AI開発 | 概要と流れ~言語や事例も紹介~【AI開発会社が解説】
「AI開発がどのようなものか知りたい」
「AI開発のメリットを知りたい」
「AI開発の流れや必要なスキルを知りたい」
チャットGPTなどで2023年も注目の「 AI開発 」。
大まかには理解しているけど、何ができるのかはまだ把握しきれていないという方も多いのではないでしょうか?
今回は、AI開発を検討されている方に向け、AI開発の概要と流れを徹底解説します。
この記事を読めばAIでできることがわかり、AI導入をスムーズに進められるようになります。
AIの研究開発を行うベトナムのオフショア開発企業「カオピーズ」がお届けします。
目次
1. AI開発 とは?
AI開発とは、AI(人工知能)のテクノロジーを活用したソフトウェア開発のことで、代表例に顔認証システムなどがあります。
はじめに、AIの概要や種類について解説します。
1.1 AIの概要
AIとは、「AI:Artificial(人工的な) Intelligence(知能)」の略で、人間の知能を数学の関数によって再現しようとする技術を意味します。
AIの歴史は古く、1950年代から様々な研究開発が繰り返され、時代によって定義や扱いが大きく変化してきました。
現在も研究者や開発者によって定義が異なるため、「知的なプログラムを作る技術全般」として解釈するとよいかもしれません。
1.2 AIは大きく3つに分類される
AI開発で最も特徴的なのは、AIに学習をさせて認識精度を向上させる点です。
この「学習のさせ方」や技術的な違いにより、AIは大きく3種類に分類されます。
AI(人工知能)
人間の思考をプログラムで模倣したソフトウェア全般で、第一次AIブーム(1950~60年代)・第二次AIブーム(1980年代)のレガシーなシステムも含む幅広い技術を指します。
マシンラーニング(機械学習)
2000年代に入り、「マシンラーニング」と呼ばれる学習技術が実用化されました。
マシンラーニングは、AIに大量の学習データを与え、データ内の特徴やパターンを抽出させる技術です。
人間が手動で判断基準を設定する手法であるため、判断基準が明確な「ホワイトボックス」システムを作ることができます。
ディープラーニング(深層学習)
マシンラーニングから発展させた学習技術で、「人間の設定以上の判断」をAIが自動で行うものです。
マシンラーニングのサブカテゴリーとして分類されますが、判断規準が確認できない「ブラックボックス」システムとなるのが大きな特徴です。
1.3 AIをめぐる最新動向
2023年4月現在、AI開発に関して様々な議論がなされています。
実業家イーロン・マスク氏らが、「チャットGPT」などのAIシステムが社会に及ぼすリスクに対し、警鐘を鳴らしています。
これに応えるかたちで、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が「AIシステムの最善の利用法を模索すべきだ」とのコメントを発表しています。
今後の動向にも目が離せませんが、「AIになにを指示するのか」が大切になってくるのは間違いないようです。
2. AI開発 のメリット3選
AI導入には、社会や企業にとって数多くのメリットがあります。
ここでは、AI活用の代表的なメリットを3つご紹介します。
2.1 業務プロセスの効率化
現在、あらゆる業界でAI導入が進んでおり、以下のような業務効率化が実現しています。
- 日々の売上データをAIが集計
- チャットボットによるお客様サポート
- AIによる帳票処理でヒューマンエラーを削減
- 反復業務をAIで自動化しスピードアップ
2.2 人材不足の解消
コンビニをはじめとした小売業界では、AIによる無人レジがすでに実現しています。
これ以外にも、飲食店のAI注文システム・介護施設の入居者を観察する介護AIなどが近年積極的に導入されています。
このように人手不足が深刻な業界では、企業存続に関わる問題がAIで解決するケースもあります。
2.3 新しい価値の創出(DX化)
AI導入は作業の自動化だけでなく、革新的な新サービスも創出できます。
AIはマシンラーニングやディープラーニングにより、人間では不可能な膨大な量のデータを短時間で解析できます。
このような解析機能を自社クラウドサービスに導入したり、家電などのデバイスに搭載したりすることで、ビジネスのDX化が進んでいます。
3. AI開発の導入事例
AIは、不動産・小売など様々な分野で積極的に導入されています。
今回は、その中から代表的な活用事例を3つご紹介します。
3.1 AI-OCR
AI-OCRは、AIのディープラーニングを活用した文字認識技術です。
OCR自体は数十年前から開発が進んできましたが、決まった書式しか読みとれないなどの問題がありました。
AI-OCRの登場により、あらゆる書式・手書き文字の認識ができるようになり、対応範囲が飛躍的に広がりました。
人間を上回る認識率も実現しており、事後学習により使えば使うほど読みとり精度が向上します。
※関連記事:AI画像認識 AI-OCRを解説 | 手書きも認識!OCRとの違いも
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3.2 AI顔認証
AI顔認証はホテル・マンションなどでの導入が活発化しており、鍵がいらないウォークスルー入館も実現しています。
入館管理だけでなく、入居時の鍵交換も不要になるため、長期的なコスト削減が見込めます。
また、非接触型の入退出が可能になることから、COVID-19などの感染症対策としての効果も期待されています。
※関連記事:画像認識 ならカオピーズ!AIを使った仕組み・活用例を紹介!
