/images/news/kaopiz-news-cover.png
NEWS
オンプレミスとクラウドの比較: 主な違い、メリット、リスク
calendar
2023.09.18
repeat
2024.01.18

オンプレミスとクラウドの比較: 主な違い、メリット、リスク

現在のエンタープライズITの世界では、クラウドインフラストラクチャーが適しているかを判断するために企業が考慮すべきファクターが数多くあります。逆に クラウド への移行に踏み切れず、従来どおりのレガシーや オンプレミス のアプリケーションやソフトウェアに頼ってビジネスを展開している企業も多いです。

 オンプレミスとクラウドの比較

目次

オンプレミスとクラウドの比較

簡単に言えば、オンプレミスソフトウェアとクラウドソフトウェアの違いは、置かれる場所です。オンプレミスソフトウェアは企業独自のハードウェアインフラストラクチャーにインストール・実行され、ローカルでホストされます。それに対し、クラウドソフトウェアはプロバイダーのサーバーで保管・管理され、Webブラウザやその他のインターフェースを通じてアクセスします。

オンプレミスとクラウドの違い

驚くことではありませんが、クラウドコンピューティングの人気がこれほどまでに拡大したのは、その魅力と将来性によって、時間や費用の削減からアジリティやスケーラビリティの向上まで、企業にとって新たな柔軟性が得られるからです。一方、オンプレミスソフトウェア(自社サーバーにインストールし、ファイアウォールの内側に設置される)は、長い間、企業にとって唯一の選択肢でした。そして、ビジネスのニーズに十分な役に立ち続けるかもしれません(「壊れていないものを直すな」という言葉を考えてみてください)。さらに、オンプレミスアプリケーションは信頼性が高く、安全であり、企業はクラウドではできないことが多いレベルでの管理を維持できます。しかし、ビジネス目標を達成するためには、オンプレミスやレガシーのシステムに加えて、新しいクラウドやSaaSアプリケーションを活用する必要があり、それはIT意思決定者の間で同意されていることです。

オンプレミスソフトウェア

企業がアプリケーションをクラウドに置くにせよ、オンプレミスに保つにせよ、データのセキュリティは常に最も重要です。しかし、規制の厳しい業界の企業にとっては、アプリケーションをオンプレミスに置くかどうかは、すでに決定事項なのかもしれません。また、データが社内のサーバーやITインフラストラクチャー内にあることを知っていれば、より安心できるのでしょう。

オンプレミスソフトウェアを使用するには、企業がライセンスまたはソフトウェアのコピーを購入する必要があります。ソフトウェア自体にライセンスが付与され、ソフトウェアのインスタンス全体が社屋内に存在しています。そのため、一般的にクラウドコンピューティングインフラストラクチャーよりも保護が強化されます。では、このような特別なセキュリティを必要とする企業が、なぜクラウドに足を踏み入れるのでしょう?

オンプレミス環境の欠点は、ソリューションの管理と保守にかかるコストが、クラウドコンピューティング環境よりも飛躍的に高くなることです。オンプレミス設定では、社内にサーバーハードウェア、ソフトウェアライセンス、統合機能、そして発生する可能性のある問題をサポート・管理するためのIT従業員が必要です。これには、何かが壊れたり機能しなかったりした場合に企業が責任を負うことになるメンテナンスの量さえ考慮されていません。

クラウドコンピューティング

クラウドコンピューティングには、オンプレミスソフトウェアと決定的に異なる点があります。オンプレミス環境では企業が社内ですべてをホストするのに対し、クラウド環境ではサードパーティのプロバイダーにすべてホストしてもらえます。このため、企業は必要に応じて料金を支払うことが可能になり、全体的な使用量やユーザー要件、企業の成長に応じて効果的に規模を拡大または縮小できます。

クラウドベースのサーバーは仮想技術を利用して、企業のアプリケーションをオフサイトでホストします。設備投資は不要で、データは定期的にバックアップされ、企業は使用したリソースに対してのみ料金を支払えば良いのです。世界規模で積極的な事業拡大を計画している企業にとって、クラウドは最小限の労力で顧客やパートナー、他の企業とどこでもつながることができるため、さらに大きな魅力があります。

さらにクラウドコンピューティングでは、すべて設定済みであるため、ほぼ即座にプロビジョニングが可能です。そのため、ひとたび企業が契約すれば、環境に統合された新しいソフトウェアをすぐに使用できます。インスタントプロビジョニングによってインストールや設定に費やす時間が削減され、ユーザーはすぐにアプリケーションにアクセスできるようになります。

一例として、EDIソフトウェアは従来オンプレミスでホストされていましたが、最近のクラウドコンピューティングの発展により、EDIプロバイダーはEDIをSaaSモデルでサービス提供できるようになりました。

※関連記事:https://kaopiz.com/ja-aws-cloud-service/

この発展により、顧客は導入コストを削減できるようになっただけでなく、ソフトウェア会社は年間ベースで課金される経常収益モデルを構築できるようになりました。

オンプレミスとクラウドの主な違い

以上のように、オンプレミス環境とクラウド環境には基本的な違いがいくつかあります。どちらが自社に適しているかは、ニーズやソリューションに何を求めているかによります。

