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2025年の崖とは?原因や影響と乗り越える対策を解説
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2026.09.14

2025年の崖とは?原因や影響と乗り越える対策を解説

「2025年の崖」とは、レガシーシステムを放置した企業が競争力を失うと警鐘を鳴らした、経済産業省の言葉です。その節目とされた2025年はすでに過ぎ、いま企業の間では対応の差が二極化しています。この記事では、崖が生じる原因、企業に及ぶ影響、そして乗り越えるための対策を、公的機関の最新データとともに整理します。自社が崖のどちら側にいるかを見極め、次の一手を判断するための材料としてご活用ください。

主要なポイント
1 2025年の崖とは、経済産業省が2018年のDXレポートで示した、年間最大12兆円の経済損失を招くレガシーシステム問題の警告である。
2 原因は「レガシーの老朽化」「IT人材不足(2025年に約43万人)」「SAPなど主要製品の保守終了」の3つが重なった点にある。
3 2025年は一度に崩落したのではなく、刷新した企業と塩漬けにした企業の差が開く「二極化」として現れた。
4 SAP標準保守の2027年末終了と2030年の人材不足(最大79万人)により、崖のリスクは終わっていない。
5 対策の起点は現状の棚卸し。段階的なモダナイゼーションと、人材不足を補う外部パートナーの活用が有効である。

2025年の崖とは?経済産業省が示した警告をわかりやすく解説

2025年の崖とは、老朽化したレガシーシステムを刷新できないまま放置すると、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じるという、経済産業省が示した警告です。この言葉は2018年9月に公表されたDXレポートに由来します。緩やかな下り坂ではなく、途中から一気に損失が拡大する「崖」にたとえられた点に、警告の切迫感があります。

経済産業省は、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムを放置した場合、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性があると指摘した。

― 出典:経済産業省「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」(2018年)

「2025年問題」との違いは?

2025年の崖と2025年問題は、混同されがちですが対象が異なります。2025年問題は団塊世代が全員75歳以上となり社会保障や人手不足が深刻化する社会課題を指すのに対し、2025年の崖は基幹システムのレガシー化に起因するIT・経営課題を指します。両者は「2025年」という節目を共有しますが、崖のほうはDXとシステム刷新に焦点があります。

なぜ2025年なのか?崖を生む3つの原因

2025年が節目とされたのは、単一の期限ではなく複数の要因が同時期に重なったためです。レガシーの老朽化、それを支える人材の枯渇、主要ソフトの保守終了という3つの波が2025年前後に集中しました。

2025年の崖を生む3つの原因(レガシー老朽化・IT人材不足・保守終了)を示す概念図
図1: 2025年の崖を構成する3つの原因が同時期に重なる構造

1. レガシーシステムの老朽化・複雑化・ブラックボックス化

崖の中核は、長年の改修で肥大化した基幹系システムの老朽化です。経済産業省は、基幹系システムを21年以上使い続ける企業が2025年に全体の約6割へ達すると試算しました。仕様を把握する担当者が減り改修内容が属人化すると、システムは中身が見えない「ブラックボックス」となり、維持だけで予算を消費する状態に陥ります。

キーワード:技術的負債

レガシーの維持管理費がIT予算の大半を占め、戦略的な投資に資金と人材を回せない状態を、DXレポートは「技術的負債」と表現しています。維持に追われるほど、変革のための余力が失われていきます。

2. IT人材の高齢化と不足(2025年に約43万人)

2つ目の原因は、レガシーを支える技術者の高齢化と引退です。経済産業省のDXレポートは、IT人材の不足が2025年に約43万人まで拡大すると指摘しました。さらに経済産業省の「IT人材需給に関する調査」(2019年)では、2030年に最大約79万人まで不足が広がると推計されており、COBOLなど旧世代技術の担い手ほど代替が難しくなっています。

3. SAP ERPなど主要製品の保守終了(SAP 2027年問題)

3つ目は、広く使われる基幹製品の保守期限が近づいている点です。多くの企業が基幹に採用するSAP ERP 6.0(ECC 6.0)は、標準保守がもともと2025年末で終了予定でしたが、SAP社が2020年に2027年末まで延長しました。保守終了後は不具合修正や法改正対応が受けられなくなり、S/4HANAなど新基盤への移行判断が避けられません。

