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オフショア開発とは?メリット・デメリットと成功の進め方を解説
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2025.08.04

オフショア開発とは?メリット・デメリットと成功の進め方を解説

オフショア開発は、コスト削減や開発体制の柔軟化を目的として世界中の企業が採用するソフトウェア開発手法です。
自国以外の国にある開発企業や子会社、現地法人にソフトウェアインフラの構築、システム開発、運用・保守などの業務を委託する開発手法です。
オフショア開発は、海外に委託・発注する開発手法で、さまざまなメリットを提供します。

しかし、適切な進め方やリスク対策を知らずに導入すると、プロジェクトが停滞するリスクもあります。

本記事では、オフショア開発の基本的な概要から、実施方法、さらには成功に導くためのポイントまでを詳しく解説します。オフショア開発を上手に活用することで、低コストかつ短期間でのシステム開発が可能になります。

目次

  1. オフショア開発
  2. オフショア開発を成功させるポイント
  3. オフショア開発のご相談はカオピーズへ
  4. よくあるご質問

オフショア開発

まずはオフショア開発がどういうものなのか、その目的、オフショア開発の仕組みや目的・開発に深く関係している国などについてご説明します。

オフショア開発とは?基本概要を理解する

オフショア開発(Offshore Development)とは、コスト削減や高度な技術を求め、自国以外の海外企業、子会社、開発拠点に、ソフトウェア開発(インフラ構築、システム・アプリ開発、運用・保守など)の業務を委託する開発手法です。

海外へ委託する開発方法の一種

「オフショア」(offshore)という言葉は、「岸」を意味する「shore」と、「離れた」を意味する「off」が組み合わさった言葉で、海外で開発を行うことを指します。電化製品や建築物が低コストの海外で製造され、日本で販売されるように、オフショア開発もコストを削減する目的で行われます。

オンショア・ニアショアとの違い
オンショア開発:国内の外部ベンダーに委託する開発方法。言語や文化の差がない反面、コスト面では高くなる傾向があります。
ニアショア開発:地理的に近い国や地域に委託する方法。時差や文化差が比較的小さく、コミュニケーションがスムーズです。

具体的には、開発コストが日本より安いベトナムや中国、インドなどが代表的なオフショア開発先で、これらの国でソフトウェア開発やITサービスが行われています。オフショア開発を活用することで、経費削減や生産性向上、または優秀な海外人材の確保が可能となります。

近年、日本ではエンジニア不足が深刻化しており、国内だけで開発業務を賄うことが難しくなっています。この状況を解決するため、多くの企業がオフショア開発に注目し、委託先としてベトナムや中国、インドを選んでいます。

3つの開発モデルの比較

区分 委託先 特徴 コスト コミュニケーション 人材確保 品質管理
オンショア 国内(自社または国内企業) 高い品質・円滑なコミュニケーション・高コスト 高い 容易 限定的 容易
ニアショア 国内地方都市 コスト抑制・時差なし・地方活性化 中程度 比較的容易 限定的 比較的容易
オフショア 海外(主にアジア圏) 大幅なコスト削減・グローバル対応・文化の違い 低い やや難 豊富 工夫が必要

オフショア開発のメリット

オフショア開発の目的であるコスト削減や優秀な人材確保は、そのままオフショア開発のメリットにつながります。
また、オフショア開発のメリットはそれだけではありません。
オフショア開発で得られる3つの大きなメリットを解説していきます。

コスト削減

先程も何度か取り上げましたが、オフショア開発の最大のメリットは開発にかかるコストの削減です。
日本よりも人件費の安い海外に業務委託することで、開発にかかる人件費を削減できます。
エンジニアに支払う人件費は、システム開発にかかるコストの中でも大きな割合を占めています。
この人件費を最低限まで抑えることで、低コストで高品質なシステムを開発できるようになるのです。