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※関連記事:AI画像認識ソリューション
3.3 AIカウンター
AIカウンターは、人数や商品数などをリアルタイムでカウントできる技術です。
ショッピングセンターなどでは、店舗ごと・エリアごとの来店人数を計測し消費者動向の分析が行われています。
その他にも、スーパーや倉庫での商品数カウントにも利用され、食品ロス削減の効果も期待されています。
※関連記事:【カオピーズの独自技術】 AI画像認識・画像処理による個数カウントソリューション
4. AI開発企業に必要なスキル~ AI開発エンジニアとは?~
AI開発には、従来のシステムエンジニアのノウハウに加え、AI開発ならではのスキルが必要です。
そのようなスキルを持つ人材は「AI開発エンジニア」と呼ばれ、IT業界内外で需要が高まっています。
ここでは、AI開発企業・AI開発エンジニアに必須のスキルをご紹介します。
4.1 AI開発言語スキル
AI開発で主流となっているプログラミング言語は「Python」です。
Pythonの一番の魅力は、AI開発用ライブラリの豊富さにあります。
AI開発用ライブラリとは、AI開発必須のプログラムをパッケージにしたもので、Pythonを使用すれば、効率的にAI開発を進めることができます。
デバイス搭載タイプのAI開発では、CやC++が用いられることもありますが、Pythonは今後もAI開発に必須であることは間違いありません。
4.2 AI開発ライブラリ活用スキル
AI開発では、事前にディープラーニングでの学習を済ませた「事前学習済みAIモデル」の活用が一般的です。
これらのAIモデルは、ライブラリとして公開されており、代表的なものに「Tensor Flow」「PyTorch」などがあります。
AI開発エンジニアは、サービスに最適なライブラリを選択し、AIに追加学習をさせます。
また、AIの認識精度が下がらないように、不要データを削除する「データクレンジング」なども行います。
※関連記事:ディープラーニングフレームワークの比較:TensorFlow vs. PyTorch ― 知っておくべきこととは!
4.3 デプロイ環境構築スキル
AIモデルのカスタマイズや、大量の学習用データ収集・管理には、開発からデプロイまで一気通貫で環境を構築しなければなりません。
近年では、クラウドコンピューティング環境へのデプロイが主流で、AI開発企業にはこれらを活用するスキルが求められます。
代表的なクラウドコンピューティングサービスには、「AWS(Amazon Web Services)」があり、AWS認定の開発企業も存在します。
※ 関連記事:カオピーズがAWS Partner Networkアドバンストコンサルティングパートナーに昇格!
※関連記事:AWS導入の進め方~メリットと注意点~【2023年最新版】
5. AI開発の流れ(工程)~カオピーズの場合~
さいごに、AI開発の流れと各工程での作業内容を解説します。
今回は、弊社カオピーズでの事例をご紹介しますので、参考になれば幸いです。
5.1 事前ヒアリング
お客様のアイディアや目的を実現するために、はじめにご要望や課題を徹底的におうかがいします。
この時点では、大まかな構想でも問題ありません。
弊社AI開発エンジニアと協議する中で、実現可能性を見極めていきます。
場合によっては、AI以外の手法が適していることもありますので、弊社の開発経験にもとづき最適な提案をさせていただきます。
5.2 POC実証実験
ヒアリングでAI開発の実現性を確認したのち、実際に弊社AIモデルを使用した実証実験を行います。
この実験はPoC(Proof of Concept)と呼ばれるもので、お客様ご提供のデータを実際にAIに認識させる工程になります。
この段階で効果が確認されれば、次の開発工程へ移ります。
※関連記事:【ただいまPoC無料実施中】 AI研究開発 ならカオピーズで!
5.3 AIモデルの構築・実装
サービスの精度を向上させるために、マシンラーニングやディープラーニングを活用し、AIモデルの構築・実装を行います。
実装後も、新たなテストデータを使った試験を行い、期待する精度が得られるまで検証を繰り返します。
弊社では、このような実装と検証を繰り返すケースでは「アジャイル開発」をご提案しています。
アジャイル(素早い)開発は、短期間で実装とテストを繰り返す手法であるため、AI開発に最適な進め方です。
アジャイル開発の場合、一般的にラボ型契約を結び、お客様専任チームが開発にあたります。
5.4 保守運用・改善
サービスのリリース後も、定期的にAIモデルの精度をチェックします。
AIは様々なデータを分析するうちに、認識精度が低下してしまうことがあります。
そのような場合、AIに追加学習をさせ精度を向上させる対処が必要になります。
AIが誤認したデータを解析し、新たな学習用データを与えたり、逆に精度低下の要因となるデータを削除したりするなどの対応を行います。
6. まとめ
今回はAI開発について解説しました。
- AI開発には業務効率化・新サービスの創出などのメリットがある
- 代表的な例にAI顔認証やAIカウンターがある
- AI開発にはAIに特化したスキルが必要
弊社では、ディープラーニング・AI-OCRなどを活用した、 AIモデルの研究開発をしています。
また、高精度AIモデルのご提供だけでなく、オフショア開発により平均40%のコスト削減も実現しています。
AI開発に関するご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。