hero-image
NEWS
学習支援システム|導入すべき理由と選ぶコツ
calendar
2024.07.16
repeat
2024.07.16

学習支援システム|導入すべき理由と選ぶコツ

「学習支援システムがないと、いまの教育現場が持つ問題は改善できなさそうだ」
「ただ導入して何が良くなるのか分からないしリスクが不安だ」

教育現場は過酷だと問題視され続けています。
現役の教育者の離職率も改善されません。そのニュースも報道され、学生の「教職離れ」が進行し、なり手が不足しています。この危機的状況が改善される見通しは立っていません。

そんな中、学習支援システムの導入により業務効率化・時間コスト削減を図って業務改善する手法を検討する価値は、おおいにあります。
この記事では、学習支援システムの導入による授業運営のデジタル化がもたらすメリットやトラブルになりやすい問題点を踏まえ、学習支援システム導入の手順についてご紹介いたします。

目次

学習支援システム―概要と機能

学習支援システムとは、ICT (Information and Communications Technology: 情報通信技術) を活用し、教育者の授業運営と学習者の自主的な学習を総合的に支援するシステムを指します。「授業支援ソフト」や「オンライン学習ツール」または「授業支援クラウド」と呼ばれるツールを含みます。

これらのツールは2019年に文部科学省が「GIGAスクール構想」を打ち出したことから、急速に普及が進んでいます。「GIGAスクール構想」は同年に教育現場に高速ネットワーク環境とタブレット端末普及を促進させ、ICT教育環境の整備と強化を図るために作られた政策構想です。

したがって、学習支援システムはPCやタブレットなど端末を使って利用します。たとえば、授業用教材はすべて端末に表示されます。授業の課題もソフトウェア搭載のテンプレートを使い簡単に作成でき、課題の提出・自動集計もできます。学習者だけでなく、教育者の負担も大きく減ります。

この学習支援システムは、授業支援を総合的にカバーしています。授業中に学習者の画面を教育者が監督できるスーパーバイザー機能、学習者が意見交換と情報共有ができる機能、オンラインの授業向け機能など様々です。これらによりアクティブラーニングへの移行は容易になり、従来は教室で教科書と板書で運営された授業にはない教育の質の向上が可能になりました。

GIGAスクール構想

学習支援システムを導入すべき理由―メリット

教育現場に学習支援システムを導入すべき背景には、かねてから国内の教育現場の労働環境が問題視されてきたことが挙げられます。教育者は非常に過酷な条件下で労働を強いられています。「教員の働き方改革」が投じられるも、効果は期待されたほどではありませんでした。そのため教育現場の業務改善が急務とされています。それは学校の事務仕事である「校務」の他、学習支援においても改善が施されなければいけません。

※関連記事:校務支援システム|教育現場のDX推進が重要なわけ

一方、学習支援システムには、次の4点に示すようなメリットがあります。これらのメリットを活用し、教育の質の向上が可能だと見込まれます。

学習効率の向上

学習効率の向上は、教育の質を高めます。学習者の授業内容の定着が早まれば、学力の向上も期待できます。学習支援システムは、学習者ごとの学習状況をAI分析し、どのような対策を講じればいいか提案します。これは学習効率と定着率が上がりやすくなることを意味します。

また、課題テンプレートや採点など、教育者が授業に必要なタスクを自動化することで、タスク量が減少します。このように時間を削減すれば、教育者がコア業務に集中できる時間が増えます。それは教育者自身のブラッシュアップもさることながら、長期的には全体の教育水準を上げる可能性もあります。

教育の柔軟性向上

普通教育では、通学し授業を受ける方法が一般的です。しかし、単一基準で成績評価が行われるため、学習者の思考や視点が硬直化する懸念がありました。また、通学が前提となり、不登校の学習者への対応も難しくなってしまいます。このような事態を受け、より多くの背景を持つ学習者の「学ぶ権利」を保証するべく「多様な学び」が重視されるべき時代になったとも言えます。

学習支援システムは、単にデータ処理や管理を行う機能だけでなく、各課内での課題の正確な添削、分析、対策づくりをAIの助けにより行うことができます。これは個別の学習者に特化した対策案を提供することになり「多様な学び」を促進するツールとして重宝されるべきものです。すなわち、教育方法の柔軟性が増すことにより、多様な価値観を尊重する教育へシフトすると考えられます。

コラボレーション

オンラインによる学習支援システムの場合、教育機関どうしの連携も容易になると言えます。クラウドを利用した情報共有もさることながら、オンラインツールも導入されるため、運営のやり取りや授業自体も共同運営が出来ます。グローバル社会において早期に異文化理解や国際性を深める重要性が主張されながらも、単独の教室授業では接点が不足していました。学習支援システムによって、実際に国外の学校とワークショップしたり、生成AIの会話練習も実現できます。

学習支援システムを導入すべき理由―メリット

学習支援システム導入の問題点―デメリット

学習支援システムの導入が業務改善に大きく役立つとは言うものの、デメリットがないわけではありません。システム導入段階や運用時に看過できない問題があり、それらが元で損害を被るリスクがあります。ここでは、システム導入後のトラブルで多くのケースに見られる問題点について説明し、どのような対策が必要かについて明示します。

