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PHR(個人ヘルスレコード)徹底ガイド|活用法・メリット・注意点を分かりやすく解説
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2024.12.13
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2025.07.03

PHR(個人ヘルスレコード)徹底ガイド|活用法・メリット・注意点を分かりやすく解説

近年、「PHR(Personal Health Record/個人ヘルスレコード)」という言葉を医療・ヘルスケア分野でよく耳にするようになりました。スマートフォンやウェアラブルデバイスの普及により、日常的な健康データを記録・管理することが一般化し、患者自身が自身の医療情報を主体的に把握・活用する時代が到来しています。

さらに、政府主導の医療DX(デジタルトランスフォーメーション)推進や「マイナポータル」との連携強化などにより、PHRは個人の健康管理にとどまらず、医療機関や地域医療との連携にも大きな役割を果たしつつあります。

本記事では、PHRの基本的な仕組みや他システムとの違い、導入メリット、実際の活用例、注意点までを包括的に解説します。これからPHR導入を検討されている企業・医療機関・開発事業者の方にも役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

PHRとは?EMR・EHRとの違い

PHR(Personal Health Record、個人ヘルスレコード)は、医療機関から取得する診断結果・治療履歴に加え、日々記録する体重・血圧・運動情報なども一元管理できるシステムです。患者自身が管理・更新できる点が大きな特徴で、医療DX時代の「個別化医療」や「セルフケア」の土台となっています。

このようなデータ管理に関する医療システムには、他にEMR とEHRがあります。とりわけ、医療機関からのデータはEMRやEHRを通じて提供されることが多いため、PHRの正確性や信頼性を維持するためにも関連性が高いです。以降、本論に先行してPHRが他のシステムと何が異なるのかを説明します。

EMRとの違い

EMR (Electric Medical Record, 電子医療記録) は、ひとつの医療機関内にあるシステムで、診療情報等を電子的に記録・アーカイブします。医療機関ごとにシステムは独立していて、他の医療機関との連携は想定されていません。

EHRとの違い

EHR (Electric Health Record, 電子健康記録) とは、それぞれの医療機関で取得した患者の健康情報をシステムにデジタルデータとして記録・共有できるシステムです。PHR が医療機関外で取得されることの多い健康情報を記録するシステムである反面、EHR は医療機関同士の健康情報共有を目的としています。また、EMRが医療施設内の独自システムなのに対し、EHRは地域内での複数の医療機関でのデータ共有を可能としている点も相違点と言えます。そのため、EMRを利用したEHR構築のためには、各EMRシステム間の互換性が必要です。

PHRと他の医療システムとの違い

PHRの活用方法と事例

PHRによって、以下のようなことが可能になります:

  • 健康医療情報を大量に保管
  • モニタリングやフィードバックのための情報取得
  • 第三者にデータを提供

健康情報管理

個人の治療履歴や薬の処方履歴など健康情報をデジタル形式で管理します。それに基づき、健康の維持や改善に役立てます。これによって効果的な診断・治療・処方を図ることができます。また、必要に応じて、共有先ごとの参照先設定や、ウェアラブルも含むヘルスケア機器とのデータ連携機能や、マイナポータルなどの外部システムとのデータ連携を行う機能もあります。

緊急対応・アラート

薬の飲み忘れ防止や定期的な測定のリマインダーを設定できるアラート機能は、医療機関の内外を問わず、患者の安全を維持するのに大変役立ちます。事故や災害時においてPHRに保存された情報を提供することで緊急時における適切な対応を支援することができます。

PHRの活用方法

PHR導入のメリット

PHRの導入と活用によって、大まかには以下に示す3点のようなメリットがもたらされるといえます。

個別化医療の促進と健康維持

血圧、体重、血糖値などのバイタルデータを簡単に記録し、記録データの振り返りをして目標値に対する状況を確認するなどし、健康状態を積極的に管理できるようになります。また、スマートフォンを使って、健康情報をいつでもどこでも簡単に確認できるため、医療機関や薬局、そして外出先でも重要なデータにアクセスができます。このことで、より詳細かつ正確な健康情報をもとに患者別の治療や健康管理アドバイスが可能になり、個別化医療の促進に寄与すると考えられます。

医療機関連携の強化

PHRによって、調剤データなどを医療機関や薬局などと日々記録しているバイタル記録や食事・運動記録、症状記録などをリアルタイムで共有できます。その共有により、医師や薬剤師などの医療従事者との効果的なコミュニケーションが図ることができます。

