」に含まれており、レベル3の「全社戦略に基づく部門横断的推進」以上の先行企業は10%にも満たないことが分かります。
しかし2019年の結果と比較してみると、レベル3以上の企業の割合は確実に増加しています。
上記2点画像引用:DX 推進指標 自己診断結果 分析レポート(2020年版)
また有効回答数も248件から305件に増えたことを考えると、各企業の意識が徐々に高まってきていると考えられるでしょう。
DXの推進はマインドセットとITシステムの2本柱
DX推進指標で自己診断を行っただけでDXが推進できるわけではありません。
診断結果をもとに実際に行動する必要があります。
まずはDX推進指標で聞かれる内容がなぜ推進に必要なのかを理解するようにしましょう。
その上で全社員のマインドセット・ITシステムを構築していかなければなりません。
DX推進のためのマインドセット構築
DX推進はその担当部署が努力するだけでは達成できません。
まずは経営陣がDXの必要性を理解し、全社員に共有・納得させることが重要です。
その上で既存のマインドセットにとらわれない新しい業務プロセスやビジネスモデルを構築する必要があります。
たとえその過程で失敗したとしてもそこから学びさらに改善された新しい仕組みを作り上げていく。
この流れをスピーディーにこなしていくことがポイントです。
ただしDXを推進するためのデジタル人材が社内でうまく立ち回れなくなる、主軸の事業の社員がついていけず退職するなどの事態は避けなければなりません。
そのためにも、既存の文化とは異なるものをうまく受け入れられるよう経営者側が全社員にしっかり説明することは必須です。
ITシステムの見直し
『「DX推進指標」とそのガイダンス』ではITシステムに関し、以下のことを求めています。
・データ活用:現状のITシステムが、使いたい状態になっているか
・スピード・アジリティ:環境変化に対応できるITシステムとなっているか
・全体最適:部門を超えたデータ活用が可能か
これらのことに対応するのに新しいシステム開発が必要な場合もあるでしょう。
多くの企業は自社開発が難しく、システム開発ができる企業に外部委託するのが一般的です。
とはいえ現場の社員としては、使い慣れたシステムを変える決断はしにくいものです。
また現在のシステム運用にもコストがかかっているため、新規でシステム開発をするための資金が足りないこともあるでしょう。
しかし古いシステムを保守ができる人材もいつかは少なくなり、管理費用の増加が考えられます。
他社との差別化をはかる意味でも、社内の理解を得てできるだけ早いうちにシステムを刷新することが必要です。
DX推進にオフショア開発を活用
現在国内ではエンジニア数の不足によりシステム開発のコストが高くなりがちです。
そこでトレンドとなっているのが「オフショア開発」です。
「オフショア開発」とは海外企業にシステム開発を依頼する方法。
「オフショア開発」のメリットは、なんといってもコストを抑えられる点です。
日本国内と遜色ない知識を持ったエンジニアが質のよいシステムを作ります。
現在システム開発の中で非常に注目を集めている方法です。
「オフショア開発」について詳しくはこちら。
DX推進は「カオピーズ」にお任せください
オフショア開発の中で今最も注目されている国は「ベトナム」です。
安価で優秀な人材の揃うベトナムは、親日国としても知られています。
日本語堪能な社員を確保している企業もあり、コミュニケーションが取りやすい点もメリットです。
ベトナムのオフショア開発に少しでも興味のある方は、「カオピーズ」にお気軽にご相談ください。
カオピーズでは日本語堪能なブリッジSEを日本・ベトナムにそれぞれ配置し、言葉の問題はありません。またさまざまなジャンルのシステム開発の実績とノウハウをもったエンジニアがご満足いただけるシステムをご提供いたします。
まとめ
「DX推進指標」とは各企業がデジタル推進を行うための指標で、自社でどの程度DXが進んでいるかを簡易的に自己診断できるツールです。
その結果をIPA(独立行政法人情報処理推進機構)に提出することでベンチマークを入手できるため、今後のDX推進に役立てることもできます。
DXを進めるためには、企業一丸となっての取り組みやITシステムの導入などが必要です。
DXが滞ったままでは近い将来大きな損失が出ることが予想されるため、すべての企業が積極的に取り組むことが課題となります。
DX推進指標を活用し企業の革新とさらなる発展に役立てましょう。
カオピーズでは、オフショア開発を通したDX推進支援のお手伝いも受け付けております。
DX推進についてのご相談も、ぜひカオピーズにお任せください。