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IT企業での日本語教育の取り組みとは?カオピーズの実践例を紹介
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2025.07.01

IT企業での日本語教育の取り組みとは?カオピーズの実践例を紹介

日本語教育は、ベトナムのIT企業が日本市場で成功するために欠かせない要素のひとつです。
近年、オフショア開発の需要が拡大する中、日本語で円滑にコミュニケーションを取れる外国人エンジニアの育成がますます重要視されています。特に日本企業向けにサービスを提供するベトナムのIT企業にとって、日本語力は技術力と同様に大きな競争優位性となります。

では、カオピーズはどのようにして社内で日本語教育を推進し、BrSE(ブリッジSE)や開発者の語学力向上を実現しているのでしょうか?
本記事では、カオピーズにおける日本語教育の具体的な取り組みとその成果について、詳しく解説します。

カオピーズにおける日本語教育の全体像

日本語教育の目的と背景

「オフショア開発を行う際、コミュニケーション不足が原因でトラブルが発生した」という話をよく耳にします。

弊社カオピーズはお客様との円滑なコミュニケーションこそがオフショア開発成功のカギだと思っています。特にラボ開発では、長期間、お客様専任の開発チームとなるわけですから、ブリッジSEを介さないコミュニケーションで、ぜひ他のメンバーとの距離も縮めていただきたいと思います。

そのため、弊社では日本語教育にも力を入れており、コミュニケーション不足によるトラブルの発生リスクをできるだけ低くしたいと考えています。

対象者と教育の対象スキル

その取り組みの一環として、週2回終業後、日本語講師を招き、日本語が初心者の社員向けの日本語教室を開いています。今回はその日本語教室の様子を少しご紹介します。

対象者はブリッジSEやコミュニケーターといった日本語が堪能な人材だけではなく、日本語が浅いデベロッパーも含められています。受講する対象者が日本語を勉強している理由は様々です。以前の職場でも、日本企業向けのオフショア開発をしていたというChungさん(写真手前)は、当時のコミュニケーターがITへの理解に乏しく、プロジェクトが上手くいかなかった経験をしたそうです。そこでデベロッパーも日本語が出来なければいけないと思い、日本語学習に熱が入ったそうです(直近の目標はガイドなしでの日本旅行とのことでした)

QA(テスター)のNgaさん(写真中央)の場合、評価作業において日本語と接する機会が多いのですが、意味が分からないので文面の確認は日本語が分かる人に聞かないといけない。自分も日本語が分かれば、もっと生産性が上がるので、日本語を勉強し始めたと言います。また、最近日本人のお客様と隣で作業することが増えており、目標はその方々と話ができるようになること。文化の違いを感じて、視野を広げていきたいそうです。

日本語教育対象は以下のように分かれています:
・BrSE(ブリッジSE)候補者:N2以上の取得を目指す
・日本向けプロジェクトに参加する開発者:N3〜N4レベルの読解・会話力を育成
・新入社員:基礎的なビジネスマナーと日本語会話力の習得

各自の日本語能力が熟達するまでは、まだ長い道のりがありつつも、受講者を含むカオピーズの従業員はそれぞれ目標を持って成長しています。

日本語教室授業風景

日本語教育の具体的な実施内容

ハ先生授業

授業が終わったHa先生にお話を伺いました。

―どんな授業をしていますか?

私が教えているクラスは初心者向けのクラスです。N5の取得を目標としています。教材は「みんなの日本語」を使っています。基本的な挨拶や数の数え方など、文法というよりは、より実践的な内容を教えています。

―授業で気を付けていることはなんですか?

とにかく復習と練習をするようにしています。皆さんが働きながら勉強されているので、大学生のように文法に多くの時間を割くことはできません。とにかく復習と練習を繰り返して、明日にでも使える表現を身につけてほしいと思っています。

―日本語の感覚を刷り込んでいく感じですね?

そうですね。授業でも出来るだけ画像やイラストを使っています。単語を覚えてもらう時も、出来るだけ実物を見せます。とにかく目から訴えかけています(笑)

―学習者がよくつまずくポイントはどこですか?

漢字とカタカナですね。

―カタカナですか!?

そうなんです!もちろん、漢字は数が多いだけではなく、読み方も多いので、日本語学習者の大きな壁です。しかし、ベトナム人にとってはカタカナも難しい。その理由は、英語の訛りです。ベトナムに来られた方は分かると思うのですが、日本訛りの英語とベトナム訛りの英語は全く違います。英単語をカタカナで表現するのが私たちベトナム人にとっては難しいのです。

日本のIT業界って横文字が多いじゃないですか。多くのベトナム人エンジニアが苦労するところだと思います。

―カオピーズの学習者はどうですか?

カオピーズの従業員は基本的に理系ですので、論理をつかめば、理解力が早い印象ですね。しかも、みんな名門大学出身ですからね。ポイントさえ押さえたら、ものにしてしまう感じです。

日本語能力検定を合格すれば、受験料が会社からでるらしいですね。賞金もあるとか。モチベーションが高くていいなとも思っています。

―会社としての雰囲気作りが良い影響をもたらしているということですね?

会社の「人を育てよう」という方針に、社員が熱意を持って応えているのだと思いますね。

—カオピーズでの授業はどうですか?

とても楽しいです。年が離れていてもすごくフレンドリーに接してくれます。「あれ?私も社員だっけ(笑)」と勘違いしてしまうくらいに。この前の社員旅行にも連れていっていただいきましたしね(笑)。

色々ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします。

日本語教育の成果と今後の展望

日本語教室授業風景

弊社ではこれまで2年近くこのような日本語教育を実施しています。この活動の成果として、日本語のコミュニケーションの活性化、日本語能力試験合格者の増加や業務効率の改善などがはっきりと実感できました。80名以上の社員がN3以上のレベルに到達し、20名以上のBrSEを輩出しています。

今後も、Ha先生のような普段大学で講師をなさっている先生に教鞭を取ってもらいます。レベルの高い授業でスピーディーな日本語能力の向上が見込め、最先端技術を使いこなせるのみならず、日本の文化・商習慣を十分理解できる集団となることを目指しています。

カオピーズは社員達に成長できる機会を提供することで、離職率を低い水準で保つと共に、これからも高品質なオフショア開発サービスを提供してまいります。

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