DeepSeek Coder|活用するための環境構築ガイド – Ollama
近年、AIを活用したコード生成ツールが開発者の生産性向上に貢献しています。その中でもDeepSeek社の DeepSeek Coder は、ローカル環境で動作する高性能な大規模言語モデル(LLM)を活用し、開発者が効率的にコードを書くことを支援するツールです。
本記事では、DeepSeek Coder の推奨環境、インストール手順、および活用事例を詳しく解説します。
※DeepSeek公式サイト
目次
- DeepSeek Coderとは?
- DeepSeek Coderの動作環境構築の流れ
- DeepSeek Coderのインストール
- DeepSeek Coderの活用例
- 企業における導入のメリット
- まとめ
DeepSeek Coderとは?
DeepSeek Coderは、AIによるコード生成を可能にする無償で利用可能なLLM です。GitHub Copilot や Codeium などのクラウド型コード補完ツールとは異なり、ローカル環境で実行できるため、データのセキュリティを確保しつつ、コストを抑えてAIを活用できるという特徴があります。
このモデルは、特に Python に強みを持つことでも知られ、その他に多様な言語をサポートしていますので、開発の生産性を大幅に向上させる可能性を秘めています。
以降では、deepseek-coder:instruct に基づいて、動作環境から、インストール、設定、開発環境の統合など一連の作業を概説します。
DeepSeek Coderの動作環境構築の流れ
DeepSeek Coder を快適に利用するためには、以下の環境が推奨されます。
必要なハードウェア
- GPU: NVIDIA CUDA対応のGPU(RTX 3090 / RTX 4090 以上が推奨)
- VRAM: 16GB以上(24GB以上が望ましい)
- RAM: 最低16GB、推奨32GB以上
- ストレージ: SSD(特にNVMe SSD推奨)
必要なソフトウェア
- OS: Ubuntu 20.04+, macOS, Windows(WSL2推奨)
- Python: 3.8以上
- CUDA(GPU利用時): NVIDIA CUDA Toolkit + cuDNN
(https://developer.nvidia.com/cuda-toolkit) - Docker(コンテナ環境での実行が必要な場合)
DeepSeek Coderのインストール
DeepSeek Coderを動作させるには「Ollama」というツールが必要です。Ollama はローカル環境で LLM を実行するための軽量なフレームワークです。
Ollamaのインストール
以下の手順で Ollama をインストールできます。
Linux / macOS:
curl -fsSL https://ollama.com/install.sh | sh
Windows(WSL2経由)
- WSL2を有効化し、Ubuntuをインストール
- 上記の Linux コマンドを実行
Ollama のインストールが完了したら、以下のコマンドで DeepSeek Coderをダウンロードできます。
ollama pull deepseek-coder
次に、以下のコマンドで DeepSeek Coderを実行します。
ollama run deepseek-coder
IDEとの統合
DeepSeek Coderは、統合開発環境(IDE)と連携することで、より便利に活用できます。
- VS Code との連携
「Ollama」プラグインをインストール
VS Code の「Language Server Protocol(LSP)」を利用 - AIによるコード補完機能を有効化
- Jupyter Notebook との連携
DeepSeek Coder は API 経由で Jupyter Notebook に統合もできます。
作業としては、DeepSeek CoderをAPI経由で呼び出し、対話型のコード補完が可能です。
DeepSeek Coderの活用例
ここでは、DeepSeek Coderを使ってPhyton コードを生成したり、開発サポートに応用たりするなど活用例について見ることにします。
Pythonコードの自動生成
#DeepSeek Coderによるクイックソートの自動生成
def quicksort(arr):
if len(arr) <= 1:
return arr
pivot = arr[len(arr) // 2]
left = [x for x in arr if x < pivot]
middle = [x for x in arr if x == pivot]
right = [x for x in arr if x > pivot]
return quicksort(left) + middle + quicksort(right)
API開発のサポート(Flask)
開発のサポートへの活用例として、API開発の場合ののコードは以下のようになります。
from flask import Flask, jsonify
app = Flask(__name__)
@app.route('/')
def home():
return jsonify({"message": "Hello, DeepSeek Coder!"})
if __name__ == '__main__':
app.run(debug=True)
企業における導入のメリット
AI開発は企業がDXを進めるにあたり非常に大きな役割を今後も担うと見られており、それは同時にAIにかけられる業務時間やコストの負担も増大することを意味します。ここでは、いままで見てきたDeepSeek Coderが企業にどのようなメリットを与えるのかについて3点に分けて説明いたします。
エンジニアの生産性向上
DeepSeek Coderは、開発者の作業を大幅に効率化します。AIによるコード補完や自動生成により、コーディング時間を短縮し、バグ修正の負担も軽減できます。特に、新人エンジニアにとっては、実践的なコード作成のサポートとなり、学習コストの削減にもつながります。
コスト削減 & セキュリティ向上
クラウドベースの LLM サービスと比較して、DeepSeek Coderはローカル環境で実行できるため、クラウド利用料を削減できます。また、機密情報を外部に送信する必要がないため、データ漏洩のリスクが大幅に低減し、企業のセキュリティポリシーに適合しやすくなります。
AIの継続的な最適化と拡張
企業のニーズに合わせたカスタマイズが可能であり、特定の開発環境に適応しやすいことで、より精度の高いコード補完を実現できます。さらに、JIRAやGitHub Actionsとの統合により、タスク管理やCI/CDパイプラインの効率化も図ることができます。
まとめ
DeepSeek Coderは、Ollamaを利用することでローカル環境でも高性能なコード生成 AI を実現できます。特に、セキュリティやコストを重視する企業にとって、GitHub Copilot や Codeium とは異なる選択肢となります。適切な環境を構築し、開発の効率化を図りましょう。
Coderを活用することで、企業のDXを加速させ、開発の効率化・コスト削減・セキュリティ向上を同時に実現できます。特に、GitHub Copilot や Codeium とは異なる選択肢として、セキュリティを重視する企業にとって大きなメリットとなります。適切な環境を構築し、AIを活用した開発の最前線を目指しましょう。
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