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画像・PDFテキスト化完全ガイド|無料で始める方法と注意点
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2026.07.20

画像・PDFテキスト化完全ガイド|無料で始める方法と注意点

PDFや画像をテキスト化すれば、紙の契約書をコピー&ペーストで編集したり、スキャン資料をキーワードで検索したりできます。本記事では、GoogleドライブやWord、スマホ、無料のオンラインツールを使い、OCRで文字を抽出する具体的な手順を解説します。利用端末や文書の種類、処理量に合わせて、無料ですぐに実践できる最適なテキスト化方法を選べるようにご紹介します。

主要なポイント
1 文字を選択できるPDFは、OCRを使わず、そのままコピーしてテキストとして利用できる
2 画像やスキャンPDF全体を編集する場合はGoogleドキュメントやWord、数行だけ抽出する場合はスマホやWindowsの標準機能を使う
3 手書き書類や大量の文書を継続的に処理する場合は、AI-OCRで文字認識からデータ出力・システム連携まで自動化する
4 金額・氏名・日付などの重要項目は必ず原本と照合し、機密文書をオンラインOCRへ安易にアップロードしない
5 文書の種類、処理量、編集範囲、セキュリティ条件に合わせて、最適なテキスト化方法を選ぶことが重要である

画像・PDFのテキスト化とは?

画像やPDFのテキスト化とは、画像データから文字を認識し、パソコンやスマートフォン上で編集・検索できるテキストデータに変換する技術です。この中核となるのが「OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)」と呼ばれる機能で、画像内の文字パターンを解析し、コンピューターが扱える文字情報として出力します。

OCRを使えば、写真を文字にする、写真を文字化する、画像を文章化するといった処理が可能です。画像の文字起こし、画像のテキスト化、PDFの文字起こし、スキャンデータの文字起こしは、いずれも画像内の情報を文字データ化する方法に含まれます。

OCR技術で画像やPDFをテキスト化すると、「見るだけ」のデータを、次のような業務で再利用できる文字情報に変換できます。

  • 紙資料・メモのデジタル化: ホワイトボードやノートを撮影し、議事録やメモとして保存・編集する
  • 契約書・請求書の再利用: PDF内の条文、金額、日付を抽出し、コピー&ペーストやシステム登録に活用する
  • 文書検索と情報共有: 大量の紙書類を文字データ化し、キーワード検索や社内共有をしやすくする
  • 手入力作業の削減: 転記作業や入力ミスを減らし、書類の保管・管理にかかる工数を抑える

PDFがOCRを必要とするか確認する方法

すべてのPDFにOCRが必要なわけではありません。まず、次の手順でPDF内に文字データが含まれているか確認します。

  1. PDFをパソコンまたはスマートフォンで開く
  2. 本文の一部をドラッグまたは長押しする
  3. 文字を選択してコピーできるか確認する

文字を選択できる場合は、すでにテキストデータが含まれています。そのままコピーや検索ができるため、改めてPDFをテキスト化する必要はありません。

一方、ページ全体が1枚の画像として表示され、文字を選択できない場合は、紙資料を取り込んだスキャンPDFや画像PDFである可能性があります。この場合は、OCRを使ってPDFから文字起こしを行います。

PDFにOCRが必要か確認するフローチャート PDF内の文字を選択・コピーできるか確認し、OCRが必要か判断する流れ PDFにOCRは必要? PDFを開く 文字を選択・ コピーできる? はい いいえ OCRは不要 そのままコピー・検索・編集 OCRを実行 スキャンPDF・画像PDFを文字化 まず本文をドラッグして確認

図1: PDFにOCRが必要かを判断する流れ

画像・PDFをテキスト化する3つのメリット

画像やPDFのテキスト化は、見るだけだった写真やスキャンデータを、コピー・編集・検索できる情報として再利用するための方法です。主なメリットは次の3つです。

  • 文字をコピー・編集でき、手入力を減らせる
  • 必要な情報をキーワードですぐ検索できる
  • 文書の保管・共有を効率化できる
画像・PDFをテキスト化する3つのメリット
図2: 画像・PDFをテキスト化する主なメリット

1. 文字をコピー・編集でき、手入力を減らせる

画像の文字起こしを行うと、写真やスキャンPDFに含まれる文章をコピーし、Word、Excel、メール、チャットなどへ貼り付けられるようになります。

IPA「企業間取引のデジタル化状況に関する調査」(2023年)によると、FAXや郵送などで請求書を受領しているため、手作業やOCRで必要な情報をシステムへ入力する必要がある企業は、全体の59.3%、中小企業では61.8%でした。

