AWSかAzureか: 2021年版の大手クラウドサービス会社の徹底比較

AWS(アマゾン ウェブ サービス)かMicrosoft Azure (アジュール)かは、クラウドコンピューティングを考える上でよくぶつかる問題です。優れたコンピューティング能力、スケーラビリティ、セキュリティから他社にはない費用対効果や二酸化炭素排出量の削減に至るまで、両社のクラウドエコシステムからは数え切れないほどのメリットが得られます。
クラウドコンピューティング業界は急成長を遂げていて、クラウドプロバイダー、テクノロジー、製品、サービスの数が爆発的に増加しています。単にクラウドの導入と言っても、何百もの選択肢があります。変な言い方ですが、選択肢が多すぎるのも問題です!
この記事を読めば、クラウドコンピューティングの大手2社であるAWSとAzureのうち、どちらを選ぶべきかがわかります。そして、それぞれの代表的製品、サービス、価格モデル、そして顧客サポート体制についての知識が身につきます。

目次

AWSとAzureの機能比較

AWS (アマゾン ウェブ サービス):飛躍的な成長を続ける膨大なツールセットを持つアマゾンの強みは、他の追随を許しません。しかし、コスト構造が複雑な場合もあります。また、ハイブリッドクラウドやプライベートクラウドではなくパブリッククラウドに焦点を絞っているため、データセンターとの相互運用はAWSにとっては最優先事項ではないでしょう。

Azure (アジュール) :AWSに対して互角のライバルであり、並外れて優れたクラウドインフラを備えています。顧客が企業の場合は、Azureはその企業の意図に沿ったものになるでしょう。マイクロソフトのような企業背景(そしてWindowsサポート)を持つ企業はほとんどいないからです。また、Azureは企業がデータセンターを運営していることを把握していて、Azureプラットフォームはデータセンターとの相互運用に力を入れています。ハイブリッドクラウドは真の強みです。

AWSとAzureのクラウドプラットフォームは簡単には比較できません。現在、AWSとAzureは、無数の製品やサービスを含む、何百もの競争力の高いクラウドソリューションを提供しています。コンピューティング、ストレージ、データベース、セキュリティ、ロボティクス、機械学習、さらには量子技術に至るまでさまざまなカテゴリーがあり、豊富な選択肢があります。同一条件で比較する際に細部で迷わないためにも、この2つのテクノロジーについての基本的な知識と理解が必要となります。

aws-vs-azure

全体的な長所と短所

AWS
アマゾンの最大の強みは、パブリッククラウド市場での優位性です。ガートナーは「全世界におけるクラウド IaaS のマジック・クアドラント」の中で、「AWSは10年以上にわたり、クラウドIaaSの市場シェアリーダーである」とコメントしています。
その人気の理由のひとつは、一部には間違いなくその巨大な事業範囲にあります。AWSは、利用可能なサービスの種類が膨大で増加し続けているだけでなく、世界中のデータセンターのネットワークも非常に充実しています。ガートナーは、同社のレポートにおいて「AWSは最も成熟した、大企業向けのプロバイダーであり、多数のユーザーとリソースを管理するための非常に深遠な能力を備えている」とまとめています。
アマゾンの大きな弱点は、コスト関連です。定期的に価格を下げているものの、多くの企業はサービス上で大量のワークロードを実行するにあたって、同社のコスト構造の理解や効果的なコスト管理が難しいと感じています。
しかし、全般的にアマゾンの長所はこういった短所を上回っていて、あらゆる規模の企業がさまざまなワークロードに対してAWSを利用し続けています。

