NEWS

企業を取り巻く経営環境が急激に変化する中で、財務・会計部門にもスピードと柔軟性が強く求められるようになっています。
「人手不足」「レポート作成の負担」「経営判断の遅れ」「コンプライアンス対応の煩雑さ」など、従来の仕組みでは対応が難しい課題も増えてきました。
そうした課題を解決する鍵となるのが、次世代ITファイナンスです。
この記事では、ITファイナンスの導入によって企業にもたらされる具体的なメリットをご紹介します。

目次

• 次世代ITファイナンスとは？その概要と必要性
• 次世代ITファイナンスの主要技術と活用例
• 次世代ITファイナンスがもたらす企業価値
• 財務レポート作成時間を最大80％削減
• 経理担当の人材不足問題を解決
• 経営の意思決定スピード向上
• コンプライアンス対応の強化
• 業績分析と将来予測の精度向上
• 次世代ITファイナンス導入時に注意すべき3つのポイント
• 1. 見えにくいクラウドコストへの注意
• 2. 継続的かつリアルタイムなコスト管理が不可欠
• 3. ITファイナンス戦略もクラウド対応型へ進化を
• まとめ
• FAQ（よくある質問）

次世代ITファイナンスとは？その概要と必要性

企業の財務・会計業務におけるデジタル化は、今や避けて通れない時代の潮流となっています。なかでも「次世代ITファイナンス」は、AIやクラウド、RPAなどの最新技術を活用し、経理や財務領域の効率化・自動化・高度化を実現する取り組みとして注目を集めています。

特に中堅・大企業だけでなく、成長フェーズにあるスタートアップや中小企業においても、経営スピードや意思決定力を高めるためにITファイナンスの導入が進んでいます。

次世代ITファイナンスの主要技術と活用例

ITファイナンスの利用分野には大まかに以下の3つの分野があります。

クラウド型会計システムの導入

従来のオンプレミス型会計ソフトに比べ、クラウド型会計システムはアクセス性や柔軟性に優れ、在宅勤務や出張先からも利用可能です。加えて、自動仕訳・レポート作成機能などが業務時間の大幅削減に寄与します

AIによるデータ分析・財務予測

AIを活用したリアルタイムな財務状況の把握や、過去データに基づく将来予測は、戦略的な経営判断を後押しします。たとえば、キャッシュフローのシミュレーションによって、資金調達のタイミングを最適化することが可能です。

RPAによる業務自動化

経費精算や請求書発行などの定型業務をRPAに任せることで、ヒューマンエラーを防ぎ、従業員がより付加価値の高い業務に集中できます。

次世代ITファイナンスがもたらす企業価値

財務レポート作成時間を最大80％削減

AIによる自動集計やクラウドベースのリアルタイムデータ取得により、財務レポートの作成にかかる時間が大幅に短縮されます。

従来は複数のExcelシートを手動で照合し、何時間もかけて月次・四半期報告を作成していた作業が、ワンクリックで最新の財務状況をレポート化可能に。

これにより、財務部門は単なる作業者から、経営戦略を支えるデータ分析者へと進化できます。

経理担当の人材不足問題を解決

少子高齢化や退職者増加による経理部門の人材不足は、多くの企業が直面している課題です。

ITファイナンスを活用すれば、請求書処理、経費精算、決算処理などの反復業務を自動化でき、限られた人材で業務を回せるようになります。

人が行うべき業務は例外処理や分析業務などに集中できるため、従業員満足度の向上にも寄与します。

経営の意思決定スピード向上

従来の意思決定では、現場から集計された財務データがトップに届くまでにタイムラグが発生し、機会損失が生まれていました。

ITファイナンスにより、リアルタイムの売上・支出・キャッシュフロー情報を可視化することで、経営陣は即時にデータをもとにした判断が可能になります。

たとえば、売上急減への迅速な対策、資金繰りの見直し、投資判断などがスピーディに行えます。

コンプライアンス対応の強化

税務・会計基準の改正や内部統制の強化など、法令遵守がますます重要となる中、ITファイナンスは自動監査ログ、アクセス制御、帳簿管理などによりコンプライアンス対応を高度化します。