優秀なエンジニアを確保できる

コスト削減と同じくらい大きなメリットとして、海外の優秀なIT企業や人材の確保があります。
現在、急激なグローバル化や情報化が進む日本では、ITシステムやソフトウェアの開発に多くの人材を必要としています。
2030年には40万人もの人材が必要となるとされており、これは日本国内のIT人材だけでは到底まかないきれないといわれているのです。
この人材不足を解消し、IT開発を進めていくには、海外の優秀なIT人材を確保する必要があります。
オフショア開発を通して海外の優秀なIT企業や人材とつながりを作り、仕事を行っていけば、仕事を通して人材確保も行えるようになるのです

短期納期

オフショア開発のメリットはそれだけではありません。
オフショア開発は、クラウドシステムなどを通して、国内外のエンジニアたちが同時に開発作業を行っていきます。
作業を常に同時進行させることで、納品にかかる期間を大幅に短縮できるのです。
優秀な人材を多数確保し、納期を短縮できるということは、大規模な開発や複雑なプログラムにも柔軟に対応できるだけのリソースを確保できるということでもあります。
今よりも多彩な注文に対応できるようになるため、受注できる内容に幅を持たせられる可能性も生まれるのです。

オフショア開発のデメリットとリスク

コミュニケーションの課題

言語や文化の違いから、要件の誤解や認識齟齬が生じやすくなります。

品質管理・進捗管理の難しさ

物理的距離と時差により、進捗や品質の確認が遅れる可能性があります。

文化や商習慣の違い

意思決定スピードや報告スタイルの違いがプロジェクトに影響することもあります。

オフショア開発の進め方は?

オフショア開発を展開する際の手順について、計画的なアプローチと実行が重要です。以下のような流れをお勧めします。

STEP① 目的の明確化と戦略立案
オフショア開発を導入する目的(コスト削減、技術力向上など)を明確にし、その目的に応じた戦略を立てます。

STEP② 開発先とパートナー選定
開発先国(例:ベトナム、インド、中国)を選ぶ際は、コスト、技術レベル、文化的な違いを考慮し、信頼できるオフショア開発企業を選びます。過去の実績や品質管理体制を調査し、信頼性を確認することが重要です。

STEP③ 契約の締結
納期、コスト、成果物、知的財産権について明確に定め、両者の合意のもとで契約を結びます。

STEP④ コミュニケーションと進行管理
定期的な進捗報告やミーティングを行い、プロジェクト管理ツールを使用してスムーズに進行管理を行います。言語や文化の違いを考慮し、効果的なコミュニケーションを確保します。

STEP⑤ 品質管理とテスト
定期的なコードレビューとテストを実施し、品質を確保します。

STEP⑥ 納品と運用・保守
納品後に最終テストを行い、フィードバックをもとに改善を加えます。また、システムが運用に入った後も、アフターサポートや保守作業を行い、長期的な運用の安定性を確保します。

これらのステップを順に実施することで、円滑で効率的にオフショア開発を導入することができます。

カオピーズのオフショア開発サービス

なぜオフショア開発を導入するのか?

オフショア開発の目的は、いくつかがありますが、以下はいくつかの具体的な目的を挙げてみます。
① 開発コストの削減
オフショア開発の最も重要な目的の一つは、開発にかかるコストを軽減することです。日本国内ではエンジニアの人件費が高く、優秀な人材を確保するのが困難な状況にあります。しかし、インド、ベトナム、中国などの国々では、同等の技術力を持つエンジニアをより低コストで雇うことができます。これにより、開発費用を大幅に削減することが可能です。

② 海外の優秀なIT企業や人材とのつながりを作る
国内では対応できない高度な技術を必要とする場合、オフショア開発を通じて、海外の優秀なIT企業や専門家と直接つながり、技術力を向上させることができます。特に、国内で不足しているスキルやリソースを補うために、世界中の専門家を活用することができます。

③ リソース不足の解消
日本ではIT業界の人材不足が深刻化しており、国内だけで開発業務を賄うことが難しくなっています。オフショア開発を活用することで、必要な人材を迅速に確保し、プロジェクトの進行をスムーズに行うことができます。

④ 市場の競争力を強化
オフショア開発により、企業は迅速に製品を市場に投入し、コストを削減することができます。これにより、競争の激しいグローバル市場での競争力を維持または向上させることができます。