画像やPDFを文字データ化すれば、契約書の条文、請求書の日付や金額、顧客名などを一から入力し直す負担を減らせます。ただし、金額、氏名、日付、契約条件などの重要項目は、必ず原本と照合してください。

2. 必要な情報をキーワードですぐ検索できる

紙文書や画像データのままでは、必要な情報を探すたびにファイルを一つずつ開いて確認する必要があります。画像をテキスト変換して検索可能な状態で保存しておけば、取引先名、契約更新日、案件名、製品番号などのキーワードから対象文書を絞り込めます。

たとえば、過去の契約書や報告書をPDFから文字起こしして一元管理すれば、複数のファイルを目視で確認する時間を減らせます。議事録や社内資料も検索可能になるため、過去の情報を再利用しやすくなります。

3. 文書の保管・共有を効率化できる

紙の書類をデータ化すると、キャビネットや倉庫に保管するだけでなく、社内ストレージやクラウド上で管理できるようになります。写真の文字をテキスト化しておけば、担当者が変わった場合でも必要な文書を検索しやすくなり、複数拠点やリモートワーク環境でも共有しやすくなります。

IPA「企業間取引のデジタル化状況に関する調査」(2023年)によると、請求書等の伝達にFAX・郵送などのアナログな方法を利用している企業は、全体の75.4%、中小企業では79.1%でした。画像・PDFのテキスト化は、紙資料の保管だけでなく、情報共有やペーパーレス化にも活用できます。

【無料】画像・PDFをテキスト化する7つの方法

画像やPDFの文字起こしは、専用の有料ソフトを新たに購入しなくても実行できます。Googleドキュメント、Windows、iPhone、LINEなど、普段利用している機能を使えば、写真をテキスト化してコピーできます。

端末別に選べる画像・PDFのテキスト化方法
図3: パソコン・スマートフォン別のテキスト化方法

1. Googleドキュメントで画像・PDFをテキスト化する方法

Googleドキュメントを使えば、Googleドライブにアップロードした画像やPDFから文字起こしを行い、抽出した文章をそのまま編集できます。文章中心の画像やスキャンPDFをパソコンで処理し、変換後に修正・共有したい場合に適しています。

手順

  1. パソコンからGoogleドライブを開く
  2. テキスト化したい画像またはPDFをアップロードする
  3. ファイルを右クリックする
  4. 「アプリで開く」から「Googleドキュメント」を選択する
  5. 表示された文字を原本と照合し、必要な箇所を編集する

変換後のGoogleドキュメントには、元画像と抽出されたテキストが表示されます。抽出した文章は、コピー、編集、検索、共同作業に利用できます。

Googleドライブ ヘルプ「PDFや写真のファイルをテキストに変換する」では、太字、斜体、フォントサイズ、改行などは比較的保持されやすい一方、リスト、表、列、脚注などは正確に検出されない場合があると案内されています。

向いているケース

文章中心の画像・PDFを無料でテキスト化し、編集や共有まで行いたい場合に適しています。

注意点

表、縦書き、複数段組みでは読み順が崩れる場合があるため、変換後に原本と照合します。

2. Microsoft WordでPDFを編集可能な文書に変換する方法

Microsoft Wordでは、PDFファイルを直接開き、編集可能なWord文書へ変換できます。すでにMicrosoft 365や対応するデスクトップ版Wordを利用している場合は、追加のOCRソフトを導入せずに試せます。

手順

  1. Wordを起動する
  2. 「ファイル」から「開く」を選択する
  3. テキスト化したいPDFを指定する
  4. PDFをWord文書へ変換する確認画面で「OK」を選択する
  5. 文章、表、改ページなどを原本と照合して修正する

Microsoftサポート「WordでPDFファイルを開く」によると、WordはPDFのコピーを作成し、編集可能なWord文書へ変換します。文章中心のPDFでは変換しやすい一方、元PDFと完全に同じページ構成にならない場合があります。

紙文書を処理する場合は、先にPDFとしてスキャンし、そのPDFをWordで開きます。Microsoftサポート「文書をスキャンして編集する」では、スキャン画像が不鮮明な場合や、手書き文字が多い場合は、十分に認識できないことがあると案内されています。

