JavaScriptはエコシステムを提供しており、その中でフレームワークが普及してきました。
JavaScriptはまた、開発者がスムーズにWeb開発をするための基盤も提供してきました。
NPMでの週間ダウンロード数が300万以上、GitHubのスター数が19万5千個である Vue.js は、Web開発者のコミュニティで注目を集めています。
この記事ではVue.jsとは何か、JavaScriptがサポートするVue.jsフレームワークの長所と短所、そしてこのフレームワークをインフラに組み込む方法をざっと説明していきます。
目次
Vue.jsとは
Vue.js はシングルページアプリケーションの構築に使うプログレッシブフレームワークであり、JavaScript向けに開発されています。スケーラビリティとインクリメンタリティがある設計となっており、View層に焦点を当てた他のライブラリと容易に統合できます。
Vue.jsはWebアプリケーション開発の分野で注目を集めており、ユースケースが数多い点で革命的です。デスクトップとモバイル両方のアプリケーションを開発できます。
JavaScriptベースであることに加えてHTMLの拡張なので、Vue.jsはAdobeのような大手テクノロジー企業に採用されるくらいの人気のフロントエンドツールとして、急速に勢いを増してきました。
Vue.jsはどのように使われるのか?
Web開発者はこのプログレッシブJavaScriptフレームワークを使用して、Webベースアプリケーションやハイブリッドモバイルアプリケーションのフロントエンドユーザーインターフェースを作成します。AngularやReactといったフレームワークの効率的なコンセプトを統合しており、シンプルかつミニマムな現代的デザインとして提供されます。Vue.jsとReact.jsのフレームワークとしての違いも見ていきましょう。
Vue.jsの長所
基本的にVue.jsは MVC (Model-View-Controller) アーキテクチャに対応し、CBA (Component-Based Architecture) のような異なるアーキテクチャのフレームワークとも協調して使用できます。
このように、提供されているさまざまなフレームワークと連携できることから、Vue.jsはWeb開発のエコシステムで高い人気があります。
次のようなメリットがあります。
1.ツールやライブラリ
・Vue.js の公式 CLI – Vue.jsのコアライブラリやサードパーティ製プラグインの開発やインストールに使用します。
・開発ツール – Vue.jsで構築したアプリのデバッグに使用します。
・Vue Loader – Webpackのローダーです。
・Vue Router – マッピングとルーティング用のコンポーネントです。
2.低いストレージ要件
Vue.jsは超軽量のアプリケーション(ダウンロードしたZIPのサイズはわずか18KB)なので、高速ダウンロードが可能なだけでなく、仮想DOMを活用することでSEOとUXにプラスの影響を与えます。
ですので、ReactやAngularのような他のフレームワークよりも高速パラメータの点で大きなメリットが得られます。
3.シンプルさ
Vue.jsの構文は非常にシンプルでわかりやすいだけでなく、以前にJavaScriptを扱ったことがある開発者も非常に簡単に利用できます。その構造は非常に直感的であり、コンポーネントは基本的にHTMLとJavaScriptの機能の集合体なので、簡単にデプロイできます。
開発者はコード内のエラーを最小限に抑えつつ文字列のテンプレート構文をグレードアップしようとしているので、そのシンプルさは大きなメリットです。また、1つのスクリプトタグで作動させることができます。
4.ドキュメント
シンプルな構文に加え、Vue.jsフレームワークは実に直感的です。Vue.jsには広範囲にわたるドキュメントがあります。ドキュメントについての動画講座と、View層に焦点を当てた魅力的なコアライブラリによってコンセプトを簡単に理解し、取り入れることができます。
HTMLとJavaScriptの基本的な知識を持っている人でも、Vue.jsのドキュメントオブジェクトモデルの助けを借りて容易にアプリケーションを開発できます。
5.リアクティブ性
他の多くのフレームワークの中でVue.jsが際立っている点のひとつは、そのリアクティブシステムです。HTMLやJavaScriptとの統合により、Vue.js上のフレームワーク間でのデータバインディングが非常に簡単です。
Vue.jsはまた、リアクティブな双方向データバインディングに対応しているため、リアルタイムな更新を必要とするWebアプリに最適です。
6.コンポーネントと再利用性
Vue.jsを魅力的にしているもうひとつの特徴は、コードの再利用が容易な点です。コンポーネントやビューのようなアプリケーションの小さいインタラクティブなコードは、既存のアプリケーションに簡単に統合できます。
