ブロックチェーンアプリ開発 | メリットや開発方法を解説
「ブロックチェーンについて知りたい」
「 ブロックチェーンアプリ開発 について知りたい」
「ブロックチェーンアプリ のメリットや活用例を知りたい」
近年、ブロックチェーン技術を活用したアプリケーション開発が盛んに行われるようになってきました。
しかし新しい技術であるため、具体的な開発方法はまだあまり知られていません。
今回は, ブロックチェーンアプリ 開発に興味をお持ちの方に向け、開発方法や活用例について解説します。
この記事を読めば, ブロックチェーンに対する理解が深まり、開発をスムーズに進行できるようになります。
ブロックチェーンアプリ 開発を手掛けるベトナムのオフショア開発企業「カオピーズ」がお届けします。
目次
- ブロックチェーンとは?
- ブロックチェーンとWeb3.0
- ブロックチェーンアプリとは?
- ブロックチェーンアプリ3つのメリット
- ブロックチェーン アプリの活用例
- ブロックチェーン アプリの開発方法
- ブロックチェーンアプリ開発の課題
- まとめ
1. ブロックチェーン とは?
ブロックチェーンとは「ブロック(暗号化された取引履歴)」を「チェーン状(鎖)」につなぎ、データを管理する技術です。
ブロックチェーンで管理されたデータは正当性が保証されているため、様々な分野で活用が進んでいます。
1.1 ブロックチェーン3つの特徴
ブロックチェーンには大きく3つの特徴があります。
- 偽造やチート行為が起きにくい
- システムダウンしにくい
- 巨大企業による支配が不要
例えば、データの偽造・ゲームでのチート行為などが大幅に減少します。
また、同じデータを複数箇所で分散管理しているため、システムダウンが極めて起こりにくくなっています。
そのため、政府や巨大テック企業による管理が不要になり、オープンなサービスを構築できるようになりました。
1.2 ブロックチェーン技術の進化
ブロックチェーンは2008年の登場以来、以下のような進化を遂げています。
- ブロックチェーン1.0:ビットコインのための技術
- ブロックチェーン2.0:様々な業界での活用
- ブロックチェーン3.0:アプリをブロックチェーン化
その後、その安全性・信頼性が他のデータに応用できることがわかり、様々な業界でブロックチェーン技術が活用されています。
現在ブロックチェーン技術はアプリケーションにも活用され、「DApps(ダップス)」や「スマートコントラクト」が実現しています。
DApps(Decentralized Application:分散型アプリケーション)
アプリケーションが分散されたネットワーク上で実行され、データはブロックチェーン上で管理される形態を指します。
スマートコントラクト機能を持っているのが特徴です。
スマートコントラクト(自動契約)
一般的な契約手順をブロックチェーン化し、自動的に契約履行できるようにしたものです。
契約手順自体が改ざんできないため、詐欺や未払いなどのトラブルを回避できるのが特徴です。
※関連記事:【ブロックチェーン3.0とは?】開発の進め方やWeb3との関係
2. ブロックチェーンとWeb3.0
Web3.0は、ブロックチェーン技術で実現する新しいWeb世界です。
現在、GAFA(※)やSNS企業への富と権力の集中が大きな問題となっています。
ユーザーがアップロードしたあらゆるコンテンツは、企業の管理下に置かれ厳しく統制されています。
Web3.0ではこの状況を打破すべく、サービスをDApps化する動きが進んでいます。
DApps化されたサービスは、オープンソースでユーザーが共同開発するため、GAFAの支配を受けません。
コンテンツをアップロードしたユーザーへは、スマートコントラクトにより視聴者から報酬が支払われるため、正当に利益が分配される社会の実現が進んでいます。
※グーグル・アップル・フェイスブック(現Meta)・アマゾンの四大テック企業
3. ブロックチェーンアプリとは?
