OCRとは | 文字認識の流れ|機能とメリット・デメリット解説
OCR は「Optical Character Reader」の頭文字を取ったもので、日本語では「光学文字認識」と呼ばれます。画像に含まれる文字列を認識する技術で、幅広い分野で利用されるようになってきました。
近年は、デジタル化が進んでいるため、紙から電子データへの変換は業務効率化の鍵を握ります。OCRとはどのような技術であり、最終的にどうやって導入すれば良いのか解説します。
目次
- OCR(光学文字認識)とは
- OCRで文字を認識しデータ化するまでの 処理
- OCRの導入によるメリット
- OCRの導入によるデメリット
- 進化するOCR技術
- OCRの導入ならばカオピーズにお任せください
- まとめ
OCR(光学文字認識)とは
最初に、OCRとはどのような技術であるのか、概要について解説します。
紙の書類が抱える課題
OCRを理解するためには、紙の資料が抱える課題について認識することが重要です。
現状、多くの資料は紙で管理されていますが、DXなどの推進にあたって以下の課題を抱えています。
・管理する手間が生じる
・管理や活用にあたってコストが必要となる
・情報の検索ができない
・資料を再活用できない
このような課題を抱える理由は単純であり「デジタル化されていないから」です。紙の資料はコンピュータで検索ができず、加工や活用もできません。紙だからこそ便利、ということもありますが、今の時代においては課題を抱えることのほうが多くなっているのです。
OCRの機能により課題を解決
OCRとは、画像に含まれる文字列を認識して、データ化する技術です。画像からの認識全般を指しますが、実務では紙の資料を読み込んで、デジタル化する行為を指すと考えましょう。現在でも紙は様々な場面で利用されるため、これをデジタル化するためのツールなのです。
紙の資料をデジタル化することによって、上記で解説したような課題を解決できます。保管場所を意識したりデータを探す手間をかけたりする必要がなくなります。OCRとは光学文字認識ではありますが、業務改善に大きく役立つと考えましょう。
OCR で文字を認識しデータ化するまでの 処理
OCRによって、文字を認識しデータへ変換されるまでの処理について簡単に認識を持っておきましょう。
書類の画像への変換
OCRで文字列を認識するためには、書類を画像データに変換しなければなりません。画像データに含まれる文字を認識する技術であることは、重要なポイントであるため、必ず理解しておきましょう。
画像に変換する方法はいくつかあり、主に写真撮影やスキャンが考えられます。気軽に導入できる方法であるため、基本的にはこれらを利用すると考えるべきです。簡単なOCRであれば、スマートフォンなどで撮影した写真を読み込み、規模の大きなOCRではスキャナーで取り込んだ画像を利用します。また、それぞれの場合において、画像の解像度などいくつか意識するポイントがあります。
書類のレイアウトを把握
OCRにおいては、書類のレイアウトを認識してもらう必要があります。画像のすべてから認識できるのではなく、所定のレイアウトから画像を読み取る仕組みなのです。
例えば、クレジットカードを登録するにあたって、スマートフォンで所定の枠内に表示することがあるでしょう。これはOCRの一種であり、クレジットカードは基本的に同じレイアウトであるため、認識する範囲を指定することで数字などを読み取れるのです。
書類などにおいても同様で、どこにどのような文字列が入力されるのかを指定します。例えば、会社名が入る場所や電話番号が入る場所を指定するのです。また、それぞれの枠にどのような文字が入るか定義することで、スムーズに認識できます。
所定の位置にある文字列を認識
レイアウトを定義したならば、その内容に沿って取り込んだ画像の認識を進めます。画像データをOCRに取り込み、認識可能な文字列が割れているかどうか判断する作業です。この段階では、文字列が含まれているかどうかを判断し、含まれていれば次の処理に進みます。
逆に、文字列が含まれていなかったり、含まれているが認識できなかった場合は、エラーなどを出力する仕組みです。このタイミングで文字列を認識できるかによって、OCRとして役立つかどうかが変化します。性能が悪く適切に認識できないと、何度もやり直すことになりかねません。
文字列から具体的な文字を認識
文字列の範囲が認識できれば、続いては具体的な文字を認識していきます。これまでの処理では「その場所に文字列が存在している」ということしかOCRは理解できていません。そのため、さらに詳細な分析を実行し、具体的にどのような文字であるのか判定するのです。
判定にあたっては、事前に登録された「文字の見本データ」を活用します。OCRは大量の見本データを記録していて、それと比較しているとイメージすれば良いでしょう。認識した文字列のうち、日本データと合致するものがあれば、その文字だと判定するのです。
