アプリ開発プロセスとは?最新の王道手順を徹底解説
アプリ開発を検討しているけれど、「どこから始めればいいのか分からない」「全体の流れを把握したい」とお悩みではありませんか?
アプリ開発プロジェクトの成功には、開発フロー全体を俯瞰し、各フェーズで必要な判断とリソース配分を適切に行うことが不可欠です。
特にB2B領域や業務アプリの開発においては、要件定義・UI/UX設計・開発・テスト・運用といった各工程において、ビジネス要件との整合性と品質担保の両立が求められます。
本記事では、実務に基づく「王道の開発プロセス」を軸に、各フェーズで押さえるべきポイントを体系的に解説します。新規アプリ開発を検討中の企業担当者や、既存プロジェクトの見直しを図りたい方にとって、実用的かつ再現性の高い指針をご提供します。
目次
アプリ開発の全体像とフェーズ設計
アプリ開発は「思いついたらすぐ作れる」ものではありません。成功するプロジェクトには明確な戦略と手順が必要です。ここでは、要件定義から運用まで、一般的なアプリ開発の流れとその目的について解説します。
アプリ開発は単なる技術構築ではなく、ビジネス目標達成のための戦略的プロジェクトです。特にB2B領域では、要件の抽出・ユーザー価値設計・品質管理・運用体制までを包括的に設計する必要があります。
一般的には以下の5フェーズで構成されます:
・要件定義
・基本設計・詳細設計(UI/UX設計)
・実装・開発
・テスト・品質保証
・リリース・運用改善
各フェーズを独立的にではなく、全体最適を意識して接続的に捉えることがプロジェクト成功の鍵となります。
要件定義フェーズ:ビジネスゴールと開発要件の整合
最初に、どのようなアプリが必要であるのか企画して、要件定義を進めなければなりません。プロジェクト開始時点で最も重要なのが要件定義です。単なる「やりたいこと」のリストアップではなく、ビジネス上のKPIとシステム要件を結びつける設計が求められます。
ステークホルダーとの合意形成
要件定義はIT部門だけで完結するべきではなく、事業部門・営業・カスタマーサポートなど多部門と連携し、業務フローとの整合性を確認する必要があります。
機能要件と非機能要件の分離
機能要件(ユーザー向け画面・操作)と非機能要件(セキュリティ、パフォーマンス、可用性)を明確に分離し、設計の優先順位を整理します。
基本設計・詳細設計:業務効率とユーザー体験の両立
アプリでは、見た目の美しさよりも操作性と習熟性の高さが問われます。社内利用やクライアント提供のアプリであれば、利用頻度と業務効率を重視した設計が求められます。
ワイヤーフレームと画面遷移設計
要件定義の内容を踏まえて、基本設計に着手します。基本設計は、アプリ開発の流れの中でも「デザイン・ユーザインタフェース」「動作させるプラットフォーム」「連携させるサービス」などを決定する作業です。また、アプリに必要な機能を、要件定義よりも詳細化することが求められます。
タスクごとに最適な画面構成をワイヤーフレームで定義し、画面遷移の導線を論理的に設計します。
アプリの大まかな部分が決定されるため、必要となる場合はインパクトが大きくなりがちです。ユーザーインターフェースなど、後からトラブルが発生しやすい部分があるため、事前に関係者とよく相談して設計しましょう。
プロトタイピングとユーザーテスト
詳細設計は、エンジニアが実際に作業するための設計書を作成する手順です。基本設計の内容だけでは、エンジニアがどのように実装すれば良いのか判断できません。そのため、詳細設計でより細かな部分まで設計していきます。
例えば、データを保存するためにはデータベースが必要です。どのようなルールでデータ保存するか、詳細設定で決定しておきます。また、画面に表示するデータを抽出するために、どのようなロジックが必要となるのか明文化しておくのです。
言い換えると、エンジニアが実装する内容は、全て詳細設定で定められなければなりません。詳細設計書として文章化しておき、いつでも参照できる状態にしておきます。
早期にFigmaやAdobe XD等でプロトタイプを作成し、業務ユーザーによる操作検証を行います。カオピーズではこの段階で定量・定性的なフィードバックを収集し、設計に反映させています。
実装・開発フェーズ:再現性とスケーラビリティを意識した構築
要件定義から設計まで完了すれば、やっと実装の手順へと進みます。実装とは、アプリのプログラミングをしたりデータベースやサーバーの構築を進めたりすることです。初心者はプログラミングだけをイメージすることが多いですが、それら以外にも実装に該当する作業があります。
実装段階では、仕様書ベースの開発から脱却し、ドキュメントとコードの連携管理、およびCI/CD体制の確立が求められます。
実装の手順で求められることは、設計書の内容を正しく理解して作業することです。エンジニアが作業できるように、設計書が用意されているため、この内容を無視してはなりません。例えば、設計書とは異なるアルゴリズムで実装することは許されないのです。
モジュール化とコードレビュー
再利用性と保守性を考慮し、モジュール単位で開発を行い、コードレビューを通じて技術的負債の蓄積を防止します。
CI/CDとバージョン管理
GitHub ActionsやGitLab CIを活用し、静的解析・自動テスト・デプロイを組み合わせたCI/CD環境を整備します。カオピーズではTerraformやDockerも活用したInfrastructure as Codeに対応しています。