Azure
マイクロソフトは、クラウド市場に遅れて参入しましたが、Windows Server、Office、SQL Server、Sharepoint、Dynamics Active Directory、.Netなどのオンプレミスのソフトウェアを基本的にクラウド用として再利用することで、好調な出だしとなりました。
Azureが成功した大きな理由は、多くの企業がWindowsや他のマイクロソフトのソフトウェアを導入している点にあります。これらのアプリケーションと密接に統合されているため、マイクロソフトのソフトウェアを数多く使用している企業は、Azureの利用が理にかなっていると考えることが多いのです。これにより、マイクロソフトは既存顧客に対するロイヤリティを高めています。マイクロソフトの既存顧客であれば、サービス契約からの大幅な割引も期待できます。
短所の面で言うと、ガートナーはこのプラットフォームの欠点を指摘しています。「Microsoft Azureは大企業向けのプラットフォームだが、ガートナーの顧客は、大企業向けベンダーとしてのマイクロソフトの長い歴史を考慮すると、サービス体験が思ったよりも大企業向けではないと感じていると報告している」と述べています。また、「顧客はテクニカルサポート、文書化、トレーニング、広範なISVパートナーエコシステムなどの問題を引き合いに出している」と述べています。

コンピューティング

AWS
Elastic Compute Cloud: アマゾンの主力のコンピューティングサービスが、「Elastic Compute Cloud(EC2)」です。アマゾンはEC2を「安全で、クラウド内で規模の変更が可能なコンピューティング性能を利用できるウェブサービス」と説明しています。EC2は、膨大な種類のインスタンス、WindowsとLinuxの両方のサポート、ベアメタルインスタンス、GPUインスタンス、ハイパフォーマンス・コンピューティング、オートスケーリングなど、さまざまなオプションを提供しています。また、AWSはEC2の無料枠を提供していて、これには最大12カ月間、毎月750時間の利用が含まれています。
コンテナサービス: コンピューティングのカテゴリーの中では、アマゾンのさまざまなコンテナサービスが人気を集めています。DockerやKubernetesをサポートするオプションや、コンテナ使用時のサーバーやクラスター管理を自動化する独自の「Fargate」サービスがあります。また、「Lightsail」として知られる仮想プライベートクラウドのオプション、バッチコンピューティングジョブのための「Batch」、Webアプリケーションの実行とスケーリングのための「Elastic Beanstalk」などのサービスも提供しています。

Azure
仮想マシン: Microsoft Azureの主要なクラウドベースのコンピューティングサービスは、「Virtual Machines」と呼ばれています。Linux、Windows Server、SQL Server、Oracle、IBM、SAPに対応しているほか、セキュリティの強化、ハイブリッドクラウド機能、Microsoftソフトウェアの統合サポートなどが特徴です。AWSと同様に、GPUやハイパフォーマンス・コンピューティング、人工知能や機械学習に最適化されたインスタンスなど、利用可能なインスタンスのカタログが非常に充実しています。また、WindowsやLinuxのB1S仮想マシンを1年間毎月750時間利用できる無料枠も用意されています。
その他のサービス: Azure版のAuto Scalingは「Virtual Machine Scale Sets」として知られています。Azureには2つのコンテナサービスがあります。「Azure Container Service」はKubernetesベースであり、「Container Services」はDocker HubとAzure Container Registryを用いて管理します。さらに、Azureには「Batch」サービスがあり、スケーラブルなWebアプリケーションのための「Cloud Services」は、AWS Elastic Beanstalkに似ています。また、マイクロサービスアーキテクチャのアプリケーションに特化した「Service Fabric」という独自のサービスも提供しています。

ベンダー
長所
短所
AWS • 市場での支配的な立場
• 豊富な成熟した製品
• 大企業へのサポート
• 豊富なトレーニング
• グローバルな展開
• 活用の難しさ
• コスト管理
• 多すぎる選択肢
Azure • 2番目に大規模なプロバイダー
• マイクロソフトのツールやソフトウェアとの統合
• 幅広い機能群
• ハイブリッドクラウド
• オープンソース対応
• 文書化の問題
• 管理ツールの不備