使い慣れる時間とITリテラシー

学習支援システムを正確に使いこなすには各教職員にITリテラシーが十分にあることが前提となります。システムが情報技術に基づいて作られているためです。そのため、PCや端末の操作に慣れていることだけでなく、専門用語やセキュリティに関する知識も付随して必要になります。また、仮に現場がITリテラシーがあったとしても、新規システムを安定的に使いこなせるには時間がかかりますし、初期は予期せぬロスが発生しやすいことも視野に入れておくべきです。

いたずら防止策・禁則事項・セキュリティ対策

ユーザーのモラル問題も看過できません。いたずら防止のための監視体制や禁則・罰則事項を導入前に決定しておく必要があります。また、後でも取り上げるように、ユーザーが高度なハッキング技術を独自で既に習得していた場合、不正アクセスされ個人情報が漏洩する恐れもありセキュリティは厳重に行わなければいけません。

システム障害が発生した時の損害

学習支援システムを活用することは、同時に業務の大半をシステムに依存することを意味しています。システム障害は、教育現場に多大な損害を与えます。仮にメモリ不足など整備ミスでシステム障害が起ると、復旧作業のロスと個人情報の消失が大きな損害となります。そのためのトラブルを未然に抑える予防策、発生時の対応策については入念なマニュアル化が欠かせません。

セキュリティ問題

ICTに基づく学習支援システムはセキュリティを厳重にしなければなりません。とくに学習支援システムがインターネットや外部クラウドに接続している場合、外部ハッカーによる個人情報の抜き取りのリスクは常に内在しています。所定の対策班が連携をとって安全管理を厳重に努めなければいけません。

学習支援システム―概要と機能

システム導入する場合の検討必須事項

学習支援システムを含め、システムは多くの企業から提供され外注請負も数が相当数あるため、そこから最適なシステムを選ばなければいけません。
学習支援システム導入を検討する時には以下の点を踏まえましょう:

  • 目的を明確にしてから仕様を決定する
    学習支援システムの使用を決定するにあたって、導入目的の明確化は必須です。目的が明確でないと、現場の説得や機能の選定で失敗する恐れがあります。その際、複数人から多角的かつフラットに意見をヒアリングしてください。
    導入目的が決まれば、それに従いシステムの仕様を決めます。この作業は予算の制限もありケースバイケースで大きく内容は変化します。投資利益率を参照したり、経験者レビューなども参照しながら慎重に選ぶ必要があります。
  • 実装ができたらテストを行う
    実装したシステムは試用期間を設け動作の検証をします。初期不良や不具合がないかどうか、教育現場に馴染めるシステムか感触をチェックするためです。 同時に、運用ルールをマニュアル化すると後々でトラブル防止になるでしょう。
  • システムの実用開始と結果検証
    学習支援システムを導入することが最後ではありません。導入結果を検証することを怠るのは禁物です。学習支援システムも時代のICT発達に応じて保全と整備を定期的に行う必要があります。その際、ユーザーによるフィードバックは貴重な情報となります。そのフィードバックをもとにPDCAを回すがとても大切です。

まとめ

この記事では、学習支援システムのメリットやトラブル対策について説明しました。教育現場の業務改善にシステムの導入は大いに貢献します。

カオピーズも、みなさまの課題解決をお手伝いできるかもしれません。

弊社は2014年の設立以来、100社を上回る日本企業様に向けてシステム開発に従事して参りました。弊社エンジニアは大半がベトナム・ハノイ工科大学出身で、定期的なブラッシュアップ研修も行い常に世界レベルのICT技術を用いてシステム開発が可能です。

加えて、弊社は日本支社を設立し、日本語運用能力が高いブリッジSEを配属させています。日本のお客様とも丁寧にコミュニケーションが可能です。これはオフォショア開発で問題となるコミュニケーション問題を解決すべく弊社が考案した対策です。弊社は教育関連システム開発の豊富な実績を有しております。学習支援システム導入は、カオピーズにご相談ください。

お見積もり・ご相談はこちら

よく読まれている記事

https://kaopiz.com/wp-content/uploads/2024/09/HP-76.png
ブログ
24.09.04
販売システムの開発・導入プロセスにおける5つの課題
販売システムとは、受注から納品、請求・代金回収までの一連のプロセスにおいて「モノ」と「お金」の流れを管理するシステムです。 現代のビジネス環境において、効率的な販売管理システムは企業の競争力を高めるため重要な要素となっています。
https://kaopiz.com/wp-content/uploads/2024/08/HP-75.png
ブログ
24.09.02
販売管理クラウドとは?オンプレミス販売管理システムとは?
ビジネスで成功するために、販売管理は効率的かつ生産的でなければなりません。クラウド技術の急速な発展に伴い、「 販売管理クラウド 」は画期的なソリューションとして浮上 し、大小様々なビジネスに大きな利益をもたらしています。この記事では、「販売管理クラウド」についての概要を提供します。
https://kaopiz.com/wp-content/uploads/2024/08/webシステム.png
ブログ
24.08.29
WEBシステム開発とは?言語・流れ・契約形態も徹底解説
デジタル時代において、効果的なウェブシステムは企業の成功に不可欠です。しかし、適切な開発チームと働くことは、その過程で最も重要な課題の一つとなっています。本記事では、WEBシステム開発とは 、その言語・開発流れ・契約形態、またはパートナーの探し方、詳しくご紹介します。