これらの目的を達成するために、オフショア開発は近年、特に注目されています。人件費を抑え、必要な技術を確保し、リソース不足を解消するために、オフショア開発は非常に有効な手段と言えるでしょう。

委託先としておすすめの国

オフショア開発の始まりは、IT分野に強い人材が豊富で、かつ人件費が安いインドへの業務委託からスタートしました。その後、中国も日本よりも人件費が安く、ビジネスとの関わりが多いため、主要なオフショア開発先として広まりました。
しかし、近年、ベトナムはオフショア開発のトップ国として浮上しています。IT分野で高いスキルを持つ人材、適正な人件費、そして安定した政治状況が、ベトナムを世界中の企業にとって魅力的な選択肢にしています。さらに、英語・日本語能力の向上や、ITインフラの発展も、ベトナムがオフショア開発先として選ばれる大きな要因です。
現在、ベトナムはオフショア開発のNo.1先として、特にIT、ソフトウェア開発、デジタルサービスの分野で注目されています。

【オフショア開発の主な委託先の平均単価】

国・地域 月単価(万円)
中国 35〜40
インド 30〜40
ベトナム 30〜35
フィリピン 25〜30
バングラデシュ 23〜28

※本データは弊社独自調査によるものです

"(弊社の調査結果による)"

近年、インドや中国の人件費が上昇する中で、東南アジア諸国が新たなオフショア開発先として注目を集めています。特に人気が高いのがベトナムです。
ベトナムが人気の理由は、単に人件費が安いだけではありません。ベトナムは、2000年頃からIT人材の育成に力を入れており、多くの優秀なエンジニアを輩出しています。また、国民性として仕事に対する真面目な態度と高い責任感を持ち、さらに日本に対して親しみを感じている点も大きな魅力です。
このように、ベトナムは低コストで高品質なIT人材を提供できるだけでなく、日本企業との文化的な相性が良いことから、オフショア開発の委託先として非常に適しています。

※ 関連記事:ベトナムのオフショア開発 | 選ばれる3つの人気の理由!

オフショア開発をお探しならカオピーズにお任せください

カオピーズはベトナム屈指技術系大学を卒業したエンジニアを中心に採用しています。
カオピーズの従業員の大半はハノイ工科大学の卒業生です。システム開発に携わるPMP、ISTQB、AWS、IBM などの資格保有数は 200を超えて従業員数よりも多いのです。
そのような技術に精通したエンジニアがお客様のご要望にお応えします。

オフショア開発の主な委託先

ベトナムでのオフショア開発の様子

オフショア開発を成功させるポイント

メリットがたくさんあるオフショア開発ですが、何も考えずにそのまま海外へ業務委託すればいい、というものではありません。
オフショア開発を成功させるには、成功につながるポイントを押さえた上で行わなくてはなりません。
次の項目では、オフショア開発を成功させるポイントについて解説していきます。

発注前の準備は綿密に

オフショア開発の成功には、発注前の準備が深く関わっています。
海外の技術者は日本の技術者と違い、言葉や文化、仕事に対する価値観が違います。
意思の疎通はもちろん、仕事に対する認識も全く違うのです。
この大きな違いを埋めて、オフショア開発を成功させるには、事前準備をしっかり行っておく必要があるのです。
オフショア開発を行う際には、委託先の言葉や時差など、仕事に影響を与える要素は一通り確認しておきましょう。
また、海外にある国の多くが、契約書や仕様に明記されていないことは手を付けない、実装されないのが一般的です。
日本では書かなくても当然とされているような内容でも、抜けが生まれる可能性がありますから、これらの内容は必要なものは必ず明記しておきましょう
言葉や文化の違う技術者と仕事をする場合、委託先の言語を使える委託元メンバーか、日本語ができる委託先SEが、お互いの橋渡し役をする必要があります。
このいわゆるブリッジSEと開発開始時から良好な関係を構築することも、オフショア開発を成功させる重要な要素です。
このほか、成果物に対して委託先がどのような受入テストを行うかについても、確認しておくと安心できます。