その際にVue.jsを使用しても、既存のインフラへの悪影響がありません。この特徴により、既存のテンプレートに複数のリアクティブなコンポーネントを追加できる優れたツールになっています。
さらに、コンポーネント間の状態管理は、Vuexと呼ばれるステートマネージャを介して相互に関連性を持たせることができます。Vue RouterやViewsの機能により、シングルページアプリケーションを比較的容易に開発できます。
7.コンポーネントベースのアーキテクチャ(Component-Based Architecture: CBA)
Vue.jsのコンポーネントは、アプリケーションインターフェースのカプセル化された要素であり、個々のファイルに分割することなくHTMLやCSS、JavaScriptで記述できます。このようなアーキテクチャのアプローチとコンポーネントシステムには、数多くのメリットがあります。
・コードの可読性
Vue.jsのコンポーネントは個別にファイルとして格納されているため、コードの特定のセクションにアクセスしやすく、バグがあった場合に容易に修正できます。
・単体テストに最適
コンポーネントがあることで、単体テストが非常に簡単です。これは、アプリの最小パーツが単体でどのように動作するか理解することを目的としています。
8.柔軟性
JavaScriptは以前からその柔軟性で有名であり、最も柔軟なプログラミング言語のひとつとされるフレームワークです。しかし、Vue.jsのフロントエンド開発によって、その柔軟性は新たな境地に達しました。それが可能になったのも、Vue.jsはJavaScriptを主に必要としており、他のプラグインが不要だからです。
コンポーネントの作り方には無限の可能性があり、「正解」はありません。Vue.jsでは、HTMLやJavaScript、さらにはJSX(JavaScriptの構文拡張)を使ってテンプレートを記述できます。Vue.jsは、コンポーネントベースの構造と軽量なコードにより、どのようなプロジェクトにも統合可能です。
ReactやAngularのフレームワークに使い慣れた開発者がVue.jsに移行しても問題になることはないでしょう。基本的に両フレームワークの特徴を組み合わせたものだからです。したがって、Vue.jsを使えば、自分が適切と思う手法や構造でアプリケーションを設計できます。
Vue.jsの短所
1.言語の壁と限られたコミュニティ
Vue.jsはまだ比較的新しいフレームワークで、かつてない速度で開発が進んでいるため、同種のフレームワークであるReactやAngularほどの人気はまだありません。Vue.jsは中国系アメリカ人が開発したので、非英語圏のユーザーも多いです。
英語圏の開発者にとっては、中国語で書かれたチュートリアルやコードを理解するのは難しいかもしれません。また、発展するスピードが速いため、チュートリアルが古くなる可能性もあります。
したがって、コーディング中に困難にぶつかったとき、プラグインについて英語での説明がない可能性もあるので、フォーラムを使用して話し合う必要があるかもしれません。
2.選びきれないオプション
多くの人が同意することですが、フレームワークにおいてオプションがあることは素晴らしいことです。しかし、プロジェクトの規模が拡大し、フレームワークに携わる開発者が増えたときに問題になるかもしれません。
チーム内の開発者として、特定のプログラミング手法を好まないかもしれません。同じことが同僚同士でも当てはまります。オプションによってプロジェクトが複雑になり、コードの中でエラーや不規則性が増えてしまうことになります。
結果として直接的な影響を受け、プロジェクトのコストが増え、期間が延びる傾向があります。
3.大規模プロジェクトに対する資金援助不足
Vue.jsは開発段階であり、比較的若いフレームワークです。Angularのように確立されたフレームワークにはかないません。そのため、発生した問題を迅速に解決できるアプリ開発チームをサポートできる企業からは、多額の資金援助を受けていません。
それにもかかわらず、Vue.jsは比較的小規模なプロジェクトではありますが、IBMやAdobeのような大手テクノロジー企業からの需要が高まっています。
4.限られたリソース
ここ数年で目覚ましく成長したとはいえ、Vue.jsはまだまだこれからです。対応するプラグインの数でいえば、他と比べると数百の差があります。
Vue.jsで入手できて他のフレームワークでも利用できるプラグインは、あまりサポートされていません。しかし、Vue.jsにはまだ長い道のりが待っています。このフレームワークの最新の進化を見てみましょう。
Vue.jsが今後進む道
他のフレームワークとの厳しい競争を考えると、Vue.jsはWebサイト開発のエコシステムの中で成功するには、概念的に適応する必要があります。リアクティブなシングルページアプリケーションの構築という主な使い道に加え、そのインフラは多くのタスクに使用できます。たとえば、
• プロトタイプの扱い
