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GXとは何か?テクノロジーを活用して気候変動の影響に対処する仕組み
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2024.03.21

GXとは何か?テクノロジーを活用して気候変動の影響に対処する仕組み

地球温暖化や水質汚染、森林破壊などの環境問題は、世界中のあらゆる地域社会に影響を与え続けています。こうした課題に対処するため、政策やビジネスリーダーたちはグリーントランスフォーメーション(GX)を採用し、推進し始めています。これは、社会がテクノロジーを活用して気候変動問題に対処するための枠組みのことです。GXの概念は比較的新しいものであるため、新興企業の創業者は自分の会社がGXのカテゴリーに入ることを知らなかったり、自分の会社がGXの前進にどれほど大きな影響を与えることができるかを知らなかったりする可能性があります。本記事では、GXとは何か、GXの分野の例、そしてGXに対する政府のサポートについて解説します。

目次

GXとは何か?

GX(グリーントランスフォーメーション)とは、化石エネルギー中心の産業構造からクリーンエネルギー中心の産業構造への転換をもたらすとされる、日本政府主導のイニチアチブのことです。

2015年、国連はパリ協定を採択し、各国が排出量削減に合意することで気候変動の影響を軽減し、環境変化の悪影響に対するレジリエンスを高め、地域的および国際的な協力を促進することを目的としました。気候に関連した政策のもうひとつの例は、モントリオール議定書のキガリ改正です。148カ国が署名したこの国際協定は、ハイドロフルオロカーボン(温室効果ガス)の消費を削減することを目的としています。キガリ改正やパリ協定といった世界的な枠組みが実施されることで、GX新興企業には、GXの利害関係者のさまざまなニーズに積極的に取り組む刺激的な機会があります。

中核となる物理的資産はさておき、最終的には、弊社Geodesicは企業や政府、社会の気候変動目標を推進するSaaSやデータ新興企業といったテクノロジーによってGXは牽引されると考えています。

 GX とは何か?

これらのSaaSツールは、さまざまな利害関係者間の協力を促進するデジタルプラットフォームを提供します。それによって、企業や消費者、政府機関が共通の気候変動目標で連携できるようになります。GXは、グリーン・イニシアチブを推進する政府機関だけのものではありません。これらのテクノロジーによって、企業が従来のエネルギー形態への依存を減らし、より持続可能な経営管理方法を特定できるようになります。GXの原動力となっているのは、グリーン・イニシアチブに対する民間セクターの強い需要と関心です。これが、グリーン・イニシアチブを採用しようとしている現代の企業や消費者のニーズに取り組むこの分野の新興企業の成長を後押ししているのです。2021年、気候テックの新興企業は400億ドル(約5兆8,000億円)の民間資金を調達しました。

GXにはどのような形態があるのか?

GXの新興企業は、持続可能な生活様式を推進する上で重要な役割を果たすでしょう。気候テックのVCは、エネルギー、食料・土地利用、輸送、建築環境、炭素、気候管理、産業という7つの気候分野を定義しています。

その中でも、カーボンの分野では資金調達が大幅に増加しています。気候テックのVCによると、カーボン関連企業は2022年上期に約15億ドル(約2,220億円)を調達しました。2022年上期のカーボン案件数は2021年上期の2倍であり、この分野の資金調達は前年同期比8倍に急増しました。この分野での最近のイノベーションには、炭素追跡や炭素会計、カーボンオフセットツール、炭素除去テクノロジーを提供する企業が含まれます。

GX にはどのような形態があるのか?

炭素と気候管理が交わる点に位置する新興企業の一例がComboCurveです。ComboCurveはクラウドベースの次世代温室効果ガス(GHG)エネルギー分析・運用プラットフォームであり、2017年に設立されました。同社は、意志決定者が資産を評価し、意思決定のリスクを取り除き、ネットゼロの計画を立てる際の支援を行います。同社の炭素会計ソリューション(ComboCarbon)を利用することで、GHG排出量を施設の計画や開発プロセスに統合できるようになります。これにより企業は、施設内の各部門を設立することで、排出量やコスト、削減目標にどのような影響を受けるかを理解できるようになります。このテクノロジーは、具体的なコスト削減と業務効率化を推進するために活用されており、企業のグリーン目標だけでなく、業務上および戦略上の目標の推進にも役立っています。ComboCurveは、企業がエネルギー消費を再評価し、ネットゼロ計画を実行する方法を変えようとしている多くのGX企業の一例です。

