競争が激しい現代社会では、ますます多くの小売ブランドが専用のECサイトを構築し、より多くのビジネスチャンスを狙っています。オンラインで戦略立案せずに旧来の商策にとどまることは、もはや戦略的ではありません。ECサイトを構築し、市場への展開や最新の消費者行動を理解し、カスタマーエクスペリエンスのあらゆる側面をコントロールできるようにすることが重要です。
ECサイトをゼロから構築することも、開発会社に依頼することもできます。いずれにせよ構築の工程について知っておくと、より正確で詳細な基準に基づいたうえでの選択が可能です。
本記事では、商品の販売に最適化された ECサイトを構築する手順を紹介します。
ECとは何か?
ECとは「電子商取引」または「e-コマース」とも呼ばれ、主に「オンラインショップ」や「オンライン販売活動」を通じ、インターネット上で商品やサービスを売買するビジネスモデルのことです。
ECのビジネスモデルは、企業が一般消費者に商品を販売するだけでなく、企業間や消費者間の取引にも利用されています。
それぞれの形態には、以下のような呼び方があります。
- BtoB-EC:企業間での取引
- BtoC-EC:オンラインショップなどの企業と一般消費者との取引
- CtoC-EC:オークションやフリマアプリ、ハンドメイドグッズ販売サイトなどのサービスと消費者間の取引
EC市場に適した商品分野と適さない商品分野
ECに適した商品分野
ECでは、以下の商品が頻繁に取引されています:
- 家具
- 家電商品
- 化粧品
- 健康食品
- 音楽、アート、その他のデータ
通常の使用を目的とした商品も、EC市場で売買されることが多いです。購入したいとき店舗に買いに行く必要がなく、品揃えも豊富で、ECサイトで定期的に購入することで安く入手できます。
テレビやパソコン、洗濯機などの電化製品や、テーブルやベッド、ドレッサーなどの家具など、物理的に重い品物をECで購入するケースもあります。とりわけ、大型商品は購入後に運ぶ手間がかかるため、手間や労力をかけずに自宅まで配達してもらえるのが魅力です。
ECに適さない商品分野
EC市場で広く取引されている商品がある一方で、ECではあまり取引されていない商品もあります。 その代表例が、生鮮食品などで、理由はすぐに購入しなければならない商品だという側面です。そのため、実店舗で購入されることが多いです。とはいうものの、最近では工夫を施し、食品分野もEC市場でシェアを伸ばしています。
ECサイトを構築するステップ
以下は、ECWebサイトの開発ステップです。
- 自分に合ったECプラットフォームを選ぶ
- ドメイン名を購入する
- 開発者を探す
- ECのテーマを選ぶ
- ECテンプレートをカスタマイズする
- 商品を追加する
- 支払いオプションを設定する
- 発送設定を整理する
- プレビューやテストを行い、オンラインストアを公開する
- 自分に合ったECプラットフォームを探す
適切なECサイトビルダーを探すことが、このプロセスの第一歩です。自身の商品やブランドのニーズを満たせるビルダーを得ることが重要です。
ECプラットフォームの種類
ECプラットフォームには主に3種類あります。それぞれが異なる種類のビジネスに適しており、機能も異なります。ここでは、知っておきたいことを下記に説明します。
オープンソース
オープンソースのプラットフォームは、そのソースコードを使いたい人すべてに無料で提供しています。無料でインストール可能であり、制限なくカスタマイズできます。
しかし、通常は高度なコーディングの知識が必要です。利用者はセキュリティ担当者を雇用しなければならない場合が多いため、他の種類のプラットフォームのサービスよりも費用が高くなる可能性があります。
SaaS
SaaSは、サブスクリプションサービスとして提供されるECプラットフォームです。
これらのシステムは使いやすく、EC専用に設計されており、拡張性があり、強固なセキュリティを備えています。SaaSの場合、月額利用料や取引手数料、プラグインアプリの費用などが発生するため、価格設定が懸念されています。サービスによってはブランディングのパターンが変わらない場合もあり、自社のブランドを広めるだけでなく、プロバイダーと共に注目されることにもなります。さらに、カスタマイズが制限されているため、サイトをデザインする際に創造性が制限されることもあります。
ヘッドレスコマース
ヘッドレスコマースでは、ECサイトのショッピングカートとディスプレイレイヤーが独立しています。つまり、コンテンツ管理システム(CMS)、デジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)、プログレッシブWebアプリ(PWA)などのテクノロジーをフロントエンドで使用し、バックエンドでECエンジンを使用できます。