原因内容企業への主なリスク
レガシーの老朽化21年以上稼働の基幹系が約6割(2025年)維持費増大・改修の属人化
IT人材不足2025年に約43万人・2030年に最大約79万人保守・刷新の担い手が枯渇
保守終了SAP ERP 6.0の標準保守が2027年末で終了不具合・法改正への未対応

表1: 2025年の崖を構成する3つの原因とリスク(経済産業省DXレポート等をもとに作成)

2025年の崖で企業に何が起きたのか

刷新を先送りした企業では、維持コストの増大、セキュリティの空白、成長機会の損失という3つの影響が現れます。これらは一度に起きるのではなく、担当者の退職やサポート終了をきっかけに、時間差で顕在化していきます。

2025年の崖で企業に現れる3つの影響(維持コスト増大・セキュリティの空白・成長機会の損失)が時間差で顕在化する図
図2: 刷新の先送りで時間差に顕在化する3つの影響

維持コストの増大と競争力の低下

刷新を先送りした企業では、維持コストが利益を圧迫します。レガシーを扱える技術者が希少になるほど保守単価は上がり、予算が運用維持に吸われて新規投資に回らなくなります。市場変化への対応が遅れ、デジタル前提の競合に顧客を奪われる悪循環が生まれます。

セキュリティリスクとデータ活用の停滞

サポートが終了したOSやミドルウェアは、脆弱性が修正されず攻撃の入口になります。放置された旧システムはランサムウェアや情報漏えいの標的になりやすく、事業停止や顧客離れに直結します。さらにデータが個別の旧システムに閉じ込められると、全社での分析やAI活用が進まず、意思決定の遅れを招きます。

成長機会の損失

刷新できない企業は、AIやデータ活用による新規事業や売上拡大の機会を丸ごと逃します。古い基盤のままでは全社データを統合できず、価値創出の取り組みに着手すらできないためです。実際、情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2026」ではDXに取り組む企業でもAI活用は効率化が中心で、従業員101人以下のAI導入は16.6%にとどまっており、土台を刷新できない企業ほど成長の起点に立てていません。

国内1,799社への調査では、DXとAIの導入は着実に広がる一方、その効果は業務効率化の段階にとどまり、新たな価値創出やビジネス変革への発展が今後の重要課題とされた。

― 出典:IPA「DX動向2026」(2026年)

どんな企業が2025年の崖に直面するのか

崖のリスクは、業種よりもシステムと組織の状態で決まります。以下の項目に複数当てはまる企業ほど、刷新の遅れが経営リスクへ直結しやすい状態にあります。自社の現状を点検する目安として確認してみてください。

2025年の崖に該当しやすい企業のチェックリスト

・基幹系システムを20年以上、大きな刷新なく使い続けている
・システムの仕様を把握する担当者が限られ、属人化・ブラックボックス化している
・SAP ERP 6.0など、保守終了が近い製品を基幹に使っている
・IT予算の多くが既存システムの維持・保守に消えている
・設計書や運用ドキュメントが更新されず、改修のたびに調査が必要になる
・データが個別システムに分散し、全社での分析やAI活用が進まない

これらは、どれか一つでも競争力を削る要因になり得ます。特に「属人化」と「保守終了の接近」が重なる企業は、担当者の退職やサポート切れをきっかけに、想定より早く崖に直面する恐れがあります。

2025年の崖を乗り越えるための対策

崖を越える鍵は、いきなり全面刷新に走らず、現状把握から段階的に進めることです。レガシーの棚卸し、優先順位付け、移行方式の選定という順序で、リスクとコストを抑えながらモダナイゼーションを実現できます。

1. 現状の可視化とアセスメント

最初の一歩は、対象システムの棚卸しと評価です。どの機能が事業に不可欠で、どこがブラックボックス化しているかを洗い出し、刷新の優先度を判断します。現状分析を飛ばすと、移行範囲が膨らみプロジェクトが長期化する原因になります。

2. 段階的なモダナイゼーション

次に、システムごとに適した移行方式を選びます。全面再構築だけが選択肢ではなく、既存資産を活かして段階的に近代化する方法があります。主な3方式の特徴は次のとおりです。

移行方式内容向いているケース
リホストアプリはほぼ変えずインフラをクラウドへ移すまず保守リスクを早く下げたい
リプラットフォームOSやミドルウェアを刷新しつつ移行する老朽化した基盤を更新したい
リファクタリング構造を再設計しクラウド最適な形へ作り替える拡張性・保守性まで根本改善したい