GX新興企業のもう一つの例は、気候管理SaaSプラットフォームを提供するClimateAiです。同社は2021年5月に1,200万ドル(約18億円)のシリーズAラウンドを調達しました。ClimateAiは人工知能を活用し、気候変動が企業の資産に及ぼすリスクを予測する手助けをします。この情報により、企業は必要に応じてサプライチェーンの運営を適応させ、コスト削減と成長を促進できます。ClimateAiの予測データは、過去の気候変動データの平均値よりも25~50%精度が高いです。ClimateAi社の顧客には、Ocean SprayやDriscoll's、Advantaなどが挙げられます。ClimateAiの支援により、小売業者は適切な商品を適切な地域、適切な時期に配置できます。Pacific Seeds(ClimateAiの顧客)は、オーストラリア有数の種苗会社です。2020年、ClimateAiはニューサウスウェールズ州北部にあるPacific Seedsの重要な栽培地域のひとつで降雨現象を予測しました。Pacific Seedsはこのデータを活用し、この地域に追加で在庫を移動させ、売上を5~10%押し上げました。ClimateAiのような予測モデルのプラットフォームは、企業のトップラインの成長を促進し、現代の企業のデータスタックに不可欠なツールとなっています。

世界各国はGXをどう見ているのか?

グリーン戦略を採用することによる社会的・経済的・環境的影響を各国が検討する中、GXは世界各国のリーダーにとって最重要課題となっています。イギリスやアイスランド、オランダなどの国々は、二酸化炭素排出量を削減し、環境に悪影響を及ぼしている現在のプロセスを変革するための革新的な技術を推進しています。

日本はGXをどう普及させるか

日本は天然資源に限りがあるため、原材料とエネルギーの多くを輸入に頼っています。2021年には、日本は天然ガス輸入国の第2位にランクされました。こうした状況を踏まえると、代替エネルギー源の探求とGXの採用は、日本政府にとっての最優先課題です。GXは、日本が他国の資源にあまり依存することなく、政治的・環境的に自立するための素晴らしい機会なのです。

日本の岸田首相とGX実行会議は、GXを、カーボンニュートラルの達成を究極の目標とし、社会や経済、ビジネス産業のあらゆる部分に影響を与える複数年戦略であると考えています。2022年7月に開催された日本のGX実行会議において、岸田首相は今日の気候における従来のエネルギー形態からの転換の重要性を強調し、将来の持続可能なエネルギー利用を推進する上で、テクノロジーや政府、社会の関与が果たす役割を強調しました。

中長期的に、日本のGX展開戦略は下記の3つの柱からなるアプローチです。
1) 1つ目の取り組みは、再生可能エネルギーや蓄電池の導入、省エネルギーへの取り組みであると同時に、電力とガスの安定供給を確保するための原子力発電所の再稼働です。
2) 2つ目の取り組みは、この施策が日本におけるGX目標の達成にどのように役立つのかについて、国民の認識を高めることです。
3) 3つ目の取り組みは、GXロードマップにおける政策イニシアチブの議論を進めることです。

2022年7月以降、日本政府はGXの推進において重要な前進を遂げました。2023年2月、日本は「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定しました。これは、日本の脱炭素化計画の10年間のロードマップであり、自主的な排出ベースライン・クレジット制度、義務的な排出量取引制度(ETS)、炭素税を導入するものです。

GXの加速:GXイノベーションの機会と課題を探る

エネルギー消費の現状を踏まえ、世界中の政策リーダーがGXを受け入れ、推進しています。GXは世界中の社会にとって最優先事項なのです。

GX の加速:GXイノベーションの機会と課題を探る

あらゆる分野(エネルギー、食料・土地利用、輸送、建築環境、炭素、気候管理、産業)で、新興企業はGXがもたらすユニークなビジネスチャンスを活用し、GXイノベーションの触媒としての役割を果たしています。企業がESG基準をモニターするのを支援したり、炭素排出量についてさまざまな利害関係者に責任を担わせたりと、新興企業はGXにおけるイノベーションの先頭に立っています。

GXは初期段階です。そして、エネルギーや炭素、気候管理など、破滅への機が熟したさまざまな分野があります。GXのカテゴリーはまだ成熟していませんが、炭素(炭素の除去や貯蔵、炭素利用などのユースケースを含む)のような新興のサブ分野での資金調達は増加し続けており、これらのツールの重要性と必要性を強調しています。

カオピーズと共にあるGXの未来

ベトナム有数のテクノロジー企業の1社として、カオピーズもまた、GXの推進に貢献する新しいテクノロジーの継続的な研究の重要性を認識しています。同時に、カオピーズは日本の顧客であるパートナーと共に、GXに関連する多くのプロジェクトを成功させてきました。

カオピーズは、10年にわたるシステム開発やアプリケーション開発の経験と、AIやブロックチェーンなどの新しいテクノロジー分野での経験を生かし、協働するうえで信頼できるパートナーの1社であると確信しています。お客様は持続可能な発展を目指せるようになるでしょう。

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