ブロックチェーンアプリとは、ブロックチェーン2.0・3.0の技術を使用したアプリケーションを指します。
ここでは、ブロックチェーンアプリの種類や公開範囲などについて解説します。
3.1 ブロックチェーンアプリ3つの種類
ブロックチェーンアプリの主な形態は、以下の3種類です。
- Webアプリ
- PCアプリ
- スマホアプリ
ブラウザさえインストールすれば、PC・スマホ・タブレットどのデバイスからも利用できるメリットがあります。
PCアプリはパソコンにインストールするタイプで、パソコンのCPU・メモリをフルに使えるのがメリットです。
スマホアプリはいつでもどこでも手軽に利用できるため、近年開発を進める企業が増えています。
アプリの種類により開発手法やコストが異なるため、どの形態でサービスを展開するか事前に検討しておくとよいでしょう。
3.2 ブロックチェーンアプリ 3つの公開範囲
ブロックチェーンアプリの公開範囲は、大きく3つの形態にわかれます。
アプリの目的や特性に合わせ、最適なものを選択しましょう。
- パブリック(一般公開)
- コンソーシアム(共同体内)
- プライベート(一つの組織内)
誰でも取引記録を閲覧したり追加したりできます。
コンソーシアムブロックチェーンは、共同体に所属する複数の企業だけが参加できる形態です。
共同体(コンソーシアム)のメンバーだけが取引記録を利用できます。
プライベートブロックチェーンは、企業など一つの組織だけが参加できる形態です。 組織に許可された人だけが取引記録を利用できます。
4. ブロックチェーンアプリ3つのメリット
ブロックチェーンアプリは、従来のアプリには無いメリットがいくつもあります。
ここでは、代表的なメリットを3つご紹介します。
- 正当性と透明性
- トレーサビリティ
- 契約コストの削減
正当性と透明性
取引履歴を改ざんしようとした場合、分散された全ての情報を変更する必要があります。
これは事実上不可能であることから、ブロックチェーン上のデータは常に正当性と透明性が保証されています。
トレーサビリティ(不正防止)
食品などの流通過程をブロックチェーン上に記録すると、生産から販売までの経路を正確に追跡できます。
ブロックチェーン上の取引履歴は後から変更できないため、不正行為を防止でき、安心・安全な流通が実現できます。
契約コストの削減
従来の書面などによる契約では、人為的ミスが避けられず契約の履行に大きなコストが掛かっていました。
しかし、DAppsのスマートコントラクトを導入すると契約の全てが自動化されるため、大幅なコスト削減が期待できます。
5. ブロックチェーンアプリ開発 の活用例
近年、ブロックチェーンアプリは様々な分野で活用されています。
今回は、代表的な3つの業界での活用例を紹介します。
- 金融業界
- ゲーム業界
- エンターテイメント業界
金融業界
金融業界では「DeFi(ディーファイ)」と呼ばれる新たなサービスが普及しはじめています。
DeFiとは「Decentralized Finance:分散型金融」の略で、ブロックチェーンを基盤にした、銀行などの管理者を介さない金融サービスのことです。
DeFiでは仲介料が掛からず、ユーザー同士が直接取引を行えるメリットがあります。
ゲーム業界
ゲーム業界では「NFTゲーム」と呼ばれる新たなゲームがたくさんリリースされています。
NFTとは「Non-Fungible Token :非代替性トークン」の略で、ブロックチェーン上で管理された唯一無二のデジタルデータであることを意味します。
ゲーム内のアイテムをNFTにすることで資産価値が生まれ、NFTマーケットプレイスなどでの売買が行われるようになりました。
エンターテイメント業界
エンターテイメント業界では、著作権データをブロックチェーンで管理する取り組みが行われています。
これにより、アーティストには公正な報酬が支払われるようになり、著作権管理の処理コスト削減にも成功しました。
6. ブロックチェーンアプリ開発 の方法
ブロックチェーンアプリを開発するためには、一般的に以下四分野のスキルが必要です。
- 開発言語
- ブロックチェーン・プラットフォーム
- アプリケーションフレームワーク
- BaaS
6.1 開発言語
DApps開発でよく使われる言語に、Solidity(ソリディティ)があります。
SolidityはDAppsのスマートコントラクトを記述するためのプログラミング言語で、イーサリアムというプラットフォーム上で実行することができます。
C++の構文に似ているため、一般的なプログラミング言語の経験があれば理解することができます。
6.2 ブロックチェーンプラットフォーム
ブロックチェーンアプリ開発では、ブロックチェーン用のプラットフォームを利用することで開発期間を短縮できます。
代表的なブロックチェーンプラットフォームには以下のようなものがあり、どれもオープンソースで利用できます。
- Hyperledger Fabric(ハイパーレッジャーファブリック)
- Ethereum(イーサリアム)
- Corda(コルダ)
- Quorum(クオラム)
一般的に、処理速度や公開範囲などアプリの要件に合わせ、最適なプラットフォームが選択されています。
6.3 アプリケーションフレームワーク
アプリケーションは、種類により開発環境が異なります。
最近では以下のような「フレームワーク(開発のひな型)」を利用することで、効率的な開発が行われています。
Webアプリの代表的なフレームワーク
- Laravel(ララベル)
- Ruby on Rails(ルビーオンレイルズ)
- Django(ジャンゴ)
スマホアプリの代表的なフレームワーク
- React Native(リアクトネイティブ)
- Flutter(フラッター)
- Apache Cordova(アパッチコルドバ)
6.4 BaaS(バース)
BaaSは「Blockchain as a Service 」の略で、クラウドコンピューティングで提供されるブロックチェーンサービスです。
BaaSを利用するとブロックチェーンアプリに必要な環境が簡単に構築できるため、開発を効率的に進めることができます。
代表的なBaaSに「AWS(Amazon Web Services)」「Microsoft Azure」があります。
※関連記事:AWS か Azure か: 大手クラウドサービス会社の徹底比較【最新版】
7. ブロックチェーンアプリ開発 の課題
ブロックチェーンは比較的新しい技術であるため、以下のような課題があります。
- ブロックチェーンに詳しい人材が少ない
- 開発エンジニアが不足
また、日本人のブロックチェーン・エンジニアの数も圧倒的に不足しており、採用や人材確保が難しい状況です。
このような慢性的な人材不足を解消する手段として、海外の開発会社にアウトソーシングするオフショア開発が積極的に導入されています。
8. まとめ
今回は、ブロックチェーンアプリ開発の進め方について解説しました。
- ブロックチェーンアプリではデータの改ざんが不可能
- 幅広い業界でアプリの活用が進んでいる
- 人材不足・エンジニア不足が課題
ブロックチェーンアプリ導入には、業務効率化によるコスト削減などのメリットがあります。
サービスの信頼性を向上させ、Web3.0へ対応することで新規ユーザーの獲得も期待できます。
カオピーズでは、ブロックチェーンアプリについてのご相談を随時受け付けています。
ブロックチェーンアプリにご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。