「個別化医療ってなんだか難しそう…」「個別化医療と医療DXってどう関係あるの?」
そう思う方もいるのではないでしょうか。
研究の進歩により、遺伝子や分子レベルの解析を通じて病気のタイプや体質を特定し、より効果が高く副作用の少ない治療を患者ごとに選択できるようになりました。
このような個別化医療は、医療データの活用やAI技術の導入により、医療DXの推進につながると考えられます。
こちらの記事では個別化医療とは何か、日本医療の課題、医療DXの必要性、事例についてご紹介します。
目次
- 近年注目されている個別化医療とは?
- 個別化医療は日本医療の課題を解決する?
- 個別化医療のメリット
- 個別化医療のデメリット
- 医療DXを実現した事例はある?スマホのAI診断
- 医療DXは株式会社カオピーズにお任せください
- まとめ
近年注目されている個別化医療とは?
個別化医療とは、患者一人ひとりの体質や遺伝子、病気のタイプに合わせて最適な治療を行う医療のことです。
「オーダーメイド医療」や「プレシジョン・メディシン」ともよばれます。
従来は同じ病気には同じ治療法が行われていましたが、研究の進歩により、患者の体質や遺伝子によって治療効果に個人差があることが判明しました。
これを踏まえ、遺伝子解析や体質に基づいた最適な治療法を提供する個別化医療が注目されています。
個別化医療が注目されている背景
個別化医療が注目されている背景はさまざまですが、医療費の増加がそのひとつです。
人口の高齢化やそれに伴う慢性疾患の患者数の増加、社会保障費の増大、非効率な医療システムなどが原因で、医療費の増加がヘルスケア業界における課題となっています。
そのため、現在ヘルスケア業界では、限られた費用の中でより効率よく効果の高いヘルスケアをどのように提供するのかが求められています。
そのような社会課題の解決として注目されているのが個別化医療です。
現在の医療システムでは、患者一人ひとりに合った治療を行いにくく治療効果に個人差があり、効率的な治療を行えていないことが現状です。
しかし、近年病気の発症や進行に遺伝子が関わっていることが明らかになり、遺伝子を調べる検査や遺伝子の異常に対する治療薬の開発が進んだことで個別化医療が行われるようになりました。
個別化医療と従来の医療の違い
個別化医療と従来の医療の違いは、治療のアプローチにあります。
従来の医療では、同じ病気の患者には一律に同じ治療が行われてきました。
しかし、患者の体質や遺伝子によって治療の効果や副作用に個人差があることがわかり、これを解消するために生まれたのが個別化医療です。
個別化医療では、遺伝子や分子レベルの解析を通じて病気のタイプや体質を特定し、より効果が高く副作用の少ない治療を患者ごとに選択することが可能です。
個別化医療は日本医療の課題を解決する?
個別化医療は、日本医療の課題解決に貢献する可能性があります。
少子高齢化が進む日本では、今後ますますの医療費や介護費の急増が避けられません。
健康寿命を延ばし自立的な生活期間を増やすことが求められますが、従来の画一的な医療では個々の体質や病気の違いに対応しきれず、効率的な治療が難しいのが現状です。
そのため、個別化医療が遺伝子や分子レベルで患者一人ひとりに最適な治療を提供することで、治療効果を最大化し副作用や医療資源の無駄を減少させることが期待されています。
その結果、医療費の削減や効率化が図られ、社会保障費の抑制につながる可能性があります。
また、東京や大阪をはじめとする大都市はこれから高齢化の流れが加速するのに対し、地方都市ではすでに高齢化のピークを迎え人口減少が加速している地域が多いです。
このような医療の偏りが進み専門医の不足が課題となっている地方でも、個別化医療の導入により治療の標準化が進めば都市部との医療格差を縮小できるかもしれません。
医療はAIなどのテクノロジーを活用する時代へ
2020年代は「医療4.0」の時代とされ、AIやIoT、ロボティクスなどのテクノロジーが医療分野に浸透する時代とされています。
日本の医療は1960年代の国民皆保険制度(医療1.0)を皮切りに、1980年代の高齢化対策(医療2.0)、2000年代のICT化(医療3.0)と約20年ごとに進化してきました。
高齢化や医療の偏り、社会保障費の増加といった課題解決のためには、医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)が不可欠です。
AIによる診断支援や遠隔医療の普及など、テクノロジーの活用によって効率的かつ質の高い医療提供が期待されており、日本医療はテクノロジーを活用する時代へと進行しています。
