ITファイナンスとは?|次世代ITファイナンスに気をつけるべきこと
「ITファイナンスって何だろうか?」
「次世代ITファイナンス、何に注意すべきなんだろう?」
IT業界の発展に伴い、技術は日進月歩あたらしいものが開発されています。そのため、最新技術の動向が業界DXのみならず、どのような技術が主流になるのかも、その技術動向に依ると言えます。
この記事では、ITファイナンスの概要を抑え、次世代ITファイナンスで分かっておきたい側面についても説明します。
目次
ITファイナンスとは?
この章では、まずITファイナンスの定義を踏まえ、適用されている分野について説明します。
ITファイナンスの定義
ITファイナンスとはICT技術を活用し、金融や経理の業務効率化や利便性の向上を通したDX推進を支えること、またはその技術内容そのものを指します。
これに関連する用語には、次のようなものがあります。
- デジタル・ファイナンス
コンピューターやタブレット、スマートフォンなどのデジタル技術を用いて従来の金融サービスを提供すること - FinTech
金融(Finance)と技術(Technology)を掛け合わせた名前で、ITを活用した金融サービス
補足すると、ITファイナンスは「Business of Technology 」 という技術の範囲内に入ります。これは、ビジネスへの最新テクノロジーの活用を下支えするものです。ユーザー本位の視点に立ってIT 組織への変革を実現するために最適化を行うには必須の技術と言えます。これにより、ビジネスとITを横断的に俯瞰可能にして、責任と権限を持った組織体制の変革や、AI機械学習などのテクノロジーの利用を促すなど、業界DXを支える技術と言えます。
ITファイナンスの利用分野
ITファイナンスの利用分野には大まかに以下の3つの分野があります。
財務管理
財務管理とは、企業の予算や経費などのバランスを考えて健全な財務を維持することを指します。
具体的には、財務管理には以下のようなタスクがあります:
- 目標に対し、現時点の進捗状況を確認し対策が必要となる項目を把握する
- 年次ごとの削減目標を具体化し、目指すべき着地点を社内共有する
- 予算と実績の比較から、次の施策や方針修整の判断材料として活用する
財務管理には、1)一般予算(固定費用)と2)特別予算の2分野に適用できます。一般の方は、システム維持費やライセンス費用などで、変動幅は小さいです。一方、特別予算は状況やプロジェクトによって大きく変動していきます。ITファイナンスによってデータに基づく分析を短時間かつ効率よく行えば業務効率化や生産性を向上させることができます。
投資
IT投資は、IT(情報技術)を活用してあらゆる分野のシステムに資金を投じ、業務の効率化やコスト削減、セキュリティの向上などを目的として、ITに関連するプロジェクトやリソースに資金を投入することです。これにより、業務効率化や生産性を高めれば、新規事業の創出や営業活動に人員を割くなど、さまざまな施策や戦略が実行可能になります。
IT投資には、「守り」と「攻め」があります。「守り」とは、業務効率化やコスト削減などを目的としたもの、「攻め」とは最新技術を用いた新ビジネスの提案やIT活用によるサービス開発強化などを目的としたものです。
ファイナンシャルプランニング
Financial Planning & Analysis(FP&A)に関連する職務を指します。FP&Aにより財務的な観点からビジネスの計画や予測の一環で財務や会計に関する正確な分析が可能になります。その業務には、財務計画の立案、財務データの分析、財務予測、事業計画立案支援、予算作成まで多数存在します。CEOや事業部門の意思決定を支える役割を担います。
IT ファイナンスのメリット
ITファイナンスを活用すると、以下の3点にあげたメリットがもたらされ、行く末は企業競争力の強化と生産性向上による収益向上とビジネス拡大を実現可能にさせます。
業務効率化とコスト削減
まず、ひとつ目は業務の効率化です。高性能PCや業務支援ツールを導入し、自社の業務に合わせたアプリケーションを開発するなどによって、効率よくタスク処理ができればコスト削減につながります。また、業務自動化が実現可能な場合もありタスク総量が減るならば、従業員の負担を軽減でき、心理的ストレスの緩和やコア業務へのコミットを容易にします。
加えて、アナログ管理ではお馴染みのスプレッドシートによる煩雑な管理を廃止することで手作業によるミスを削減できるため、正確性も向上すれば経費ロスもなくすことができます。その無駄だったコストを減らし、イノベーションへ資金転換も可能です。
従業員の意識改革・改善とチームワーク向上
ITファイナンスのシステム導入により、膨大な財務データが保存・アーカイブされます。その蓄積されたデータを活用すれば、客観的データに基づく自動分析も可能になります。そのため、アナリストの分析負担を軽減するだけでなく、いずれにせよ企業側のアカウンタビリティの醸成につながります。これは株式投資を呼び込むための条件として重視されるべきです。
またほかにも、情報共有時の認識齟齬の回避や定期的な見直しによりリソース計画の鮮度向上にも貢献すると考えられます。
リスク防止策の強化
コスト・時間削減とタスク量と負担の軽減により稼働率に余裕を持たせれば、不測の事態発生時に機敏に対応する余力が生まれます。また、客観的データにもとづけばトラブル分析もより制度が増しますので、解決策をより簡単に見出すことも可能になります。それはトラブル対応の損失や対応で生じるコストを低減できることに繋がります。
次世代ITファイナンスの注意点
ITファイナンスは、オンプレミスが運用のメインだった時代から始まり、初めは自社サーバーにシステムをインストールし導入していました。
ところが、2010年代初頭から、次第にオンプレミスからハイブリッドクラウドやマルチクラウドの採用に転換する企業の数が増加しました。特にChatGPTなど、クラウドベースの生成AIサービスは、ITファイナンスにおける経営陣の意思決定において迅速性と正確性を向上させました。
※参照:「令和5年 通信利用動向調査報告書(企業編)」(「第3章 クラウドコンピューティング」p.7)
この背景には、オンプレミスの場合、イノベーションの促進、スケーラビリティ、柔軟性、ビジネス継続性などへの対応が難しい側面がありました。そのため、要件上問題がなければ、多数の企業が、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドの採用に舵を切ったと見て取れます。
クラウドシステムの注意点は、支出が増加しがちになることです。むろん、初期投資を抑えられますが、運用量によって、コストが与える収益への影響が直接的かつ大きなものになります。そのため、コストの予測が困難になってしまい、短期的な従量の変化でコストがかかる恐れがあります。
実は、ITファイナンス自体が、そもそも見通しを立てて実績やソリューションを確実に獲得できるようなものではないこともあります。そのため、投資効果の検証はより厄介なものになるという懸念が浮かびます。また、クラウド環境では柔軟なスケーリングができる反面、対応コストが必要となります。そのため、従来の月次や四半期ごとのコスト報告と管理では足らず、随時コスト管理が求められます。また、マルチクラウド環境では、料金体系やサービス仕様がプロバイダー業者ごとに異なるので、コスト管理はさらに複雑化します。
すなわち、少なくとも従来の施策だけでは限界があり、企業が持続的に発展するためにもクラウド運用に適応したITファイナンス戦略の導入が必要だと言えます。
この記事のまとめ
ITファイナンスの高度化により、ユーザーの現状分析から戦略策定、実行支援まで一貫して行うことが可能になり、企業の持続可能な競争優位性を実現できます。それは、時代に適応したITファイナンス戦略の策定と最適なテクノロジー投資が成功の鍵だということを明示しています。
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