テスト・品質保証:継続的なリリースに向けた自動化戦略
実装した結果が正しいか、テストで確認が必要です。設計書通りに実装を進めていても、何かしらのミスを含んでしまう可能性は十分にあります。これを検知するために、様々なテストを実施しなければなりません。
例えば、それぞれの機能が正しく実装されているか評価するために、単体テストが実施されます。また、実装した内容に問題ないことが確認できれば、結合テストを実施しなければなりません。他にも、実際の利用を想定して、システムテストなどが実施されます。
テストレベルの多層設計
単体テスト → 結合テスト → UIテスト(E2E)を階層的に設計し、自動テストによる回帰チェックを組み込みます。UAT(ユーザー受け入れテスト)の組織化
ユーザー部門と連携したUATを通じて、業務的な使い勝手・課題を早期に吸い上げ、修正・反映のループを短縮します。アプリ開発において、テストは特に重要な手順といっても過言ではありません。適切な手順で、丁寧に実施することが求められます。
リリース・運用改善フェーズ:リリース後の価値最大化
アプリの実装が完了すれば、これをリリースしてユーザーへ提供します。この段階で、やっと開発したアプリを活用してもらえるようになるのです。
また、アプリを開発した後は、必要に応じて保守が求められます。例えば、ユーザーが求める機能を、新しく開発するなどです。アプリを開発してリリースすることまでが仕事の場合もありますが、保守も含めてアプリ開発だと認識しておくと良いでしょう。
アプリはリリースがゴールではなく、継続的な改善サイクル(Dev→Ops→Feedback)をいかに回すかが重要です。
・ログ分析によるUI/UX改善提案
・エラートラッキング(Sentryなど)による不具合早期検知
・ユーザー行動データを活用した機能改善案の検討
カオピーズでは運用フェーズまで含めたアプリのライフサイクル支援を行っており、継続的に価値を高める体制を提供しています。
なお、カオピーズならば、アプリ開発のみならずリリースしてからの保守にも対応できます。もし、継続的にアプリを改善しながら運用したいならば、ぜひともご相談ください。
理解しておきたいアプリの種類
アプリには種類があり、その内容によって、開発の進め方などが異なります。どのような種類があるのか、理解を深めておきましょう。
Webアプリ
Webアプリは、Webブラウザを経由して利用するアプリ全般が該当します。例えば、Amazonなどの通販サイトや勤怠管理ができるクラウドサービスなどです。多種多様なアプリが開発されています。
これを開発する場合、Webアプリ向けのプログラミング言語が必要です。また、アプリを実行するためのWebサーバーなども用意しなければなりません。ただ、需要が非常に高まっていることから、初心者でも簡単に準備できる時代です。
なお、Webアプリを開発したいならば、プログラミングと合わせてデザインのスキルも求められます。実際の開発現場では、エンジニアとデザイナーで役割分担することもあるくらいです。
スマホアプリ
近年、開発される機会の多いものが、スマホアプリです。スマートフォンで利用するアプリ全般が該当すると理解しましょう。AndroidやiOSで利用されるアプリで、部分的にはタブレットも含まれます。
開発環境やプログラミング言語は、AndroidとiOSで異なります。どちらのアプリを開発したいかによって、必要となるスキルが異なるのです。特に、開発環境やプログラミング言語に大きな違いがあるため、ここは注意しておきましょう。
とはいえ、時代は変化していて、ひとつのプログラミング言語でどちらのスマホアプリも開発する技術が存在します。初心者には、難しい考え方かもしれませんが、このような技術の存在を知っておいて損はありません。
Windowsアプリ
デスクトップパソコンやノートパソコンにインストールされた、Windows環境で動作するアプリです。「パソコンで使用できるアプリ」と理解すると分かりやすいでしょう。部分的に、Microsoft社が販売するタブレットも含みます。
Microsoft社の製品であるため、同社が提供する開発環境を中心にアプリを開発します。ただ、プログラミング言語の選択肢は複数あり、Microsoft社が開発するものもあれば、オープンソースコミュニティで開発されているものもあります。Microsoft社から、開発の手引が公開されているため、参考にしてみましょう。
アプリ開発における代表的な3つの手法
アプリ開発には代表的な3つの手法があります。学問的に確立されたものであるため、どのような手法があるのか理解を深めましょう。
ウォーターフォール開発
ウォーターフォール開発は、アプリ開発の特に代表的な手法です。ひとつの手順が完了すると、その次の手順を実施します。要件定義が完了すれば基本設計へ、基本設計が完了すれば詳細設定へと進む仕組みです。
それぞれの手順が完了してから前に進むため、手戻りが少ないというメリットがあります。ただ、すべての作業が完了しなければ次の手順には進まないため、状況によっては待機が発生してしまう方法です。例えば、特定の画面だけ設計が完了していないと、実装へと進めなくなってしまいます。
アジャイル開発