シングルウェブページアプリケーションに対応するフレームワークへと発展する以前、Vue.jsには当初「プロトタイピング」を管理するというコンセプトがありました。フォームへの入力とアプリの状態をデータバインディングできるコンポーネントがあり、インフラではアニメーションやインタラクティブ要素、グラフィックスを扱うことができます。
Vue CLI(Command Line Interface)を使ったフロントエンド開発により、クリック可能なプロトタイプを簡単に設計できます。
• UIに重きを置く
Vue.jsはHTMLやCSS、JavaScriptのみのフレームワークをベースにしているため、UIに重きを置いて利用できます。IBMのようなテクノロジー企業がハイブリッドクラウドのフロントエンドフレームワークとしてVue.jsを採用しているのは、その軽量で緩やかな学習曲線が評価されているからです。
• Ease of Integration
Vue.jsのインフラによって、コードを既存のアプリケーションと簡単に統合できます。主にJavaScriptフレームワークに依存しているため、既存のプロジェクトとの統合が簡単です。バックエンド技術やLaravel、Express、Rails、Djangoなどのフレームワークとの互換性により、Vue.jsはWebサイト開発者にとって最適なものになっています。
例えば、Vueインスタンスのメソッドを呼び出すイベントリスナーを統合するには、v-onディレクティブのようなHTML属性を使用するだけでよいのです。
Vue.jsフレームワークについてよくある質問
① Vue.jsはReactより優れているのですか?
Vue.jsは、開発者の間で人気のある手法となっています。しかし、双方にそれぞれのメリットがあり、だからこそニーズに最適なフレームワークを選ぶ必要があります。Vue.jsは構造化されており、理解しやすく、そしてセットアップに時間がかからないため、プロジェクトの期間を短縮できます。
ReactはVue.jsよりも比較的安定しており、人気があります。どちらも、ヘッドレスWordPressやButterCMSのようなヘッドレスCMSと同様に機能します。
② Vue.jsは簡単に学習できますか?
簡単に学習できます。構文がシンプルで明確なため、JavaScriptフレームワークに慣れているプログラマーならばVue.jsを非常に簡単に理解できます。
加えて、Vue.jsは基本的にReactとAngularの特徴を組み合わせたものです。ですので、以前にそれらを使った経験があるならば、Vue.jsに移行する際に何の問題もありません。
③ Vue.jsはフロントエンドですか?
その通りです。Vue.jsは、ユーザーインターフェースをより効率的に構築するために使用される人気のフレームワークです。JavaScriptをベースとしていることに加えてHTMLの拡張なので、Web開発者の間で人気のあるフロントエンドツールへと急成長しています。
④ なぜVue.jsはそんなに人気があるのですか?
Vue.jsは他のフレームワークと比べてシンプルなだけでなく、柔軟性や互換性が高いです。また、MITライセンスを取得していることも、開発者の間で人気を集めている重要な特徴です。
Reactのようなフレームワークはライセンスの問題に直面しており、開発者の意欲を失わせています。Vue.jsはReactやAngularのコンポーネントを含んでいるため、経験がある開発者はVue.jsを比較的容易に採り入れることができます。
⑤ GoogleはVue.jsを使用していますか?
そうです。GoogleのキャリアプラットフォームにはVue.jsが使用されています。
⑥ Vue.jsはどのような会社で使われていますか?
・Google
・Apple
・Nintendo
・Behance
・Trivago
・Gitlab
・Trustpilot
・Dribbble
・JustEat
・Zoom
・BMW
・Louis Vuitton
・Upwork
⑦ Vue.jsはjQueryの代わりになりますか?
なります。Vue.js は、jQueryと同様に、プロジェクトのインフラに取り入れることができます。しかし、HTMLで直接使用できるという点で、より柔軟性があります。
まとめ
2013年にエヴァン・ヨー氏によって開発されたVue.jsは、今や最も需要があるJavaScriptフレームワークのひとつです。使いやすい構文、きれいな書式設定、他のインフラとの互換性を持った優れたフレームワークとして、開発者はVue.jsを高く評価しています。Vue.jsは確実に期待に応えています。その機能は、少しずつ導入できるように、そして期待に応えられるように設計されています。他のフレームワークがうまくいかない場合にもうまくいくでしょう。
基本的な機能や高度な機能を持つワンページアプリケーションの構築をお考えでしたら、弊社のお問い合わせフォームにてご連絡ください。弊社は、経験豊富なWeb開発者チームを持つベトナムの大手Webデザイン・開発会社です。フォームに必要事項をご記入いただければ、弊社エキスパートよりすぐに折り返しご連絡いたします。