ストレージ

AWS
SSSからEFSまで:AWSのストレージサービスには、オブジェクトストレージ向けの「Simple Storage Service(S3)」、EC2で使用する永続的なブロックストレージ向けの「Elastic Block Storage(EBS)」、ファイルストレージの「Elastic File System(EFS)」があります。革新的なストレージ製品としては、ハイブリッドストレージ環境を実現する「Storage Gateway」や、企業がインターネットでの転送が困難な場合でもペタバイト級のデータを転送できる物理的ハードウェアデバイス「Snowball」などがあります。
データベースとアーカイブ: アマゾンは、SQL互換のデータベース「Aurora」、「Relational Database Service (リレーショナルデータベースサービス: RDS)」、NoSQLデータベースの「DynamoDB」、インメモリデータストアの「ElastiCache」、データウェアハウスの「Redshift」、グラフデータベースの「Neptune」、「Database Migration Service(データベース移行サービス)」を提供しています。それに、アマゾンが格安料金で提供する「Glacier」は、長期のアーカイブストレージ向けとなっています。また、同社の「Storage Gateway」を利用することで、バックアップやアーカイブのプロセスを簡単に設定できます。

Azure
ストレージサービス: Microsoft Azureの基本的なストレージサービスには、RESTベースのオブジェクトストレージで非構造化データ向けの「Blob Storage」、大容量ワークロード向けの「Queue Storage」、「File Storage」、「Disk Storage」があります。また、ビッグデータアプリケーションに便利な「Data Lake Store」もあります。
豊富なデータベース: Azureのデータベースオプションは特に充実しています。「SQL Database」、「Database for MySQL」、「Database for PostgreSQL」という、SQLベースのオプションが3つあります。また、「Data Warehouse」サービスや「Cosmos DB」、NoSQL用の「Table Storage」もあります。「Redis Cache」はインメモリサービスで、「Server Stretch Database」は、自社のデータセンターでMicrosoft SQL Serverを使用している企業向けに特化して設計された、ハイブリッドストレージサービスです。AWSとは異なり、マイクロソフトは実際に「Backup」サービス、「Site Recovery」サービス、「Archive Storage」を提供しています。

ベンダー
コンピューティングサービス
AWS
• EC2
• Elastic Container Service
• Elastic Container Service for Kubernetes
• Elastic Container Registry
• Lightsail
• Batch
• Elastic Beanstalk
• Fargate
• Auto Scaling
• Elastic Load Balancing
• VMware Cloud on AWS
Azure
• Virtual Machines
• Virtual Machine Scale Sets
• Azure Container Service (AKS)
• Container Instances
• Batch
• Service Fabric
• Cloud Services

主要なクラウドツール

専門家によると、今後は人工知能や機械学習、IoT(Internet of Things)、サーバーレス・コンピューティングなどの新たなテクノロジーが、クラウドベンダーにとって差別化のキーポイントになるそうです。主要なベンダー3社はいずれも、これらの分野でのサービス提供を実験的に開始しており、来年には拡大していくと思われます。

AWS
「Sagemaker」から「Serverless」まで: 他の分野と同様に、AWSはこの分野において最もサービス数が多いです。注目すべきは、機械学習モデルのトレーニングとその展開に向けたサービス「SageMaker」、Alexaサービスにも利用されている会話型インターフェース「Lex」、IoTメッセージングサービス「Greengrass」、サーバーレスコンピューティングサービス「Lambda」などです。
AIとML(機械学習): AI向けのサービスの中でも、AWSはAI搭載カメラ「DeepLens」を提供しています。これは、光学式文字認識(OCR)や画像・物体認識などに用いる機械学習アルゴリズムを開発や導入するためのものです。AWSは、オープンソースの深層学習ライブラリ「Gluon」を発表しました。それを使えば、開発者や開発者でない人がAIプログラミングの知識がなくても簡単にニューラルネットワークを構築し、迅速にトレーニングできます。

Azure
「Cognitive Services」: 人工知能に多額の投資をしてきたマイクロソフトは、Azureで機械学習サービスとボットサービスを提供しています。マイクロソフトは「Cognitive Services」として、「Bing Web Search API」、「Text Analytics API」、「Face API」、「Computer Vision API」、「Custom Vision Service」を提供しています。IoTについては、管理・分析サービスが数種類あり、その中でも「Functions」として知られるサーバーレスコンピューティングサービスがあります。
マイクロソフト・ソフトウェアのサポート: 驚くことではありませんが、Azureの優れたツールの中には、オンプレミスのマイクロソフト・ソフトウェアのサポートを目的とするものがあります。「Azure Backup」は、Windows Server 2012 R2とWindows Server 2016においてWindows Server Backupを連携させるサービスです。「Visual Studio Team Services」は、Azure上でVisual Studioプロジェクトをホストします。

