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ディープラーニングフレームワークの比較:TensorFlow vs. PyTorch ― 知っておくべきこととは!
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2022.11.21

ディープラーニングフレームワークの比較:TensorFlow vs. PyTorch ― 知っておくべきこととは!

機械学習(マシンラーニング - Machine Learning - ML)や深層学習(ディープラーニング - Deep Learning - DL)のアーキテクチャの開発は、厄介な仕事です。しかし長年にわたり、開発者の仕事を少しでも楽にするために、便利なフレームワークが数多く登場しています。
→「2021年で 見逃せない ディープラーニングフレームワーク 5選
これらのライブラリは、マシンラーニングやディープラーニングの研究やプロジェクトにおいて極めて重要な役割を果たしています。今回は、世界中の開発者にとって定番となっている2つの人気ディープラーニングフレームワークである「TensorFlow」と「PyTorch」についてお話しします。TensorFlowは何年も前から脚光を浴びていますが、現在はPyTorchがそのシンプルさのおかげで初心者の間で人気が高まっています。

目次

  1. 最適なフレームワークを選べるのに3つの要素
  2. TensorFlow vs. PyTorchの比較
  3. まとめ
  4. カオピーズについて

最適なフレームワークを選べるのに3つの要素

はじめに、どのライブラリを使うかは自分のスタイルや好み、データやモデル、そしてプロジェクトの目的によって異なります。これら3つの要素に最適なフレームワークはどれなのか少し調査してからプロジェクトを始めると、成功へと近づくでしょう!

スタイル

Pythonプログラマーであれば、PyTorchを容易に扱えるでしょう。細かい設定をしなくても、期待通りの動きをしてくれます。
一方で、C++のAPIを持つPyTorchに比べて、TensorFlowはより多くのコーディング言語に対応しています。TensorFlowは、JavaScriptとSwiftの両方で使用できます。低水準コードをあまり記述したくない場合は、Kerasが一般的なユースケースの詳細の多くを抽象化してくれるので、詳細を気にせずにTensorFlowのモデルをビルドできます。

データとモデル

どのようなモデルを使用していますか?BERTやDeepDreamなど特定の事前学習済みモデルを使用したい場合は、そのモデルが何と互換性があるかを調べる必要があります。事前学習済みモデルはPyTorchとTensorFlowのどちらか一方のフレームワークでしか使用できないものもあれば、両方で使用できるものもあります。Model GardenやPyTorch/TensorFlow Hubもチェックすべき良いリソースです。
どのようなデータが必要ですか?前処理済データを使いたいのであれば、すでにどちらかのフレームワークに組み込まれている可能性があります。ドキュメントを確認してみてください。開発の速度が上がるでしょう!

プロジェクトの目的

モデルをどこで生かしますか?モデルをモバイルデバイスにデプロイしたい場合は、TensorFlow LiteとそのSwift APIを備えたTensorFlowで間違いありません。モデルのサービングについては、TensorFlowはGoogle Cloudと緊密に統合されていますが、PyTorchはAWSのTorchServeに統合されています。Kaggleコンペティションに参加したい場合は、Kerasを使うことで実験を素早く反復できるでしょう。

プロジェクトの最初に、上記の質問と例について考えてみましょう。最も重要な2つまたは3つの要素を明確にすることで、TensorFlowまたはPyTorchのどちらかを正しく選択できるでしょう。

TensorFlow vs. PyTorchの比較

プロジェクトに対してPyTorchかTensorFlowをどのように選べばよいかが分かったところで、この2つのディープランニングフレームワークの本質的な違いを対比することでより深い理解が得られます。

Deep-Learning-Frameworks

作成元

TensorFlowもPyTorchもオープンソースのフレームワークですが、TensorFlowはGoogle、PyTorchはFacebook社によって開発されました。TensorFlowがモデルのデータフローグラフの考え方をベースにしているのに対し、PyTorchはTorchをベースにしています。

特別な特徴

TensorFlowもPyTorchも、それぞれにユニークな特徴を持っています。例えばTensorFlowには、TensorBoard(MLモデルの視覚化に優れています)とTensorFlow Serving(本番環境でのモデルのデプロイに使用されるgRPCサーバー)があります。同様にPyTorchには、動的な計算グラフ、Pythonのネイティブサポート、CUDAへの対応などの便利な機能がそろっています。これらの機能を組み合わせることで、コードの実行時間を短縮し、コードのパフォーマンスを向上できます。