向いているケース

PDF全体をWord形式で編集し直したい場合に適しています。

注意点

複雑な表、画像、段組みが含まれると、配置や改ページが変わることがあります。

3. Windowsでスクショ・画像から文字起こしする方法

Windowsでは、Snipping ToolまたはOneNoteを使って、スクショや画像から文字起こしができます。Webサイト、業務システム、エラー画面など、コピーできない画面の一部から文字を抽出したい場合に便利です。

Snipping Toolを使う場合

  1. Windowsキー+Shift+Sを押す
  2. 文字起こししたい画面範囲を選択する
  3. Snipping Toolでキャプチャ画像を開く
  4. 「テキスト アクション」を選択する
  5. 必要な文字を選択するか、「すべてのテキストをコピー」を実行する

Microsoftサポート「Snipping Toolを使ってスクリーンショットをキャプチャする」によると、Snipping Toolはスクリーンショット内の文字をOCRで抽出し、テキスト認識を端末上でローカルに実行します。

OneNoteを使う場合

  1. OneNoteのページに画像やスクリーンショットを貼り付ける
  2. 画像を右クリックする
  3. 「画像からテキストをコピー」を選択する
  4. コピーした文字を任意の場所へ貼り付ける

Microsoftサポート「OneNoteでOCRを使用して画像やファイルの印刷からテキストをコピーする」によると、OneNoteは写真、スクリーンショット、スキャン画像などに含まれる文字を認識できます。画像の複雑さや文字量によっては、認識結果が利用可能になるまで時間がかかる場合があります。

向いているケース

スクショから文字起こししたい場合や、画面の一部分だけをコピーしたい場合に適しています。

注意点

表構造や元のレイアウトは保持されず、基本的に文字情報だけが抽出されます。

4. Adobe Scanで紙の資料をテキスト化する方法

Adobe Scanは、スマートフォンのカメラで紙資料を撮影し、検索可能なPDFとして保存できるアプリです。領収書、配布資料、名刺、ノートなど、紙の文書を複数ページまとめてスキャンデータ化する場合に適しています。

手順

  1. Adobe Scanを起動する
  2. カメラへのアクセスを許可する
  3. 文書を正面から撮影する
  4. 読み取り範囲、傾き、明るさ、ページ順を調整する
  5. PDFとして保存し、認識された文字を確認する

Adobe Scan ユーザーガイドによると、Adobe Scanは文書の輪郭を検出し、撮影した写真をPDFへ変換します。OCRによるテキスト認識にも対応しているため、スキャンした資料を検索可能な状態で保存できます。

向いているケース

紙の資料や領収書をスマートフォンで連続撮影し、PDFとして管理したい場合に適しています。

注意点

クラウド保存や高度な書き出し機能の利用条件は、契約プランによって異なる場合があります。業務文書では社内のデータ管理規程も確認してください。

5. iPhoneの標準機能で画像から文字をコピーする方法

iPhoneやiPadの「テキスト認識表示」を使えば、写真アプリやカメラに映っている文字を直接選択してコピーできます。新しいアプリをインストールせず、写真を文字にしたい場合に便利です。

写真から文字起こしする手順

  1. 写真アプリで対象の写真を開く
  2. テキスト認識表示のアイコンを選択する
  3. 必要な文字を長押しして範囲を指定する
  4. 「コピー」を選択する

カメラから文字起こしする手順

  1. カメラを起動する
  2. 文字が含まれる文書や看板を映す
  3. テキスト認識表示のアイコンを選択する
  4. 認識された文字をコピーする

Appleサポート「iPhoneやiPadで写真の中のテキストをコピーおよび翻訳する」によると、テキスト認識表示では、写真、動画、Web上の画像に含まれる文字をコピー、検索、翻訳できます。Appleサポート「iPhoneのカメラでテキスト認識表示を使用する」では、カメラ映像内の文字も認識対象として案内されています。利用可否は端末、OS、言語、地域によって異なります。

向いているケース

名刺、案内文、住所、電話番号、URLなど、写真内の文字をその場でテキスト化したい場合に適しています。

注意点

長い文書の一括処理や、複数ファイルの連続変換には向いていません。

6. LINEで画像から文字起こしする方法

LINEみんなの使い方ガイド「文字認識機能の使い方」によると、LINEの「文字認識」機能では、カメラで撮影した写真、端末に保存された画像、トークで受信した画像から文字を抽出できます。

