AWS移行 | メリットと手順 AWSパートナー企業が徹底解説!
「AWSサービスについて知りたい」
「AWS移行手順を知りたい」
「 AWS移行 のメリットや注意点を知りたい」
近年、自社システムをオンプレミスからAWS環境へ移行する企業が増えています。
しかしAWSのサービスは年々増加しているため、何が最適か把握しきれないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、AWS移行を検討中の皆さまに向け、AWS移行のメリットや手順をご紹介します。
この記事を読めばAWSへの理解が深まり、AWS移行の検討を円滑に進められるようになります。
AWSコンサルティングパートナーである、ベトナムのオフショア開発企業カオピーズがお届けします。
目次
1. AWSとは
1.1 AWSは「クラウドコンピューティングサービス」
AWS(Amazon Web Services)はAmazonが提供するクラウドコンピューティングサービスです。
クラウドコンピューティング(cloud computing)とは、サーバーやOSなどの資源をオンライン上で提供するものです。
同じクラウドコンピューティングサービスに「Microsoft Azure(アジュール)」「Google Cloud Platform」がありますが、AWSは2位以下を大きく引き離し業界No.1のシェアを誇っています。
1.2 オンプレミスとクラウドの違い
クラウドと比較される方式として「オンプレミス」があります。
プレミス(premise)は「店舗」「施設」の意味で、オンプレミスはシステムに必要な設備を自社で用意するやり方です。
オンプレミスは自由度が高い反面、コストや保守運用負担が大きいというデメリットがありました。
AWSはそれらの課題を解決し、現在多くの企業でオンプレミスからAWSへの移行が進んでいます。
2. AWS移行4つのメリット
オンプレミス環境からAWSに移行すると、大きく4つのメリットがあります。
2.1 コスト削減
AWSでは、企業のインフラ構築コスト平均31%減を実現しています。
アカウント登録後すぐに利用でき、従量課金制で使用分だけ支払えば済むので、過払いのリスクもありません。
また、サーバーやネットワーク機器などハードウェアはAWS側が管理しますので、保守運用コストも削減できます。
2.2 セキュリティ強化
AWSでは、企業のセキュリティインシデント43%減を実現しています。
AWSのデータセンターは自然災害リスクが少ない地域にあり、部外者の侵入も厳しく規制されています。
また、アクセス制御や脅威検出のためのプロトコルを配置し、徹底したセキュリティ対策が行われています。
2.3 ダウンタイム減少
AWSでは、計画外ダウンタイムの69%減を実現しています。
計画外ダウンタイムとは、故障・不具合による停止時間のことで、利用者に不利益や不便が生じ、サービスへの信頼性が損なわれる要因となります。
AWSは災害の影響を受けにくく、AWSサービスの中には自動復旧機能が備わっているものもあり、計画外ダウンタイムの減少に成功しています。
2.4 生産性向上
AWSでは、ITスタッフの生産性向上62%アップを実現しています。
AWSの高い信頼性により、ITスタッフの保守運用作業は大きく軽減されます。
特にサーバー・ネットワーク機器などのハードウェアに関しては、保守そのものが不要になるため、人員をビジネスに集中させることが可能です。
3. AWS導入事例|カオピーズの実績
弊社カオピーズはAWSコンサルティングパートナーの認定を受け、AWSに関するあらゆるニーズに対応するサービスを提供しています。
ここでは、弊社のAWS導入事例を3つご紹介します。
3.1 建物点検システムのAWSインフラ構築
画像認識AIとドローンを活用した「建物点検システムのAWSインフラ構築」を行いました。
この事例では、AWS WAF(Web Application Firewall)というサービスを活用し、DoS攻撃などに対する高いセキュリティ性を実現しました。
また、AWS CodeDeployというツールを利用し、ゼロダウンタイムでのシステム展開にも成功しています。
3.2 ホテル業務システムのAWSインフラ構築
AIスピーカー等を活用した「ホテル業務システムのAWSインフラ構築」を行いました。
この事例では、AWSの機能を組み合わせ、宿泊客が音声で設備操作・ルームサービスを注文できるシステムを実現させました。
約半年でサーバーレスのシステムを構築し、保守運用コストの軽減にも成功しています。
3.3 eスポーツゲームのAWSインフラ構築
100万人以上がプレイできる「eスポーツゲームのAWSインフラ構築」を行いました。
この事例では、Amazon CloudFrontというサービスを活用し、ゲームデータの高速ダウンロードを実現しました。
それ以外にも複数のAWS機能を活用し、ゲームバージョンアップ時のシステム負荷軽減にも成功しています。
4. AWS移行5つの手順
AWSへの移行は、慎重に進める必要があります。
以下5つの手順をひとつずつ確認し、スムーズな移行を実現しましょう。
4.1 現行システムの調査・整理