コミュニケーションは細かく行う

先程の内容とつながりますが、委託先とのコミュニケーションは細かく行いましょう。
言語や文化の違いから食い違いが生まれても、コミュニケーションを細かく取っていれば早い段階で正しい方向に軌道修正できます。
特に、お互いの橋渡しを務めてくれるブリッジSEとのコミュニケーションはかなり大切です。
対面のコミュニケーションができるなら、積極的に行ってください。
ブリッジSEがいるからと、委託先の管理を全てブリッジSEに任せてはいけません。
こまめにコミュニケーションを取り、タスク管理やフィードバックをしっかり行うようにしてください。

進捗と納期の管理に注意

オフショア開発で大変なのが、進捗と納期の管理です。
海外と連絡を取りながら仕事をする関係上、時差の影響は必ず受けます。
たった数時間のズレでも、納期に大きな影響を与えてしまうのです。
また、文化や仕事に対する価値観の違いから、進捗や納期の管理が日本よりもゆるい国もあります。
国内の感覚で管理していると、思わぬところで計画が崩れていく可能性もあるのです。
コミュニケーションを密にとるのは、この進捗と納期の管理を行いやすくするためでもあります。
進捗と納期の管理は、国内のみの開発の時よりもこまめに、慎重に行うようにしてください。

Kaopiz - ベトナムのオフショア開発企業

オフショア開発のご相談はカオピーズへ

カオピーズはベトナムを拠点にシステム開発を行う会社です。
国内に日本法人の「株式会社カオピーズ」を置き、日本語堪能なブリッジSEが皆様のご要望をお伺いします。
コミュニケーションに不安を感じている方もご安心ください。
理解できていないと感じた点に関してはしつこいほど質問させていただきます。
もちろん納期は順守。
残業・休日出勤もいとわないエンジニアがスピード感をもって仕上げます。

※ カオピーズは、オフショア開発を通して、ベトナムの優秀な人材とともに幅広いシステム開発に取り組んでいます。
弊社は2014年に創業し、10年の実績を積み重ねています。高品質なシステム開発DX推進支援AWS導入支援AI画像認識等のオフショア開発サービスをリズナーブルな価格で提供しています。お客様のニーズに合わせて、開発基盤やプロセス、体制を提案し、共に合意した上でシステム開発に取り組んでいます。500件以上の実績から得た豊富な知見とノウハウを活かし、クラウドサービスの提案から設計、構築、運用までトータルでサポートします。お客様の要望に柔軟に対応し、開発期間中に発生する課題にも迅速かつ適切に対処します。Webシステムからゲームアプリまで、幅広い分野のシステム開発を、高品質でリーズナブルに提供しています。
最先端の技術で作られた高品質なシステムに興味がある方、IT人材不足のお悩みを抱えて、オフショア開発を検討されている方は、ぜひカオピーズへご相談ください。

お見積もり・ご相談はこちら

よくあるご質問

オフショア開発でコスト削減しつつ、品質を維持するにはどうすればよいですか?
明確な要件定義、信頼できるパートナー選定、日本語対応のBrSE配置、テスト体制の強化、および定期的な進捗共有により、コストを抑えながら品質を確保できます。
オフショア開発はどのような企業に向いていますか?
スタートアップ(スピードとコスト重視)、中小企業(柔軟な体制構築)、大手SIer(大規模案件への対応やリソース補完)など幅広い企業に適しています。
信頼できるオフショア開発会社の見分け方を教えてください。
実績・事例の公開、日本企業との取引経験、コミュニケーション体制(BrSE等)、セキュリティ対策、契約内容の明確さが判断ポイントです。
オフショア開発で、一般的に使われる契約形態にはどのようなものがありますか?
主に3種類があります:
・ラボ契約(専属チーム型)
・請負契約(成果物ベース)
・準委任契約(柔軟な要件対応)
設計から運用まで、開発プロセス全体をオフショア企業に委託することは可能ですか?
はい、可能です。カオピーズは要件定義、設計、開発、テスト、運用・保守まで一括対応できる体制を整えて提供しています。

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