ベンダー
ストレージサービス
データベースサービス
バックアップサービス
AWS
• Simple Storage Service (S3)
• Elastic Block Storage (EBS)
• Elastic File System (EFS)
• Storage Gateway
• Snowball
• Snowball Edge
• Snowmobile
• Aurora
• RDS
• DynamoDB
• ElastiCache
• Redshift
• Neptune
• Database migration service
• Glacier
Azure
• Blob Storage
• Queue Storage
• File Storage
• Disk Storage
• Data Lake Store
• SQL Database
• Database for MySQL
• Database for PostgreSQL
• Data Warehouse
• Server Stretch Database
• Cosmos DB
• Table Storage
• Redis Cache
• Archive Storage
• Backup
• Site Recovery

価格設定

これらのクラウドリーダー3社の価格や価格変動は理解しづらいです。また、顧客がサービス担当者から得られる特定の取り決めに応じて価格が変化することもあります。ご注意ください。

AWSの価格設定: アマゾンの価格設定は特にわかりにくいです。アマゾンは予算を設定するサイトを提供していますが、多くの変数が使われているため、正確な見積もりが困難です。ガートナーは、「(アマゾンの)詳細な価格体系は複雑であるため、サードパーティのコスト管理ツールの使用を強く推奨します」と提言しています。

Azureの価格設定: Microsoft Azureは、もうこれ以上はシンプルになりません。マイクロソフトの複雑なソフトウェア・ライセンスオプションや状況に応じた割引の適用が原因で、その価格体系は外部の支援や豊富な経験なしでは理解しづらいです。

どちらが最適か?

この記事の始めで述べたように、最適なパブリッククラウドベンダーは、顧客のニーズやワークロードによって異なります。事実、あるプロジェクトに最適なベンダーが、他のプロジェクトでも最適なベンダーであるとは限りません。多くの専門家は、大多数の企業がマルチクラウドに多額の投資をするつもりだと考えています。実際、マルチクラウド戦略を追求することで、ベンダーロックインを軽減するかワークロードを最適なサービスに適合させることができるかもしれません。

AWSを選択する場合: 豊富なツールとサービス、そして大規模なスケールを誇るAWSを選択して間違いありません。アマゾンを選ばない唯一の理由は、小さなブティックショップのような個人的な関係を望む場合です。アマゾンの規模では、すべての顧客と親密な関係を築くことは困難ですが、気配りの行き届く対応が可能なマネージドサービスプロバイダーもあります。

Azureを選択する場合: マイクロソフトの最大の魅力は、もちろんマイクロソフトのショップにあります。既存の.NetコードはすべてAzure上で動作します。サーバー環境はAzureと接続し、オンプレミスのアプリを簡単に移行できます。さらに、ハイブリッドクラウドへ深く注目しているAzureは、レガシーなデータセンター環境と、迅速な拡張が可能な(そして豊富な機能を持つ)マイクロソフトのクラウドとの橋渡しをしてくれます。

結論

企業としてクラウドサービスプロバイダーを選択する際には、複数の要素を考慮しなければなりません。最終的には、AzureもAWSも、最高のクラウドプラットフォーム、製品、サービスを提供する最先端のプロバイダーであることに変わりありません。どちらを選ぶにしても、クラウドの豊富なメリットを引き出すことができます。

※カオピーズは、ベトナム ハノイと東京に開発拠点を置き、日本企業様向けにオフショア開発AI・画像認識エンジン開発AWS導入支援を中心としたサービスを提供し、お客様のDX推進をサポートしています。2020年から2年連続でAWSパートナーネットワーク(APN)コンサルティングパートナーの一社として認定されています。多くの企業様を支え続けてきた300案件以上からくる豊富な知見とノウハウで、ご要件に見合ったクラウドサービスの提案からクラウド環境の設計、構築、運用をまでサポートいたします。クラウドサービスについて、ご質問・ご相談があれば、ぜひ当社までお問い合わせください。

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