ヘッドレスコマースにより、顧客対応での変更を迅速に行うことができ、創造的なコントロールを得られます。企業はより低い総コストで迅速な市場投入が可能になります。また、セキュリティとPCIコンプライアンスをアウトソーシングしながら、店舗を管理しやすくなります。
ECホスティング
ECWebホスティングは、自社のデータが保存される場所です。セキュリティとコストに影響を与える可能性があるため、じっくりと時間をかけて選択肢を把握しましょう。
クラウド
クラウドホスティングは、オフサイトでホストされるECサイトを指します。SaaSまたはヘッドレスコマース企業によって提供されます。プラットフォームは、サイトの安全性を保つためのアップデートやパッチ、アップグレードだけでなく、アップタイムも管理します。オープンソースのソリューションにも、ホスティングの費用を含むクラウドオプションがあるかもしれません。しかし、それでもセキュリティのメンテナンスはマーチャントが行う必要があります。
オンプレミス
オンプレミスホスティングは企業が所有するサーバー上でホスティングされるECサイトを指し、通常はオープンソースのソリューションです。企業は、サーバーの場所を確保し、インストールを行い、確実にサイトが稼働して安全であるように担当者を雇用する必要があります。これは通常、大企業であれば実現可能です。
ECサイトビルダー
Webサイトビルダーはオンラインストアの基盤です。EC向けに明確に設計されたオプションによって、ECのアドオンを備えた一般的なWebサイトビルダーよりも多くのオプションと成長の余地が得られます。検討したいWebサイトビルダーをいくつか紹介します。
BigCommerce
BigCommerceは拡張性の高さで知られるSaaSソリューションです。年中無休のカスタマーサポートを提供しており、大手の顧客には優先サポートが用意されています。また、組み込み機能も豊富です。多層セキュリティ対策によってデータの安全が保たれています。また、ローカル決済方法に対応しているため、世界中の顧客を取り込みやすいです。BigCommerceはヘッドレスコマースを取り入れているため、ブランドはCMS、DXP、アプリケーション、デバイス、またはカスタムフロントエンドを通じて、API主導のエクスペリエンスを提供できます。Shopify
もうひとつのSaaSソリューションであるShopifyは、完全にホスティングされており、迅速かつ簡単なセットアップできることで知られています。広範なプラグインも備えてありますが、大量に使用する場合はすぐに費用が増えてしまいます。Shopifyは1分間に多くのトランザクションを処理できるため、トラフィックの急増にも簡単に対応可能です。
Magento
Magentoはセルフホスト型ソリューションであるため、創造の自由度が高いです。しかし、このプラットフォームを最大限に活用するにはコーディングの知識がある人が必要です。統合の選択肢が幅広く、即時購入や商品提案も可能です。
WooCommerce
WooCommerceはオープンソースのWordPressプラグインであるため、無料でインストールできます。これは既存のWordPressサイトで利用されています。
WooCommerceは柔軟性が高く、カスタマイズに制限がありません。業界の専門家がコードの安全性を監査しています。
開発者を探す
たとえゼロからの起業であっても、開発者はECサイトを立ち上げるプロセスをよりシンプルにできます。開発者は技術的なノウハウを持っているため、サイトを迅速に立ち上げることが可能です。つまり、すぐに商品を販売できるようになります。開発者を検討する際にタイムラインについて尋ねてみましょう。自身のECサイトの立ち上げ日を予定できるようになります。開発者が構築した他のWebサイトを見せてもらい、そのビジネスから参考になるものを見つけてください。開発者とビジョンを共有し、自分が求めているものを予算内で作成できるようにしましょう。
カオピーズには豊富なシステム開発経験があり、160社以上の企業様と600件以上のプロジェクトを成功させてきました。お客様の理想とするECサイトのリリースを支援しつつ収益向上を実現することが、理想のテクノロジーパートナーとして、カオピーズの最大の使命です。弊社の実績はこちらをご覧ください。
※関連記事:ECサイト開発|カオピーズはECサイトの開発におけるベストパートナーです
テンプレートを選ぶ
