「不動産テックって何?」
「不動産テックはどんなことができるの?」
このように、不動産テックについて気になっていませんか?
不動産テックは、不動産業界にテクノロジーを取り入れることで、不動産の業務を効率化させたり利益を向上させたりするためのサービス・ツールのことを指します。
こちらの記事では、不動産テックの詳細から主なサービス、サービス導入のメリットやコツについて解説します。
目次
不動産テックとは?
不動産テックとは、「不動産」と「テクノロジー」の2つの言葉を掛け合わせた造語です。
不動産にITツールやインターネットなどを組み合わせて、不動産業界の課題を解決するサービスおよびその取り組みのことをいいます。たとえば、不動産売買や賃貸契約、不動産投資に関して新たなサービスを生み出したり、売上向上につながるサービスを生み出したりします。
代表的な不動産テックは不動産会社の自社ホームページのほか、VRを活用した物件の内見体験などさまざまです。そのほか、あらゆる不動産会社やIT企業が不動産テックに参入しており、これまでなかった技術の開発・提供を進めています。
不動産テックが成長した背景
不動産テックは、新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けて成長したと考えられます。
感染症対策のため、日本ではリモートワークをはじめとする非対面での働き方が注目されるようになりました。不動産業界においても同様に、非対面での営業が取り入れられるようになりました。
国内のビジネス市場を調査する会社「矢野経済研究所」によれば、2030年度には2022年度比で約2.5倍となる2兆3,780億円に拡大すると予測しています。
※参照:不動産テック市場に関する調査を実施(2024年)|株式会社矢野経済研究所
また、不動産テックのはじまりはアメリカのベンチャー企業とも言われています。
2010年ごろにアメリカで不動産テックが注目されはじめ、わずか4年間でアメリカの不動産テックのベンチャー企業は、資金調達額が10億ドルを突破しました。その後、さまざまな角度から不動産テックに取り組む企業が増加し、アメリカの不動産テック市場は年間200兆円を超える規模に成長したといいます。
不動産テックの市場規模は成長している
不動産テックの市場規模は常に成長を続けています。
不動産テックはアメリカのほかにも、中国をはじめとするアジアでも盛り上がっています。
グローバルな不動産テックのマーケットプレイスを運営するイギリスの会社「unissu」によれば、アジアに存在する不動産テック関連の企業548社のうち、144社は中国企業であったとのことです。そのため、アジア圏の不動産テック企業のうち、約30%は中国企業が占めており、市場規模も大きいことがわかります。
※参照:Global PropTech Analysis: Asia|unissu
中国の不動産テック市場の成長に伴い、アジア圏ではシンガポールが2014年に「Smart Nation Singapore」を掲げ、デジタル技術やデータを活用したスマートシティ化を目指すことを発表。
日本国内でも、不動産テックに関するサービスが続々と誕生しています。一般社団法人 不動産テック協会が公開する「不動産テックカオスマップ」では、2017年時点で掲載している不動産テックサービスは約80件でしたが、2024年8月28日に公開された第10版では499サービスが掲載されました。
不動産テックの主なサービス
不動産テックのサービスには、主に以下があります。
カテゴリ | 説明 |
---|---|
生成AI | さまざまな不動産業務を生成AIを活用して支援するサービス |
VR・AR | VRやARの技術を不動産業務に活用する仕組みやサービス。VR内覧などがある |
IoT | ネットワークに接続したデバイスを不動産に設置したり内蔵したりする。スマートロックシステムなどがある |
不動産情報管理 | 物件情報や顧客データなど不動産に関連するデータを一元管理したり分析したりするサービス |
不動産業務支援 | 企業のさまざまな不動産業務を支援するサービス。集客や顧客対応、契約、設計・施工など多岐にわたる |
スペースシェアリング・マッチング | 不動産の空きスペースをシェアするサービス、または両者をマッチングするサービス。民泊サイトなどがある |
リフォーム・リノベーション | リフォーム・リノベーションの事業を営む企業の企画設計や情報提供、マッチングなどを提供するサービス |
ローン・保証 | 不動産取得に関わるローンや保証、仲介などを提供するサービス。不動産ローンの比較サイトなどがある |
クラウドファンディング | 個人投資家を中心とする投資者から資金を募るサービス。また資金を必要とする人と投資者の両者をマッチングするサービス |
物件情報・メディア | 物件情報が掲載されているメディア、および情報を提供するサービス。不動産情報誌やポータルサイトなどがある |
価格可視化・査定 | あらゆるデータを活用し、不動産価格や賃料の査定などの見積もりを行うサービス |
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不動産テックで解決できることとは?
3つのメリット
不動産テックを活用するメリットは次の3つです。
- 生産性の向上や業務が効率化する
- 情報の管理・運用が可能になる
- 不動産取引が活性化する
※関連記事:不動産会社は自社サイトを作るべき?賃貸Webサイトの制作メリットを解説
メリット①生産性の向上や業務が効率化する
不動産テックの導入により、煩雑な契約書や家賃管理などの作業時間が短縮され、生産性が向上するのがメリットです。
また、AIや機械学習を活用することで、業務の属人化が解消され、小規模な企業でも効率化が期待できます。その結果、データを活用した正確な査定や迅速な業務遂行が可能となり、全体的な業務効率の改善なども可能です。
メリット②情報の管理・運用が可能になる
不動産テックの導入により、分散していた情報を一元的に管理・運用できるようになるのもメリットです。
情報の質が向上し、売り手と買い手双方に透明性の高い情報共有が可能となり、不動産マッチングの活性化につながります。
また、情報の属人化を防ぎ、物件や顧客情報の共有が円滑になることで、生産性の向上が期待されます。
メリット③不動産取引が活性化する
不動産テックの導入により、不動産取引において次の3つの効果が期待できます。
- 取引のデジタル化
- 取引のリアルタイム化
- 不動産利用の拡大
不動産テックにより取引のデジタル化が進み、AIやブロックチェーン技術で迅速かつ安心な取引が実現します。また、ビッグデータやIoTを活用してリアルタイムで不動産の状況を把握し、管理効率が向上します。
さらに、VRやARを用いた物件紹介でマッチングを効率化し、空室率を低下させるほか、リノベーションで新たな用途に不動産を活用することも可能です。不動産利用が拡大することにより、地域の活性化にも貢献します。
不動産テックサービスを導入させるコツ
不動産テックサービスを導入させるコツは主に次の2つです。
- 社員のITリテラシーを高める
- 効率化させる業務を決定する
コツ①社員のITリテラシーを高める
不動産テックのサービスを導入する際、社員のITリテラシーを高めるのがポイントです。
サービスを導入するためには、今ある業務内容や流れを見直す必要があり、社員全員の協力が必要になります。
不動産テックのサービスを導入する目的やメリットを社内全体に共有できれば、よりスムーズにサービス導入を進められます。
コツ②効率化させる業務を決定する
効率化させる業務を決定するのも、不動産テックのサービスを導入するうえで大切です。
サービスを導入すれば業務効率化が目指せますが、一度にすべての業務においてサービスを導入することは現実的ではありません。
まずは業務における課題や問題点をリストアップし、特に重要度の高いものやすぐに解決できる課題などを優先的に検討・決定する必要があります。
まとめ
不動産テックは、不動産にITツールやインターネットなどを組み合わせたサービスやツール、およびその取り組みのことです。
私たちカオピーズは、システム開発の受託会社です。管理システムをはじめとする不動産テックのサービス開発実績もございます。不動産テックのサービス開発はぜひカオピーズにお任せください。