カメラで文字起こしする手順

  1. LINEのカメラを起動する
  2. 「文字認識」モードを選択する
  3. 文書や看板を撮影する
  4. 必要な文章を指でなぞって選択する
  5. 抽出した文字をコピーまたは共有する

保存済みの写真を使う場合は、対象画像を開き、画像上に表示される「A」マークを選択します。トークルーム内で送受信した画像についても、画像を開いて「A」マークを選ぶことで文字起こしできます。

向いているケース

日常的なメモ、掲示物、商品ラベルなど、短い文章を手軽にテキスト化したい場合に適しています。

注意点

契約書、顧客情報、個人情報などを扱う場合は、社内規程とサービスのデータ取扱条件を確認してください。

7. 無料オンラインOCRで画像・PDFをテキスト化する方法

無料オンラインOCRは、画像やPDFをWebサイトへアップロードし、ブラウザ上で文字起こしする方法です。ソフトをインストールできないパソコンでも利用できます。

代表的なサービスには、OCR.SpaceLightPDF OCRなどがあります。

基本的な手順

  1. オンラインOCRのWebサイトを開く
  2. テキスト化する画像またはPDFを選択する
  3. 認識言語として日本語を指定する
  4. OCRを実行する
  5. 認識結果をコピーまたはファイルとして保存する

オンラインOCRは、PDFのテキスト化を無料で試したい場合に便利です。一方、無料枠のファイル容量、ページ数、出力形式、保存期間はサービスごとに異なり、変更される場合があります。

向いているケース

ソフトを追加できない端末で、非機密の画像やPDFを一時的にテキスト化したい場合に適しています。

注意点

外部サーバーへファイルをアップロードするため、個人情報、契約書、社外秘資料には使用しないでください。

目的に合った画像・PDFのテキスト化方法を選ぶ

PDFや画像のテキスト化方法は、抽出範囲、利用端末、処理量に合わせて選びます。目的別の主な選択肢は次のとおりです。

目的 適した方法
写真やスクショから数行だけコピーする iPhone・LINE・Snipping Tool・OneNote
画像やPDF全体を編集する Googleドキュメント・Word
紙資料をスマートフォンで取り込む Adobe Scan
ソフトをインストールせずに処理する Googleドキュメント・オンラインOCR
大量・定期処理を自動化する AI-OCR

表2: 目的別に選べる画像・PDFのテキスト化方法

オンラインOCRは外部サーバーへファイルを送信するため、機密情報を含む業務文書には、社内で許可されたクラウド環境や既存のMicrosoft環境を利用してください。

画像・PDFをうまくテキスト化できない原因

OCRの認識精度が低下する主な原因は、解像度不足、影や複雑な背景、手書き・縦書き、複雑なレイアウト、抽出後の補正不足の5つです。文字の誤認識、読み順の乱れ、不要な記号の混入は、原因に合わせて入力画像と処理方法を見直します。

  • 画像の解像度が低い、またはピントが合っていない
  • 文書に影や複雑な背景が重なっている
  • 手書き、縦書き、特殊フォントが含まれている
  • 表や段組みのレイアウトが複雑である
  • 抽出後に誤字や不要なスペースが残る
OCRの認識精度を下げる原因と改善策 低解像度、影、手書き、複雑なレイアウト、抽出後の誤りに対する改善方法を比較 OCR精度を下げる5つの原因と改善 認識しにくい状態 改善のポイント 1 低解像度・ピンぼけ 300dpiを目安に、ピントを合わせる 2 影・複雑な背景 無地背景と均一な照明で撮影する 3 手書き・縦書き・特殊文字 対応OCRを実文書で事前テストする 4 表・段組み・複雑なレイアウト 文書形式に合う変換方法を選ぶ 5 誤字・余分な空白が残る 重要項目を原本と照合・修正する 入力画像・処理方法・確認工程をセットで見直す

図5: OCRの認識精度を下げる原因と改善例

1. 画像の解像度が低い

画像の解像度が不足していたり、撮影時に手ブレやピンぼけが発生したりすると、文字の輪郭が曖昧になり、OCRが正しく判別できません。特に、小さい文字、数字、画数の多い漢字では、わずかな画質低下でも誤認識が起こりやすくなります。

対処法

スキャナーを使用する場合は、カラーまたはグレースケールで300dpiを目安に設定します。スマートフォンでは、明るい場所で文字にピントを合わせ、文書を正面から撮影してください。