表2: 代表的なモダナイゼーション(クラウド移行)の3方式

3. クラウド移行とデータ活用基盤の整備

移行の到達点は、変化に強いクラウド基盤とデータ活用の土台づくりです。クラウド化により自動スケーリングや可用性を確保し、分散したデータを統合すれば、AIや分析による価値創出につながります。ここまで進めて初めて、崖を「越えた」と言える段階になります。

4. 人材不足を補う外部パートナーの活用

社内人材だけで刷新をやり切るのは、人材不足が続くなかで現実的でない場合があります。レガシー対応の経験を持つ外部パートナーやオフショア開発を組み合わせれば、体制を柔軟に拡張しながらコストを最適化できます。日本語で意思疎通できる体制を選べば、要件のずれや手戻りも抑えられます。

「何から手をつければいいか分からない」段階でも大丈夫です

カオピーズは現状分析からクラウド移行、運用までを一気通貫で支援します。まずは自社システムの棚卸しから相談できます。

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カオピーズが支援するレガシー刷新とDX推進

崖を越える取り組みは、技術と体制の両輪で進める必要があります。カオピーズは日本市場で12年以上、1,000件以上のプロジェクト実績を積み重ね、レガシー刷新からクラウド移行、その後の運用までをワンストップで支援しています。

カオピーズが技術と開発体制の両面からレガシー刷新・クラウド移行・運用を支援する仕組みを示す図
図3: 技術と体制の両輪でレガシー刷新からクラウド移行・運用までを支援するカオピーズの取り組み

体制面では、800名以上のエンジニアのうち日本語対応が可能な人材が500名以上在籍し、日本語で要件を詰められる開発体制を整えています。ISO/IEC 27001やプライバシーマーク、AWS Advanced Consulting Partner認定を取得しており、セキュリティと技術品質の両面で信頼性を担保します。

技術面では、Windows Server 2012/R2やVB6、旧DB、COBOL基幹系といった幅広いレガシーに対応します。レガシーコードを解析して最新言語・フレームワークへ変換し、テスト生成やドキュメント化まで自動化する「AIコード移行」は、人材不足を補いながら刷新を加速する手段として有効です。

実際の刷新例として、アクセス増による負荷・拡張性・セキュリティに課題を抱えていたWebサービスを、AWSのWell-Architectedに準拠して再設計・移行し、安定性と応答性を高めた事例があります。また国内派遣やフリーランス依存でコストと安定性に悩んでいた現場では、常駐エンジニアを起点にオフショア体制を段階構築し、国内比でコスト30%削減・対応スピード20%向上を実現しました(カオピーズ実績より)。

まとめ

2025年の崖とは、レガシーシステムの放置が年間最大12兆円の損失を招くという経済産業省の警告であり、その本質はレガシー老朽化・人材不足・保守終了が重なるリスクの集中でした。2025年を過ぎた今、崖は一斉崩落ではなく企業間の二極化として現れ、SAP 2027年問題や2030年の人材不足という次の局面が控えています。現状の棚卸しから段階的なモダナイゼーションへ、そして外部パートナーの活用で体制を補いながら、崖の向こう側へ着実に進めることが重要です。

レガシー刷新・DX推進の第一歩を、カオピーズと一緒に。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 2025年の崖と2025年問題は何が違いますか?

2025年の崖はレガシーシステムに起因するIT・経営課題、2025年問題は団塊世代の高齢化による社会保障・人手不足の課題です。節目の年は同じでも、対象領域が異なります。

Q2. 2025年を過ぎた今も対策は必要ですか?

必要です。SAP ERPの標準保守が2027年末に終了し、IT人材不足は2030年に最大約79万人へ広がると見込まれるため、崖のリスクはむしろ次の局面に移っています。

Q3. レガシー刷新はどのくらいの期間がかかりますか?

規模と移行方式で大きく変わります。まずアセスメントで対象範囲を絞り、リホストなど影響の小さい方式から段階的に進めると、期間とリスクを抑えやすくなります。

Q4. 中小企業にも2025年の崖は関係ありますか?

関係します。IPAの調査ではAI導入率が101人以下の企業で16.6%にとどまり、規模の小さい企業ほど遅れが目立ちます。属人化や保守終了のリスクは規模を問わず生じます。

Q5. まず何から始めればよいですか?

現状の棚卸しから始めるのが基本です。どのシステムが事業に不可欠で、どこがブラックボックス化しているかを可視化し、刷新の優先順位を決めることが第一歩になります。

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