近年多くの企業がシステム移行を早急に完了させなければいけない現状にあります。
それは「2025年の崖」と言われるようになった、「SAP ERP 6.0」の現行2027年におけるサポート終了が背景にあります。
レガシーシステムを使用し続けることでの経済損失の深刻さは政府のDX推進政策や
「レガシーシステムモダン化委員会」の立ち上げなど過去の動向から判断することができます。
新規システム移行において、クラウド移行にどのようなメリットがあり、何に注意すべきか解説します。
目次
クラウド移行が有効な理由
冒頭で述べた通り、レガシーシステムをそのまま保守し続けることは、DXの推進を大きく阻害する要因となります。
そこで、近年はクラウドへのシステム移行が主流となりつつあります。本章では、そのことについて概観します。
オンプレミスの限界
オンプレミスのシステムには以下のデメリットがあります。
- 初期費用や運用費用が高い:サーバーやネットワーク機器などのハードウェアやソフトウェアの購入費用、設置のためのスペースの用意費用、電力費、システムの維持管理費などが発生します
- 導入や運用に時間がかかる:要件定義、サーバ構築、ハードウェア・ソフトウェアの開発および購入、導入作業、導入後のテストなど、一連のプロセスを踏む必要があります
- 障害発生時の対応が難しい:障害発生時に、どこに要因する問題なのか特定することが難しい場合があります
- スケールアップやスケールダウンが難しい:設備の追加購入やシステムの再構築などの工程が必要で、専門知識や高額なコストが求められます
- テレワークやリモートワークへの対応が難しい:社内に閉じている形態のため、従来とは異なる働き方への柔軟な対応が難しい面があります
このようなデメリットを解決するために、近年では新規システムに移行する際に、
クラウドを利用したシステムへの移行がひとつの傾向となっています。
※関連記事:『令和3年度 重要技術管理体制強化事業 (クラウドを活用した重要情報管理体制強化に向けた調査事業) 調査報告書』ガートナージャパン株式会社(経済産業省公式ウェブサイトより)
クラウドのメリット
クラウドシステムへの移行が推奨される理由は、次の通りです。
- コスト削減
クラウドでは初期投資が不要で、サーバーやストレージを必要に応じてスケーリングできるため、無駄なリソースを削減できます。また、従量課金制のモデルにより、使用した分だけ費用が発生し、運用コストを最適化できる - スケーラビリティ
クラウドシステムは、ビジネスの成長に合わせてシステムをスケールアップ・ダウンする柔軟性を持ち、突発的な需要にも即応可能 - セキュリティ対策強化
クラウドサービスは、提供者側で定期的にセキュリティパッチやアップデートが行われるため、システムを常に最新の状態に保つことができます。これにより、サイバー攻撃のリスクを最小限に抑制
クラウドシステム移行の注意点
システムをクラウド移行する際には、諸々の注意が必要です。ここでは、代表的な注意点について説明します。
保守と移行の計画を並行して進める
レガシーシステムの保守とクラウド移行の作業は、同時並行で行う必要があります。たとえば、一度に全てのシステムを移行するのではなく、重要なシステムから順番に移行する方法を採用し、移行の前にはテスト環境を構築し、クラウドシステムへの移行が問題なく進むかを確認するようにします。
既存システムとクラウドシステムのデータ連携
移行中にデータが失われることのないよう、既存のレガシーシステムとクラウドシステム間のデータ連携が必要です。データの整合性を保ちながら移行するためには、まず、データマッピングでデータがクラウドに移行される際に、適切にマッピングされるように設計します。
また、データ移行ツールを利用して、専用のデータ移行ツールを使用することで、大量のデータを効率的かつ正確に移行可能になります(もちろん、データ移行後に検証を行うことが重要)。
セキュリティ対策の強化
レガシーシステムとクラウドシステムが並行して稼働している間、セキュリティ対策は特に重要です。
まず、もちろんアクセス制御は強化すべきです。移行期間中は、レガシーシステムとクラウドシステム両方にアクセスするユーザーの管理を厳格にして、同時に、データ暗号化技術により、データ漏洩リスクを抑えます。
監視の目を離さない
クラウド移行中および移行後も、クラウドリソースの監視、システムのパフォーマンスを監視する必要があります。
また、問題が発生した場合には即座に対応する体制を整えておく必要もあります。クラウドに移行した後も、リソース使用状況(CPU、メモリ、ストレージなど)の監視を行います。加えて、システム障害が発生した場合に、迅速に復旧できるよう、自動化された復旧プロセスを設定しておくことが望ましいです。
カオピーズのクラウド移行(AWS 移行支援)のメリット
カオピーズは、クラウド移行支援サービスを提供し、これまでに多数の成功事例を積み重ねてきました。
弊社はAmazon社から認定された「AWSパートナーネットワーク(APN)アドバンストコンサルティングパートナー」として、クライアントのビジネスに最適なクラウド移行をサポートして参りました。
したがって、クライアント企業さま個別の様々な課題に対応したソリューション提供を実現できます。
最先端技術と豊富な導入実績で総合的に支援いたします。
サービス概要
- AWSクラウドでの新規構築
- オンプレミス環境からAWSクラウド環境への移行
- ハイブリッド環境構築
- AWSクラウド環境の最適化
AWS移行の開発事例
A社は教育関係事業を展開し、学習アプリのクラウド移行(AWS移行)を行いました。
すでにアプリ開発を行っていましたが、サーバーの老朽化による改新が必要になるなか、予算の厳しい制限で刷新が実現せず。AWSクラウドに移行した結果、サーバー運用・監視も簡単になり、システム保守整備班を持たなくてよくなったために、セキュリティレベルを保ちながらIT関連のコスト削減を実現しました。
また、柔軟なスケーリングにより、機能追加や改変も容易になったとのことです。
まとめ
従来と異なり、このままレガシーシステムを使用し続けることは、業務遂行の上で多くの問題を引き起こす可能性が大いにあります。
クラウドシステムへの移行は、コスト効率、セキュリティ強化、スケーラビリティなど、多くの利点を提供します。
クラウド移行を実行することでDXを実現、競争力を強化すれば、企業を安定成長させる強固な基盤を築くことができます。とくに移行後の保全整備が容易になり、システム部署を構えなくてもシステムが利用可能になると言えます。
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