ただ、言い換えると見本データが登録されていなければ、OCRでの読み取りはできません。例えば、OCRにアルファベットしか登録されていなければ、ひらがなやカタカナの認識は不可能です。また、日本語に対応していても、JIS水準が高い漢字は読み取れないことがあるでしょう。
そのため、OCRで文字を認識するならば、適切な文字の見本データが登録されていることが必須です。組み合わせが悪いと、OCRの効果を十分に発揮できません。
データとして出力
すべての文字について認識が完了すれば、データとして出力されます。どのようなデータとして出力するかは、利用するOCRによって異なる部分です。一般的には、テキストデータなど、そのままコピーして利用できる状態が選択されます。
なお、OCRで読み込んだデータの用途が決まっている場合は、それに沿うこともあるでしょう。例えば、名刺の情報を読み込んで、会社名や連絡先などをシステムに登録することが考えられます。この場合は、一般的なテキストデータではなく、システムに連携できるデータ形式とするのです。利便性を高める方法があるならば、そちらが採用されることもあると考えておきましょう。
OCRの導入によるメリット
OCRを導入することで、一般的には以下のようなメリットが生まれます。
データの入力工数を削減
OCRによって自動的にデータを読み取りできれば、データ入力の工数を削減できます。今まで、人間が資料を読み取って入力していた作業は、全体的に機械化できるのです。単純作業をOCRなど自動化することで、人間は別の作業に注力できます。
特に、入力しなければならない資料が多いほど、OCRのメリットを大きく感じられます。少しの資料の場合は、OCRを利用するより人間が入力した方が早いかもしれませんが、資料が多いと圧倒的に早くなるのです。レーダー入力工数を削減できることで、人件費の削減などにもつながります。
管理や検索の利便性が向上
情報をデジタル化することによって、管理や検索の利便性が向上します。特に、内容を検索できるようになることは、OCRでデジタル化するからこそのメリットです。 紙媒体の資料では、内容を検索しようと思っても実現できません。デジタル化されていないと、検索などできないのです。
逆に、可能な限りOCRでデジタル化すれば、簡単に検索できるようになります。テキストデータを検索するツールは数多くあるため、ツールの選定で困ることはないでしょう。また、OCRで認識したデータを別のシステムに連携していれば、その中に検索機能があるはずです。
紙の書類の破棄・修正が可能
OCRで情報をデジタル化することで、書類そのものを廃棄したり修正したりすることが可能です。デジタル化しない限り、書類をいつまでも保管する必要がありますが、デジタル化してしまえばその手間がなくなります。
また、書類をデジタル化しておくことで、必要に応じて修正が可能です。紙に直接修正してしまうと、それまでの内容を確認できなくなりますが、デジタル化しておくとそれがバックアップになります。修正や変更が発生する業務において、OCRでデジタル化しておくことは、利便性を高める要因となるのです。
OCRの導入によるデメリット
OCRはメリットの多い技術ではありますが、残念ながらデメリットがあります。両方について認識し、導入するかどうか最終的な判断を下しましょう。
精度の限界
OCRの読み取り精度は向上していますが、完璧に読み取りできるわけではありません。そもそも読み取りできなかったり、何度読み取りしても不正確であったりします。そのため、何かしらの間違いが含まれる際は、人間が修正する作業が必要です。
メリットでは、OCRの活用によって、作業を自動化できると説明しました。これは間違いありませんが、誤りが含まれていないか判断する仕組みが必要です。これからOCRは進化するはずですが、現状では100%正確であるとは言い切れません。
読み取りが難しい書類
OCRでは読み取りの難しい種類が存在します。例えば、以下の書類は読み取りできないかもしれません。
・汚れやノイズなどが含まれる
・原稿の紙が薄く画像にした際、文字が透けてしまう
・縦書きと横書きが混在している
・画像にはなっているが解像度が低い
これらは一例ですが、人間には判断できてもOCRには読み取れない書類が存在しています。機械的な限界も生じるため、読み取りにはある程度の前提があると理解しておきましょう。
進化するOCR技術
OCRとは画像から文字を認識する技術ですが、現在はさらに進化したAI-OCRと呼ばれるものが存在しています。これは、OCRにAI技術を組み合わせることで、さらに効率よく文字を読み取れるようにしたものです。
例えば、AI-OCRを活用することで、今までは読み取りが難しかった手書きの文字でも認識しやすくなっています。また、読み取り結果が不自然な文脈であれば、正しいと考えられる文脈を示してもらうことも可能です。
現在はAI技術が発展しているため、AI-OCRの利用は広がっていくと考えられます。今まで以上に利便性が高まり、業務の効率化を大きくサポートしてくれるでしょう。
OCRの導入ならばカオピーズにお任せください
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