アジャイル開発は、アプリ開発の柔軟性と効率性の両方を意識した方法です。イテレーションと呼ばれる、短い開発サイクルを繰り返し、その結果に対してフィードバックを組み込みながら開発を続けます。状況の手順を踏まえると、詳細設定から実装、テストまでを何度も繰り返すとイメージすれば良いでしょう。
一般的に、アジャイル開発は変更を受け入れやすいことが特徴です。これは、要件定義や設計ですべてを完璧に洗い出してから着手するのではなく、実装しながら並行して設計を続けることが背景にあります。すべての手順を順番にこなしていく、ウォーターフォール開発とは大きく異なった考え方なのです。
スクラム開発
スクラム開発は、上記で解説したアジャイル開発をベースとして、異なる特徴を持たせたものです。基本的には、2週間から4週間の「スプリント」と呼ばれる期間を設けて、この期間内にあらかじめ定めたタスクを処理します。事前にやるべきことを明確にして、毎日、開発を続けることが特徴です。
スクラムの特徴として「デイリースクラム」と呼ばれる、毎日のミーティングがあげられます。ここでアプリ開発の進捗状況を共有し、問題があればフォローできるようにするのです。細かく状況を把握して、必要に応じて担当業務の割り当てを変更するなどの対応が求められます。
なお、スプリントの最後にはレビューを実施して、次回の計画やタスクの割り当てなどを決定します。ウォーターフォール開発では、このような割り当ての変更は少ないですが、スクラム開発では頻繁な変更もあり得るのです。
アプリ開発を成功に導くBest Practices
アプリ開発は計画通りに進まないことも多く、事前の準備やプロジェクト設計の精度が成果を大きく左右します。以下は、B2B領域における開発プロジェクトで実践されているベストプラクティスです。
1. ステークホルダーを巻き込む初期設計
開発フェーズに入る前に、経営層、業務部門、IT部門が一体となって初期要件をレビューし、目的・優先順位を明文化します。部門間のギャップを早期に解消することで、後戻りのリスクを最小化できます。
2. UI/UX設計と業務フローの連動
業務アプリにおいては、画面設計と業務フローが密接に連動している必要があります。プロトタイプ段階で業務担当者による操作検証を実施し、現場での「使いにくさ」をリリース前に発見・改善します。
3. スプリントごとの成果レビュー
アジャイルで進める場合、毎スプリントの終わりにステークホルダーを交えてレビューを行い、機能実装と要件のズレを早期に修正します。Kaopizではレビュー用の簡易デモ環境も提供し、共有の手間を削減しています。
4. リリース後の利用分析を開発に反映
リリース後はユーザー行動データ(アクセス分析・イベントトラッキングなど)を可視化し、次の改善項目を明確化。データに基づく優先順位付けを行うことで、経営視点に即した改善提案が可能になります。
5. 外部パートナーとの情報共有の透明化
社内外の関係者間で仕様や課題を円滑に共有するため、Notion・Jira・Slackなどのコラボレーションツールを積極的に活用します。Kaopizでは、国内外チームとの非同期連携にも対応したプロジェクト運営体制を整えています。
まとめ
アプリ開発の基本的な方法や流れについて解説しました。開発するアプリに左右されますが、基本的には6つの手順でアプリは開発されます。初心者がアプリ開発を理解するにあたっては、この手順を軸として、さらに細かいスキルも習得していくと良いでしょう。
また、アプリ開発はウォーターフォール型が多いですが、アジャイル型も増えています。どちらも重要な考え方であるため、アプリ開発の知識を深めるために学んでおきましょう。
なお、弊社カオピーズにご依頼いただければ、オフショアを活用して幅広いアプリ開発を実現します。初心者で、アプリ開発の方法が分からない場合でも、詳しく説明しながら進めるためご安心ください。
よくある質問(FAQ)
- Q1. アプリ開発に必要な要件定義とはどのようなものですか?
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要件定義には、業務上の課題整理、ターゲットユーザーの特定、必要な機能の明確化、非機能要件(セキュリティ、性能、運用保守性)の定義が含まれます。
カオピーズでは、ビジネス要件との整合性を重視した要件定義支援を行っています。 - Q2. B2BアプリのUI/UXはどのように設計すべきですか?
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操作性や業務効率を最優先に、シンプルかつ直感的なUIが求められます。Figma等によるプロトタイプ作成とユーザーテストによる検証が推奨されます。
カオピーズでは業務視点に立ったUX設計の経験が豊富です。 - Q3. 開発から運用までを一括で依頼することは可能ですか?
- はい、可能です。カオピーズでは、要件定義から開発、テスト、運用・改善提案までワンストップで対応しています。特に中長期的なシステム運用体制の構築にも強みがあります。
- Q4. アジャイル開発にも対応していますか?
- はい、対応しています。スクラムをベースにしたアジャイル開発により、要件の変化や新機能追加にも柔軟に対応可能です。週次スプリントや定例レビューの導入もご相談ください。