医療のテクノロジー化「個別化医療」が医療DXを推進する
医療のテクノロジー化のひとつ「個別化医療」が、医療DXの中心的な役割を果たすと考えられます。
従来は同じ病気には同じ薬が処方されてきましたが、副作用や効果の個人差が課題でした。
今後は個人の睡眠や食事のデータ、過去の治療履歴といったビッグデータを活用し、一人ひとりに最適な治療や薬を提供するオーダーメイド医療が進展すると予測されます。
AI診断の導入やデータ解析を担う医師、健康アドバイスを行うプロデューサー的な役割も生まれ、医療の在り方は大きく変わります。
医療DXが進めば、病院に行くのは手術などを受ける一部の患者だけになるでしょう。
※関連記事:医療システムとは | 導入のメリットや開発プロセスを徹底解説
個別化医療のメリット
個別化医療の最大のメリットは、患者一人ひとりに最適な治療を選べる点です。
個人の体質や遺伝子情報に基づくため、効果の期待できない治療を避け、副作用のリスクを大幅に軽減できます。
効率的な治療が可能となり、患者は早期に社会復帰できるため家族や周囲の負担の軽減にもつながります。
さらに、医薬品開発においても同じ遺伝的特徴を持つ複数の病気を対象とすることで、臨床試験が効率化され新薬の開発が進みやすくなるのもメリットです。
個別化医療のデメリット
個別化医療のデメリットには以下があります。
- 検査や治療法の開発に高額な費用がかかる
- 検査に時間がかかる
- 情報の安全管理が必要になる
個別化医療は遺伝子解析や治療法の開発には高額な費用がかかり、一般的な医療機関では導入が難しいという課題があります。
また、検査に時間が必要なためすぐに治療が必要な患者には適用が困難です。
さらに、個々の体質に合わせた治療薬が開発されていない場合もあるため、必ずしもすべての患者に最適な治療が提供できるわけではありません。
加えて、遺伝子情報や健康情報の安全管理も重要な課題です。
こうしたデータは非常にセンシティブなものであり、プライバシー保護や情報漏洩のリスクに対する厳重な対策が求められます。
※関連記事:EHRとは?|医療DXを支えるシステムを解説
医療DXを実現した事例はある?スマホのAI診断
医療DXの実例として、スマホアプリを活用したAI診断やデジタル治療が注目されています。
従来のサービスでは、スマホなどのデバイスを活用して健康アドバイス等を行う「相談」という領域が限界でした。
しかし、現在は従来の技術ではカバーしきれなかった「日常的な健康管理」や「治療」領域において、スマホやウェアラブルデバイスを利用したサービスが登場しています。
例えば、アメリカではWelldoc社の「BlueStar」が糖尿病管理アプリとして認められ、治療効果が示されています。
また、日本ではCureApp社が開発したニコチン依存症治療におけるアプリが開発され、2020年には保険適用もされました。
禁煙治療の新たな選択肢として活用されており、これにより薬や手術に頼らないデジタル治療(DTx)が広がりつつあります。
さらに、AIがCTやMRI、内視鏡画像などを解析して疾患を発見する取り組みは各地で広がっています。
このような医療DXがさらに進展することにより、将来的に地方の医療格差や医師不足などの課題は解消されるでしょう。
医療DXは株式会社カオピーズにお任せください
医療DXは、社会と医療の関係性を変革させる取り組みです。
私たち株式会社カオピーズは、ベトナムを拠点とするオフショア開発会社です。ベトナムのトップクラスのIT人材を活用することで、「コスト」「スピード」「品質」を追求するオフショア開発サービスを提供しています。
医療DXは医療業界の専門性が高く機密保持の観点から、これまでオフショア開発が敬遠されている風潮がありました。
しかし、そのような中でも、新興国側の技術集積やセキュリティ品質の向上を受け、オフショア開発による課題解決は徐々に広まっていると考えられます。
カオピーズは豊富な経験と最新システム開発技術を用いて、お客様の課題に寄り添った最適ソリューションを提供しております。医療DXシステム構築にお困りでしたら、ぜひカオピーズにお任せください。
まとめ
個別化医療とは、患者一人ひとりに合ったオーダーメイドの治療や予防を提供する医療のことです。
日本では少子高齢化などによる医療費や社会保障費の増加といった社会課題を解決する取り組みとして、個別化医療が注目されています。
個別化医療は、医療のテクノロジー化のひとつであり、医療DXを推進すると予測されており、実際に医療DXを実現した事例もあります。
株式会社カオピーズは医療DXを実現するシステム開発を提供しておりますので、医療DXシステム構築にお困りでしたらぜひ当社にお任せください。