たとえば、証憑の電子保存や仕訳履歴の追跡機能を備えることで、監査対応の工数も大幅に削減可能です。

不正会計や内部不正の防止にもつながり、企業の信用力向上に貢献します。

業績分析と将来予測の精度向上

AIによる予測モデルを活用することで、売上トレンドや費用構造、キャッシュフローの将来シナリオを複数パターンで試算できます。

たとえば「来期の売上が前年比10％減少した場合、固定費をどれだけ削減すれば黒字を維持できるか」など、意思決定の前提となる分析を高精度で実施可能に。

このように、未来を見据えたデータドリブンな経営戦略が実現します。

次世代ITファイナンス導入時に注意すべき3つのポイント

クラウド環境への移行が進む背景とは？

ITファイナンスは、かつてはオンプレミス型の運用が主流でした。多くの企業が自社サーバーにシステムをインストールし、内部で一貫して管理するスタイルを採用していたのです。

しかし、2010年代初頭以降、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドといった柔軟なインフラ構成を採用する企業が急増。背景には、オンプレミスでは対応しきれない「スケーラビリティ」や「迅速なイノベーション」、「BCP（事業継続計画）」への課題がありました。

さらに、ChatGPTをはじめとした生成AIツールの登場により、クラウドベースの高度な分析やシミュレーションが可能となり、経営判断の精度とスピードを劇的に向上させることも、クラウド活用の追い風となっています。

※関連記事：「令和5年 通信利用動向調査報告書（企業編）」（「第3章 クラウドコンピューティング」p.7）

1. 見えにくいクラウドコストへの注意

クラウドは初期費用を抑えられる一方で、利用状況によってランニングコストが大きく変動するため、運用後の費用が不透明になりがちです。たとえば、一時的なトラフィックの増加やリソース使用量の変化が、そのままコスト増加につながります。

また、ITファイナンスにおいては、導入時点でROI（投資対効果）を明確に示すのが難しいケースも多く、企業としては投資の正当性を検証しにくいという課題も存在します。これにより、想定外の支出が続き、全体戦略に支障をきたす可能性があります。

2. 継続的かつリアルタイムなコスト管理が不可欠

クラウド環境では、必要に応じたスケーリングが可能な一方で、従来の月次・四半期単位のコスト報告では対応が追いつきません。特にマルチクラウドを活用している場合、プロバイダーごとに料金体系やサービス構成が異なるため、より高度なコスト最適化管理が求められます。

このような状況下では、「いつ・どこに・いくらかかっているか」を把握するリアルタイムモニタリングと、それに連動したアラート機能、そして予算超過リスクを可視化するツールの導入が必須です。

3. ITファイナンス戦略もクラウド対応型へ進化を

以上のように、従来のファイナンス手法や予算管理だけでは、クラウド時代の変化に対応しきれません。企業が持続的に成長していくためには、クラウドの特性を理解したうえで、それに適した次世代型のITファイナンス戦略を構築する必要があります。

まとめ

ITファイナンスの高度化により、ユーザーの現状分析から戦略策定、実行支援まで一貫して行うことが可能になり、企業の持続可能な競争優位性を実現できます。

ITファイナンスでソリューションをお求めでしたら、弊社カオピーズのサービスご利用をご検討ください。

カオピーズでは、クラウド会計の導入支援から、AIを活用した財務データ分析基盤の構築、RPAによる業務自動化まで、多くの企業のITファイナンス導入を支援してきました。特に、日本企業特有の承認フローや複雑な税務処理への対応にも実績があります。

※カオピーズ事業内容：DX推進支援

課題解決にお悩みでしたら、ぜひ一度、弊社にお問い合わせくださいませ。