メッセージアプリやSNSを経由すると画像が圧縮される場合があるため、可能な限り元画像を直接使用します。

参考:Adobe Acrobat ユーザーガイド「スキャンしたPDFの設定」

2. 背景や影で誤認識が起こる

文書にスマートフォンの影が重なっていたり、背景に模様や写真があったりすると、OCRが背景の線や濃淡を文字の一部として認識する場合があります。その結果、文字の欠落、別の文字への置き換え、不要な記号の混入が起こりやすくなります。

対処法

文書を白または無地の台に置き、正面から均一に光が当たる状態で撮影します。スマートフォンや撮影者の影が文字に重ならない位置へ移動してください。

スキャナーを使用する場合は原稿カバーを閉じ、外光が入り込まない状態で読み取ります。

3. 手書き・縦書き・特殊フォントを読み取れない

一般的な無料OCRは、印刷された横書きの活字を比較的認識しやすい一方、手書き文字、縦書き、装飾性の高いフォントでは精度が低下する場合があります。申請書やアンケートなど、書き手によって文字の形が異なる文書では、読み取り漏れも発生しやすくなります。

対処法

まず、実際に処理する書類を数枚使ってテストします。氏名、金額、日付など、業務で必要な項目が正しく抽出されるかを確認してください。

無料ツールで必要な精度を確保できない場合は、手書きや縦書き、非定型帳票に対応したAI-OCRを候補に含めます。手書き帳票向けAI-OCRを比較する際は、認識精度に加え、確認画面、修正履歴、再学習、CSV出力の対応範囲を確認します。

4. レイアウトやテキストの順序が崩れる

複数段組み、表、図、注釈が混在する文書では、文字自体を認識できても、文章の読み順が崩れる場合があります。異なる段の文章が混ざったり、表の項目名と数値が離れて出力されたりすると、抽出後の文章をそのまま利用できません。

対処法

レイアウトをある程度保って編集したい場合は、WordなどのPDF変換機能を試します。文章だけを抽出したい場合は、Googleドキュメントなどで文字起こしを行い、変換後に見出しや段落の順番を整理します。

表を含む請求書や帳票では、項目名と金額の対応関係が崩れていないか、原本と照合してください。

5. 抽出後に誤字や余分なスペースが残る

OCRの結果には、「0」と「O」、「1」と「I」の取り違え、不要な半角スペース、改行位置の乱れなどが残る場合があります。特に、金額、日付、氏名、商品コード、契約条件の誤認識は、その後の登録や検索にも影響します。

対処法

変換後は、次の項目を優先して原本と照合します。

  • 氏名・会社名
  • 金額・数量
  • 日付・有効期限
  • 電話番号・住所
  • 商品コード・契約番号
  • 契約条件

同じ誤りが繰り返される場合は、WordやExcelの検索・置換機能で一括修正します。大量文書を扱う場合は、すべての文章を目視確認するのではなく、重要項目を優先して確認する運用も有効です。

PDFや画像をテキスト化しても、精度や処理量に課題が残る方へ

Kaopiz AI-OCRでは、手書き文字や非定型帳票の読み取りから、確認画面、CSV・API連携まで、実際の業務に合わせて設計できます。

AI-OCRの導入について相談する →

無料ツールでは難しい大量文書の処理にはAI-OCR

無料の画像テキスト変換やPDF文字起こしは、少量の資料をその場で処理する場合に便利です。一方、1件ずつのアップロード、確認、コピー、システム登録が継続的な業務負荷になっている場合は、手動処理だけでは対応しにくくなります。

AI-OCRは、AIやディープラーニングを利用して文字を認識し、大量文書の一括処理、項目ごとのデータ抽出、CSV出力、業務システムとの連携などを実現する仕組みです。

OCR市場の参考データ

一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は、国内向けOCR製品の2024年市場見通しとして、デバイスタイプ約40億円、ソフトウェアタイプ約11億円、ソリューションサービス約14億円を示しています。

出典:JEITA「2021年のOCR出荷実績と2024年までの出荷トレンド」(2022年)

JEITAの資料では、OCRの活用範囲として、RPAへ入力するための帳票のテキスト化や、マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなどを使ったeKYCも示されています。OCRは、紙文書を文字化するだけでなく、後続業務の自動化や本人確認にも活用されています。