計算グラフ

フレームワークごとに計算グラフの定義プロセスが異なります。TensorFlowは静的グラフを作成する傾向にありますが、PyTorchは計算グラフを動的に定義します。そのためTensorFlowでは、まずモデルの計算グラフ全体を定義する必要があり、それができて初めてMLモデルを実行できます。それに対してPyTorchでは、実行ポイントごとにグラフが作成されるので、いつでもグラフを定義でき、実行時にグラフを操作することもできます。

可視化

MLやディープラーニングモデルの可視化に関して言えば、TensorFlowのほうが抜きんでています。TensorBoardを備えておりモデルの可視化が非常に簡単になるだけでなく、エラーをリアルタイムで素早く発見できます。その結果、リアルタイムで正確なグラフが得られます。この特徴はPyTorchにはありませんが、Matplotlibのような可視化ツールに対応しています。

デバッグ

TensorFlowでのデバッグについては、TFDBGという独立したデバッグツールがあり、トレーニングや推論セッション中に実行しているTensorFlowグラフの内部構造を見ることができます。PyTorchにもPDBやIPDBといった独自のデバッグツールがあり、(主に動的な計算の側面から)スムーズで手間のかからないプロセスでのデバッグが可能です。

シリアル化

シリアル化においても、TensorFlowはPyTorchよりも優位な立場にあり続けています。TensorFlowでは、グラフ全体をプロトコルバッファとして保存し、後になって、対応する他の言語で読み込むことができます。PyTorchにはそのようなシリアル化の機能はありません。

学習曲線

PyTorchは大部分がPythonで記述されており、C++とCUDAのバックエンドを備えています。ですので、TensorFlowとは違い、モデルのビルドに対してシンプルでより直感的な構造が特徴的です。また、PyTorchはLinuxやmacOS、Windowsに対応しています。TensorFlowでは、プレースホルダーやセッション、変数スコープなど、さまざまなパラメータに関する豊富な知識を持っていなければなりません。当然のことながら、TensorFlowはPyTorchよりも学習曲線が急になっています。

コミュニティ

TensorFlowがPyTorchよりもはるかに前から存在しているということから、コミュニティのバックアップがあることは明らかです。PyTorchよりも規模の大きいコミュニティがあります。ですので、TensorFlowのリソースを容易に探し出せます。また、TensorFlowで行き詰まったときには、コミュニティが積極的に力を貸してくれます。しかし、PyTorchは比較的新しいフレームワークなので、そのコミュニティはまだ初期の段階です。

まとめ

さて、どちらのフレームワークが優れているかという質問についてですが、正解はありません。これらのディープラーニングフレームワークの両方が、それぞれに優れています。しかし、コミュニティのサポートや可視化に関しては、TensorFlowがPyTorchよりも優位に立っているようです。逆に、MLやディープラーニングモデルの実験を始めたばかりの初心者にとっては、PyTorchが最初に選ぶものとしては最適でしょう。最終的には、これらのフレームワークに何を求めているか、そしてどのように使おうとしているか次第です。

カオピーズについて

カオピーズはディープラーニングを活用して、お客様のご要望に合わせてAIモデルの技術提案、実証実験からシステム化まで、当社の優秀なAI研究開発エンジニアがお手伝いします。カオピーズはシステム化・業務改善の提案からインフラ構築、システム開発、その後の運用・保守までお客様に一貫したサービスで対応します。AIを使ったサービス・プロダクト開発をご検討されている事業会社の方は、是非一度ご相談ください。

また、弊社株式会社カオピーズは、2014年9月に創業してから7年目を迎え、お客様に高品質なシステム開発DX推進支援AWS導入支援AI画像認識等のオフショア開発サービスをリズナーブルな価格で提供しています。お客様のご要望をヒアリングした後、それに見合った開発基盤、プロセス、体制などを提案し、お客様と合意した上、システム開発を行なっていきます。多くの企業様を支え続けてきた300案件以上からくる豊富な知見とノウハウで、ご要件に見合ったクラウドサービスの提案からクラウド環境の設計、構築、運用をまでサポートいたします。カオピーズにとって、案件の初期のみならず、開発期間中に出てくる課題を解決し、要件変更に対して最適な対策を取るなどが必要です。そこで、システム開発に関してお悩みがあれば、是非お気軽にご相談ください。

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