「文字認識の OCR がどのようなものか知りたい」
「AIを活用したAI-OCRについて詳しく知りたい」
「AI-OCRを使って業務改善したい」
OCR を使って業務を効率化したいけれど、詳しいことはよくわからない……そのような企業様も多いのではないでしょうか?
この記事ではOCR導入をご検討中の企業様に向け、文字認識「OCR」とAIを活用した文字認識「AI-OCR」について解説します。
AI-OCR導入には、リーズナブルな価格・業務内容に合わせたソリューションが不可欠です。AI画像認識に詳しい開発企業に一度相談してみてはいかがでしょうか?
AI画像認識の開発・研究で多くの実績のあるオフショア開発会社カオピーズが丁寧に解説します。
目次
OCRとは?
OCRとは、デジタル画像から文字を認識する技術です。
「Optical Character Recognition:光学的文字認識」の略で、主に請求書・明細書などのビジネス文書の読み取りで活用されてきました。
OCRは、数十年前から世界中で改善・開発が行われてきました。そして近年はAI(人工知能)の進歩により、OCR技術にAIをプラスした『AI-OCR』の導入が活性化しています。
文字認識の流れ
OCRでの文字認識は、一般的に以下のような手順で行われます。人間であれば簡単な文字認識ですが、コンピューターで実現するには複雑な処理が必要です。
1.画像取り込み
・カメラ・スキャナから画像取り込み
・画像から文章・写真・罫線を切り分け
・文章部分のみ抽出
2.文字切り出し
・文章全体から一行を取り出す
・一行から一文字を取り出す
3.文字認識
・取り出した文字を扱いやすい形に変換(正規化)
・正規化した文字の特徴を分析
・事前に登録された複数の文字とマッチング
・マッチング結果から文字を認識
メリット
ビジネスでOCRを活用すると、以下のようなメリットがあります。
人件費削減
会計事務所などでは、月末に大量の帳票処理が必要になります。その際、データの入力に多くの人手・時間が必要でした。
OCR化により、データ入力のための人材確保が不要になり、人件費の削減が実現できます。
入力ミスを削減
これまでは、帳票からの入力・チェック作業は全て人間の手で行われていました。人間に疲労やうっかりミスはつきもので、多くの間違いが発生していました。
このような間違い・見落としによるヒューマンエラーを大幅に減少することが可能です。
省スペース化
OCRで読み取ったデータは、ハードディスクなどのストレージやクラウド上に保存できます。大量の文書を保管するための書類棚・資料庫が不要になり、オフィスの省スペース化が図れます。
データ活用
OCRでデジタル化されたデータはパソコンから簡単に検索可能です。保管庫・本棚の資料から調べる手間が省け、様々なビジネスにデータを有効利用できます。
デメリット(課題)
OCRでの読み取り技術は完全ではなく、以下のような課題があります。
書式変更に対応できない
読み取り箇所を事前に設定しないと、OCRでは読み取りができません。多くの場合、取引先ごとにフォーマットが異なるので、その都度対応が必要です。
文字のかすれ・汚れに対応できない
文字のかすれ・はみ出し・光の反射などで認識精度が下がってしまいます。また、書類の傾きやズレにも対応できないという欠点があります。
手書き文字に対応できない
手書き文字のような、人それぞれ異なるパターンには対応しきれません。新しいパターンに対応するためには、その都度エンジニアによる設計・バージョンアップが必要です。
人手による対応には限界があり、従来のやり方には多くの課題が残されていました。
このように多くの課題がありましたが、近年AI技術の導入が進んでいます。
AI画像認識によりテキストをはじめ、人・モノ・動物など様々な要素の識別が可能になりました。
AI-OCRとは?