無料ツールとAI-OCRの違い

無料OCRとAI-OCRの処理フロー比較 無料OCRは手動工程が多く、AI-OCRは一括認識やシステム連携により自動化できることを示す 無料OCRとAI-OCRの処理フロー 無料OCR 少量・一時利用に向く ファイル選択1件ずつ OCR実行手動操作 内容確認目視で修正 コピー貼り付け 入力手作業 AI-OCR 大量・継続処理に向く フォルダ・APIまとめて投入 一括認識自動処理 項目抽出氏名・金額・日付 確認・修正必要箇所だけ 連携CSVAPI AI-OCRは認識後の業務まで自動化しやすい

図6: 無料OCRとAI-OCRの処理フロー比較

比較項目 無料ツール AI-OCR
処理方法 1ファイルずつ手動で処理 複数文書を一括・自動処理
適した処理量 少量・一時的な利用 大量・継続的な利用
認識対象 主に印刷された一般文書 手書き・非定型帳票にも対応可能
出力 コピー・テキスト・PDF CSV・Excel・JSONなど
外部連携 手動で転記 API・バッチでシステム連携
運用 個人・小規模チーム 部署・全社業務へ組み込み

表3: 無料ツールとAI-OCRの主な違い

無料ツールでは、ファイルの選択、OCR、内容確認、コピー、システム入力を人が行います。AI-OCRでは、指定フォルダへの投入やAPI送信を起点に、認識、項目抽出、確認、出力までを自動化できます。

AI-OCRが向いているケース

次のような条件に該当する場合は、AI-OCRの導入を検討します。

  • 1件ずつのアップロードや確認作業が業務負荷になっている
  • 請求書や申請書を定期的に受け取っている
  • 手書きの書類をデータ化したい
  • 文書ごとにレイアウトが異なる
  • 氏名、金額、日付などを項目別に抽出したい
  • CSVやExcelへ自動出力したい
  • 経理システム、CRM、ERP、kintoneなどへ連携したい
  • 入力だけでなく確認・修正作業も効率化したい

AI-OCRを選ぶときの4つの確認ポイント

1. 実際の文書で認識精度を確認する

カタログ上の認識率だけで判断せず、自社で使用している文書を使ってテストします。

特に、氏名、金額、日付、住所、管理番号など、誤認識が業務へ直接影響する項目を確認してください。認識後の修正に時間がかかる場合は、OCR自体が速くても業務全体の効率化につながりません。

2. 対応する文書と出力形式を確認する

画像、PDF、複数ページPDFなど、入力したいファイル形式に対応しているか確認します。

出力についても、単純なテキストだけでなく、CSV、Excel、JSON、検索可能なPDFなど、後続業務で必要な形式を確認してください。

3. 外部システムとの連携方法を確認する

OCRの結果を人が再入力する運用では、自動化できる範囲が限定されます。

API、指定フォルダ、バッチ処理などを利用し、会計システム、顧客管理システム、基幹システムへ連携できるか確認してください。

4. セキュリティと運用体制を確認する

個人情報や機密情報を扱う場合は、次の項目を確認します。

  • データの保存場所
  • 通信・保存時の暗号化
  • アクセス権限
  • 操作ログ
  • データの保存期間と削除方法
  • 障害・事故発生時の対応
  • 専用環境やオンプレミス対応の可否

Kaopiz AI-OCRの特長

Kaopiz OCR公式サイトによると、Kaopiz AI-OCRは、AI・ディープラーニングを活用し、画像やPDFから必要な文字情報を抽出するOCRソリューションです。

主な特長は次のとおりです。

  • 正確な文字認識: AIによるディープラーニング技術で、手書き文字や非定型帳票にも対応
  • 高度な画像処理: 角度、傾き、影などを含む画像を補正
  • 高速処理: 文書の種類に応じて短時間で読み取り
  • 継続的な精度向上: 対象文書に合わせた学習・調整が可能
  • 画面上で簡単補正: 認識結果を画面上で確認・修正
  • 柔軟なカスタマイズ: 抽出項目、出力形式、連携方法を業務に合わせて設計
Kaopiz AI-OCRが対応する文書と業務
図7: Kaopiz AI-OCRの対応文書と活用業務
サービス 読み取れる情報・特徴 平均処理時間 読み取り精度
マイナンバーカードOCR 氏名、住所、発行者、有効期限など 1.1秒 97%
運転免許証OCR 免許番号、氏名、免許証の色など 1.8秒 95%
在留カードOCR 氏名、国籍・地域、在留資格、在留期間など 1.5〜3秒 98%
パスポートMRZ OCR タイプ、国、氏名、旅券番号、MRZコードなど 0.7秒 98%
名刺OCR 氏名、ローマ字、組織・団体、電話番号など 約4秒 93%
全般OCRエンジン 画像から1行〜複数行のテキストを抽出 0.3秒/行 96%
eKYC オンライン本人確認 0.7秒 99.95%