テンプレート(テーマ)とは、ブランドに合わせてカスタマイズでき、デザインやコーディングのスキルがなくてもサイトの見た目が良くなるように用意されたページのことです。テンプレートを選ぶ際には、スムーズなカスタマーナビゲーションのため以下の点を考慮しましょう。
ホームページのスタイル
テンプレートのホームページは、ブランドイメージや商品ストーリー、ビジネスの特徴を反映していますか?顧客が一目見ただけで何のビジネスをしているのかがわかるようにする必要があるので、テンプレートでそれが明確に伝わるようにしましょう。
カスタマイズのオプション
ブランディングに合ったフォントや配色はありますか?ソーシャルメディアの埋め込みは可能ですか?テンプレートでブランドアイデンティティを高めるカスタマイズオプションについて検討しましょう。
商品を追加する
商品ページは、顧客に何を販売しているかを見せるため、サイト内で最も重要です。最適化された商品説明、目を引く画像、ナビゲートしやすいカテゴリーなど、時間をかけて新商品を最高の状態で表示できるようにしましょう。
商品説明
商品説明では、顧客にとっての商品の有用性、色、質感、寸法、価値を説明しなければなりません。また、ボットがSEO向けにページをインデックスできるようにする必要があります。説明文を書くときは、決まり文句、長い文章、複雑な言い回しを避け、説明文が5W1Hの質問に答えていることを確かめましょう。
商品画像
Webサイトの訪問者は視覚的な情報に引き込まれます。つまり、質が高い商品画像は必要不可欠です。写真を作成する際には、以下の点を考慮しましょう。
- 高画質の画像を使用する
- 同じサイズの画像を使用する
- 商品のみの画像と使用中の写真の両方を使用する
商品カテゴリー
カテゴリーに商品を追加することで、顧客は自分が探している商品を見つけやすくなります。また、カテゴリーをフィルターとして使用することで、特定のブランドや特定の価格帯の商品を並べ替えることができ、予算内で商品を購入できます。また、おすすめの商品は、顧客を望ましいショッピング導線に引き込む素晴らしい方法です。
決済方法の設定
決済方法は複雑すぎず、信頼度が高いものにしましょう。そうでないと、顧客がカートを放棄して戻ってこない可能性があります。
EC決済ゲートウェイには下記の3種類があります
- リダイレクト
- オンサイトチェックアウト、オフサイト支払
- オンサイト支払
配送設定の整理
顧客はすぐに商品を手に入れたいと思っています。配送設定は賢く選択しましょう。
配送設定を決める
配送設定には、手数料と配送業者が含まれています。送料は無料、定額、変動制のどれでしょうか?配送業者はどこにしますか?また、海外配送の予定があるかどうかを検討しましょう。ない場合は、海外の顧客がチェックアウト時に不満を感じないよう、その情報がすぐに入手できるようにしておきましょう。
ECの配送ソリューションを選択する
梱包を行いますか?それともドロップシッピングですか?他のワークフローとシームレスに連動する出荷ソフトウェアを用いれば、ビジネスのその領域を自動化できるようになり、他のことに時間を割けるようになります。
オンラインストアのプレビューと公開
サイトの立ち上げを成功させるには、サイト上のすべての機能が正常に動作することが重要です。リンクが機能しなかったり、決済が処理されなかったり、サイトがモバイルデバイスでうまく表示されなかったりすると顧客は離れていきます。不備の修正は、時間の遅れにつながります。公開ボタンを押す前に、必ずすべてをテストしましょう。
- 受注テスト
- 店舗機能のテスト
- 異なるブラウザでストアにアクセスする
- ストアの設定を行う
- その他
結論
優れたECサイトは、単に商品を売買するだけの場所にはとどまりません。企業が自社ブランドを強化し、新規顧客を引き込み、たまに買い物をする客を忠実なアンバサダーに変えるような顧客体験を生み出せる場所です。適切なECプラットフォームを選択し、良質なオンラインストアを作るためのマーケティング戦略を立てることで、ビジネスを成功へと導くためのスタートを切ることができます。
ECサイト開発は、そのエキスパートであるカオピーズにお任せください!
弊社カオピーズは創業以来10年間、常にお客様の成功を最優先し、高品質で使いやすいECシステムを提供してきました。弊社の包括的なワンストップサービスは、豊富な経験を持つ専門家チームがいるからこそ提供できるものです。設計・機能コンサルティングから開発以降まで、すべての段階をサポートします。競争力のある価格設定と豊富な経験を持って、お客様のオンラインビジネスを成功に導き、この競争の激しいビジネス社会での存在感を高めます。