AIを活用した文字認識はAI-OCRと呼ばれています。AI-OCRでは、「画像に何が映っているか」を人間と同じようにAIが認識します。
AIに多くの学習用画像を与えるとAIが自動学習し、高い精度で文字を識別します。
OCRとの違い
これまで、画像取り込みから文字認識までの一連の処理は、人間が設計していました。そのため、人間が設計したことしかできないという点が大きな課題となっていました。
AI-OCRでは、これら人間が設計していた処理をAIが学習により実現・改善します。これにはAIの「深層学習(ディープラーニング)」という技術が使用されています。
AIによる深層学習
AIの深層学習とは、「人間の脳神経(ニューラル)回路(ネットワーク)を、数学の関数で再現した自動学習技術」です。
画像認識・音声認識など様々な分野で活用されています。
ディープラーニングの手順
・はじめに「教師データ(例題と解答のペア)」で学習させる
・大量の教師データをAIに与え、繰り返し「深層学習」させる
・学習すればするほどAIの正解率が上がる
これにより、OCRでできなかった「人間の設計以外の識別」が可能になりました。
AI-OCRでできること
AI活用により、以下のような処理が可能になりました。
非定型書類(フリーフォーマット)に対応
OCRと異なり、読み取り箇所を事前に設定する必要がありません。そのため、取引先ごとに異なるフォーマットに対応できます。書類のズレにも対応可能です。
また、「氏名」「金額」などの見出しから、文字や数字が何を意味するのかをAIが自動識別します。
手書き文字・多様なフォントに対応
人により異なる手書き文字も認識可能になりました。
文字のかすれ・はみ出しにも対応でき、明朝・ゴシック・丸ゴシックなど様々なフォントを識別することができます。
事後学習で精度が向上
AI-OCRの認識率は100%ではありません。しかし誤認識した未知の特徴も、後から学習させれば認識できるようになります。
新しい書式(フォーマット)・新しい文字パターンも学習を重ねることで正解率がアップします。
AI-OCRの活用例
以下のように、あらゆるビジネス文書に活用可能です。
・領収書・請求書
・契約書
・名刺
・アンケート用紙
・運転免許証・パスポート・マイナンバーカード・健康保険証
・電気料金・ガス料金明細書
AI-OCR導入のメリット
OCRのメリット「人件費削減」「入力ミス削減」「省スペース化」はもちろん、主に4つのメリットが加わります。
OCRに比べ高精度認識を実現
前述の通り文字のかすれ・手書き文字や非定型書類に対応できるため、認識率が大幅に進歩しました。
また誤認識データは事後学習により改善できるため、継続的に精度を向上させることができます。
開発費軽減
ディープラーニングにより、これまで人間が設計していた処理を自動化できるようになりました。
これにより開発会社での開発コストが削減できるため、結果的に各企業の投資額が軽減されます。
会計システムなどと連携
従来のOCR技術では文字認識ができても、「文字の意味」は認識できませんでした。そのため読み取った情報を、会計システムの該当する項目へ手入力する必要がありました。
AI-OCRでは文字や数字の意味をAIが自動識別します。識別された情報は会計・顧客管理システムの該当する項目へ自動入力することが可能です。
DX化による新サービスの創出
AI-OCRを始めとしたAI技術導入により、これまでは考えられなかったような新サービスを創出できます。
新規の自社クラウドサービス(SaaS)へAI-OCRを活用すれば、ビジネスのDX化が実現可能です。
AI-OCR開発の進め方
実際に自社サービスにAI-OCRを導入する場合、各企業で実現したいサービスが異なるため、フリーソフトや市販ソフトでの対応は難しいのが現状です。
サービスごとに最適化したソリューションを選択することをおすすめします。
使用するAI基盤は目的により異なる
AIシステムの開発では目的や規模に合わせ、最適なAIモデル(AIのソフトウェア基盤)を選択する必要があります。
そして、選択したAIモデルはカスタマイズが必要になることがほとんどです。AIは新しい技術であるため、これらの課題をネットや書籍の情報から解決するのは非常に困難です。
AI-OCR開発企業に相談するのが得策
これらの課題解決には、AI-OCR開発実績のある開発企業に相談するのが得策です。
デモ版などを参考に、サービスが実現可能かを打ち合わせしながら導入を検討することができます。
実現の見通しが立てば、実際の画像データを使用したPoC(Proof of Concept)で試作版を作成します。試作版で実現可能性が確認できれば、本格的な開発へと進みます。
まとめ
今回は、AI-OCRの概要やOCRとの違いについて解説しました。
・OCRでは人間が設定したものしか認識できない
・AI-OCRは非定型・手書き文字の認識が可能
・AI-OCRで業務効率化・DX促進が実現可能
ベトナムのオフショア開発企業「カオピーズ」は、2021年に自社製AI-OCRエンジン「Yomokka」を発表し、多くの日本企業様のビジネスをサポートしています。
機能性AI-OCRエンジン「Yomokka」の特徴
・定型文書・非定型文書どちらにも対応
・取引先ごとに異なるフォーマットもまとめて読み込み
・文字の配置・表の見出しなどから情報の種類を判別
・手書きおよびほとんどの日本語フォントに対応
Yomokkaを活用すれば、貴社のサービス開発を早く・リーズナブルに進めることができます。
またYomokkaをカスタマイズすることで、貴社サービスに最適なAI画像認識ソリューションをご提供可能です。
AI-OCRによる業務効率化・DX促進をご検討の際は、是非弊社にご相談ください。