表4: Kaopiz AI-OCRの処理時間と読み取り精度の参考値

文書の種類、抽出したい項目、処理量、出力形式、連携先によって、適切なOCR構成は異なります。導入前の読み取りテストでは、認識精度、1件当たりの処理時間、修正件数、出力形式、既存システムとの連携可否を確認します。

まとめ

PDFや画像をテキスト化する方法には、Googleドキュメント、Word、Snipping Tool、Adobe Scan、iPhone、LINE、オンラインOCRがあります。少量の文字起こしや一時的な編集には無料ツールが適しています。一方、手書き書類や非定型帳票を継続的に処理し、CSV出力や業務システム連携まで行う場合はAI-OCRが候補です。文書の種類、処理量、出力形式、セキュリティ条件に合わせて選びましょう。

画像・PDFのテキスト化やAI-OCR導入について相談しませんか?

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よくある質問(FAQ)

Q1. 無料でPDFをテキスト化するベストな方法は?

編集や共有まで行うならGoogleドライブ、スマートフォンで数行だけ抽出するならLive TextやLINEが候補です。文書形式、機密性、処理枚数に合わせて選んでください。

Q2. 手書きの書類もテキスト化できますか?

手書き対応のOCRやAI-OCRでテキスト化できます。ただし、筆跡、画像品質、帳票形式によって結果が変わるため、実際の書類で読み取りテストを行ってください。

Q3. スマホだけで画像から文字をテキスト化できますか?

はい、可能です。iPhoneであれば標準の「Live Text」機能、Android・iPhoneどちらでも使えるLINEの文字認識カメラやAdobe Scan、Googleドライブアプリなど、スマートフォンだけで完結するツールが複数あります。出張先や外出先での急な文書取り込みにも対応できます。

Q4. OCRでテキスト化したデータの精度はどのくらいですか?

精度は、活字・手書き、解像度、影、傾き、レイアウトなどで変わります。重要な金額、日付、氏名、固有名詞は、ツールの種類にかかわらず原本と照合してください。

Q5. 大量の書類をまとめてテキスト化したい場合は?

継続的な大量処理には、バッチ処理やAPI連携に対応したAI-OCRが適しています。月間処理量、必要な出力形式、連携先、セキュリティ要件を整理して比較してください。

参考文献

  1. 独立行政法人情報処理推進機構(IPA).(2023).「企業間取引のデジタル化状況に関する調査」.
    https://www.ipa.go.jp/digital/architecture/Individual-link/jod03a0000000pna-att/result_enq_20230130.pdf
  2. 一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA).(2022).「2021年のOCR出荷実績と2024年までの出荷トレンド」.
    https://home.jeita.or.jp/upload_file/20220728135103_l6fTCQ95H0.pdf
  3. Google.(n.d.).「PDFや写真のファイルをテキストに変換する」.
    https://support.google.com/drive/answer/176692?co=GENIE.Platform%3DDesktop&hl=ja
  4. Microsoft.(n.d.).「WordでPDFファイルを開く」.
    https://support.microsoft.com/ja-jp/word/opening-pdfs-in-word
  5. Microsoft.(n.d.).「Snipping Toolを使ってスクリーンショットをキャプチャする」.
    https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/apps/use-snipping-tool-to-capture-screenshots
  6. Microsoft.(n.d.).「OneNoteでOCRを使用して画像やファイルの印刷からテキストをコピーする」.
    https://support.microsoft.com/ja-jp/onenote/onenote-help-and-learning/copy-text-from-pictures-and-file-printouts-using-ocr-in-onenote
  7. Apple.(n.d.).「iPhoneやiPadで写真の中のテキストをコピーおよび翻訳する」.
    https://support.apple.com/ja-jp/HT212630
  8. LINE.(n.d.).「文字認識機能の使い方」.
    https://guide.line.me/ja/services/scantext.html

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