PHRを扱う注意点

近年は、患者が本人の価値観で医療を選択するようになってきています。
その意味で、医療従事者が生活者・患者個人のデジタルデータを扱う上で、セキュリティ維持は最重要事項です(基本セキュリティ対策としては、厚生労働省、総務省、経済産業省が2021年4月に公表した「民間PHR事業者による健診等情報の取扱いに関する基本的指針」があります)。

PHRを扱う注意点

また、マイナポータルを介した医療情報がPHRに統合され、PHRサービス事業者は今後の規制やガイドラインの改定にも注視し、継続的にセキュリティ対策を強化していくことが重要になってきます。そのため、PHRの普及には、インフラ整備などの仕組みづくりが必要ですが、同時に医療従事者の意識変革も必要不可欠です。

PHRと医療DXとオフショア開発

PHRは、以下の3点から活用が広がったと言えます:

  • デジタル技術の進歩
    スマートフォンやウェアラブルデバイスなどのモバイルテクノロジーを使用することで、PHRの作成や更新ができるようになりました。それにより、患者が自分自身の健康情報を管理することがより容易になりました。
  • 政府による取り組みの促進
    ヘルスケアのペーパーレス化は各国地域で活発化しており、マイナポータルとの連携はその最たるものです。
  • 健康意識の高まり
    草の根レベルでの健康に関する情報が広まる中、自身の健康に関心を持つことが増えていることでPHRへの需要も高まっています。それは、健康に関する情報に手軽にたどりつくことができるようになったのも理由の一つです。例えば、スマートウォッチやフィットネストラッカーなどウェアラブルデバイスとの連携が可能になり、血圧、心拍数、運動データを自動で記録し、スマホアプリを介してPHRに統合できます。これにより、日々の健康管理がよりシンプルになりました。

これらはすべて、医療業界の変革である「医療DX 」に含まれる取り組みと言えます。

医療DXは、そのような医療現場の人材確保だけでは行えない変革も可能にします。すなわち、人材を増やすだけではなく、限られた看護(または救急)リソースの効率活用を行うだけでなく、個別に健康管理を促して対応患者数を減らす取り組みも含めた医療業界の変革が可能になります。

また、オフショア開発が一般的になりつつある業界の流れも注視すべきです。医療業界 は専門性が高く、機密保持の観点からオフショアは敬遠されている風潮があるなかでも、オフショア開発による課題解決は、徐々に広まっていると考えられます。

PHRと医療DXとオフショア開発

まとめ

PHRは患者に応じた適切な治療や薬の処方を可能とするほか、自分の健康を自分で守る健康管理や個別化医療を促進させています。

もし、医療DXシステム構築にお困りでしたら、弊社カオピーズにお問合せ下さい。

カオピーズは、ベトナム拠点オフショア開発企業として2014年に設立されました。弊社は、豊富な経験と最新システム開発技術を活用し、お客様の課題に寄り添った最適ソリューションを提供してまいりました。

課題解決にお悩みの方は、ぜひカオピーズのサービスをご活用ください。ベトナムから皆様のイノベーションを加速させる「となりのDXエキスパート」として、医療関係の方々がお持ちの課題に適切なソリューションを提供し、解決に導くサポートを徹底いたします。

お見積もり・ご相談はこちら

FAQ(よくある質問)

Q1. PHRとスマホアプリで記録した健康データはどこまで安全?
PHRは厚労省等のガイドラインに沿って暗号化・アクセス権管理が実装されており、医療現場と同等レベルのセキュリティを備えています。カオピーズのPHRソリューションもこの基準に準拠し、安全性を確保しています。
Q2. PHRはどのような人に向いていますか?
慢性疾患のある方、定期的な健康管理を行いたい方、緊急時の情報共有を重視する方に向いています。カオピーズの導入支援では、属性に応じた最適な設計をご提案します。
Q3. 医療機関でPHRを使うメリットは?
患者の栄養・運動・服薬情報を詳しく把握でき、治療の効果や副作用の早期対策につながります。カオピーズの導入事例では、医師と患者の診療時間が短縮された成果も報告されています。
Q4. 導入コストや初期設定はどれくらい?
基本構成で数十万円~数百万円程度が目安です(規模・連携機能により変動)。カオピーズでは、要件定義・設計・保守を含むパッケージでトータル支援いたします。
Q5. すぐに導入できますか?
保険制度対応・マイナポータル連携など初期設定には数週間~数カ月かかる場合があります。カオピーズはそのプロセスを一括代行し、スムーズな運用開始をサポートします。

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