はじめに現行システムの調査を行い、以下のようにシステム仕様を洗い出しましょう。
- ハード・ソフト構成
- システムの機能・性能
- 各機能の処理内容・データ形式
4.2 要件定義とサービス選定
要件定義とは、AWS移行で実現したい「目的」を明確にする作業です。
「障害発生時に自動復旧したい」「ゼロダウンタイムでバージョンアップしたい」など目的を明確にし、必要なAWSのサービス・ツールの選定へと進みます。
選定作業では、使用する仮想サーバーの数・CPU・メモリなどを具体的に決定します。
4.3 費用見積もり
AWSでは使用するサービスに対してのみ課金される従量制ですので、比較的簡単に月額料金を見積もることができます。
算出した金額によりコストパフォーマンスを検討し、コストが掛かり過ぎる場合はサービス・ツールの再選定を行います。
4.4 テスト移行
AWS本稼働の前に、実際にAWSインフラを使用して実用性のテストを行います。
最近では、PoC(Proof of Concept:概念実証)と呼ばれる技術検証が普及しており、実現性や問題点の確認作業が行われています。
AWSは従量課金であるため、PoCを終えた時点ですぐに環境を削除すれば費用面の負担も少なくて済みます。
4.5 本番移行と運用
テスト移行で実現性が確認できたら、サーバーやデータなどの本番移行を行います。
AWSには移行作業を簡単にするツールが用意されているので、それらを活用するとスムーズに移行できます。
本番移行が済み、正常稼働が確認できれば運用作業に入ります。
障害やセキュリティ上の問題を監視すると共に、サービスの成長に合わせコストやパフォーマンスを最適化するなどの調整を随時行います。
5. AWS移行ツール
AWSには非常に便利な移行ツールが用意されており、それらを上手に活用することで移行期間を大幅に短縮できます。
今回は、代表的な移行ツールを3つご紹介します。
5.1 サーバーの仮想マシン移行
AWSの「VMImport/Export」を利用すると、オンプレミス環境からAWS環境へサーバーの仮想マシンイメージを簡単にインポートできます。
同種の移行ツールとして「AWS ServerMigrationService」もよく使用されています。
5.2 テラバイト単位のデータ転送
AWSの「Snowball」を利用すると、オフラインデータやリモートストレージ上のテラバイト単位のデータをAWS環境に簡単に移動できます。
同じSnowballファミリーの「Snow mobile」では更に大容量のペタバイト単位のデータ移行が可能です。
5.3 データベースの移行
AWSの「DatabaseMigrationService」を利用すると、オンプレミス環境からAWS環境へデータベースを簡単に移行できます。
Oracle・SQL Server・PostgreSQLやその他の主要RDBの移行をサポートしており、異なるデータベース間での移行も可能です。
6. AWS移行 3つの注意点
AWS移行にあたり、以下3つの点に注意しましょう。
6.1 オンプレミスとAWSではスキルや自由度が異なる
オンプレミスとAWSでは同じ機能であってもコマンドや操作方法が異なるため、慣れるまである程度時間が必要です。
また、オンプレミスは一般的に自由にカスタマイズ可能ですが、AWSで同様の自由度を実現するためにはサービスの組み合わせを工夫する必要があります。
6.2 テスト移行は必須
AWSでは、オンプレミス環境を100%再現できるわけではありません。
OSやミドルウェア、データベースのバージョンなどの違いがあるためテスト移行やPoCが必須です。
AWSには無料利用枠もあるため、それらを上手に活用しながら慎重に作業を進めましょう。
6.3 一定期間は新旧環境の並行稼働も検討する
AWS移行が完了し安定稼働が確認できるまで、旧オンプレミス環境は保存しておきましょう。
可能であれば、万が一に備え旧環境とAWS環境を並行稼働する期間を設けることをおすすめします。
7. AWS移行 の課題
AWSには現在220以上のサービスがあり、どのサービスを選択すべきかは有識者でないと大変難しいのが現状です。
自社内に移行作業経験者がいない場合、AWSコンサルティングパートナー企業への相談がおすすめです。
AWSコンサルティングパートナーは、AWSの移行・構築・運用支援を行うエキスパート企業です。
AWS認定エンジニアによる的確な支援を受けることができるため、安心して移行作業を行うことができます。
※関連記事:カオピーズがAWS Partner Networkアドバンストコンサルティングパートナーに昇格!
8. まとめ
今回はAWS移行について解説しました。
- AWS移行によりコスト削減・生産性向上が期待できる
- 移行作業は慎重に行う必要がある
- AWSパートナー企業の活用もおすすめ
AWS移行でサービス品質を上げ、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させましょう。
弊社カオピーズでは、AWS移行に関するご相談を随時承っております。
ご不明点やご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。