オンプレミスとクラウドの主な違い

デプロイ

オンプレミス:オンプレミス環境では、リソースは企業のITインフラストラクチャー内に社内でデプロイされます。企業は、ソリューションとそれに関連するすべてのプロセスの保守に責任を負います。

クラウド: クラウドコンピューティングにはさまざまな形態(パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドなど)があります。一方でパブリッククラウドコンピューティング環境では、リソースはサービスプロバイダーの構内でホストされますが、企業はそのリソースにアクセスし、いつでも好きなだけ使用できます。

コスト

オンプレミス:オンプレミスでソフトウェアをデプロイする企業は、サーバー・ハードウェアや消費電力、スペースといった継続的なコストを負担しなければなりません。

クラウド:クラウドコンピューティングモデルを利用しようとする企業は、使用するリソースに対してのみ料金を支払えば良く、保守や維持のコストは一切かかりません。料金は使用量によるため、変動を調整できます。

管理

オンプレミス:オンプレミス環境では企業はすべてのデータを保持し、良くも悪くもそのデータを完全に管理できます。規制が厳しく、プライバシーへの懸念が大きい業界の企業は、このような理由から、他社に先駆けたクラウドへの移行をためらっているでしょう。

クラウド:クラウドコンピューティング環境では、データの所有権は多くの企業やベンダーが苦労してきた問題です。データと暗号化キーはサードパーティのプロバイダー内に存在するため、予期せぬ事態が発生してダウンタイムが発生した場合、そのデータにアクセスできなくなる恐れがあります。

セキュリティ

オンプレミス:政府機関や銀行業界などの極秘情報を扱う企業は、オンプレミス環境で得られる一定レベルのセキュリティとプライバシーを確保する必要があります。クラウドの将来性が期待されているとはいえ、多くの業界にとってセキュリティは最大の関心事であるため、オンプレミス環境はその欠点や費用にもかかわらず、合理的なものと言えます。

クラウド:クラウドコンピューティングを導入するうえで最大の障壁は、やはりセキュリティ問題です。クラウドからの情報漏えいは数多く公表されており、世界中のIT部門が懸念しています。ログイン認証情報などの従業員の個人情報から知的財産の損失まで、セキュリティの脅威は現実のものとなっています。

コンプライアンス

オンプレミス:最近では、業種を問わず多くの企業が何らかの規制の下で業務を行っています。おそらく最も一般的なものは、個人の健康情報に関する「医療保険の携行性と責任に関する法律(HIPAA)」でしょう。その他にも、詳細な学生の記録を含む「家庭教育の権利とプライバシーに関する法律(FERPA)」や、その他の政府や業界の規制など、多くの規制があります。このような規制の対象となる企業にとって、コンプライアンスを維持し、データが常にどこにあるのかを把握しておくことは必須事項です。

クラウド:クラウドコンピューティングモデルを選ぶ企業は、デューデリジェンスを行い、サードパーティのプロバイダーが実際に業界内のさまざまな規制に準拠しているかどうかを確認する必要があります。機密データを保護し、顧客やパートナー、従業員のプライバシーを確保する必要があります。

※関連記事:AWSクラウド無料利用枠

ハイブリッドクラウドソリューション

オンプレミス環境とそれに対抗するクラウドコンピューティング環境の長所と短所についての議論は現実的なものであり、今まさに多くの企業が社内で議論しています。その一方で、両方の長所を併せ持つ別のモデルもあります。

ハイブリッドクラウドソリューション

ハイブリッドクラウドソリューションとは、オンプレミスやプライベートクラウド、パブリッククラウドといったさまざまな種類のIT導入モデルの要素を取り入れたソリューションです。ハイブリッドクラウドインフラストラクチャーは、信頼性のあるサードパーティのプロバイダーの「パブリッククラウドプラットフォーム」と、オンプレミスで構築された、またはホストされたプライベートクラウドのプロバイダーによって構築された「プライベートクラウド」、そしてこれら両方の環境間の効果的な「WAN接続の可用性」に依存しています。

結論

カオピーズはベトナムの大手オフショア開発企業のひとつであり、AWSのシニアコンサルティングパートナーとして、システムを構築し、お客様のコンピュータシステムに直接デプロイするためのアドバイスやソリューションを提供する準備が整っています。弊社はパートナーであること、そしてお客様の問題を解決するための適切なソリューションを提供することに信念を持っています。

お見積もり・ご相談はこちら

よく読まれている記事

https://kaopiz.com/wp-content/uploads/2024/05/HP-28.png
ブログ
24.05.10
生産管理システムとは?製造業の中小企業が導入するメリットを解説
生産管理システム は業務効率化が可能なツールです。納期の遅延防止や製造の無駄の解消、製造状況を常に把握できるなどのメリットがあります。ただし、選び方に失敗すると費用ばかりかかって運用に失敗する可能性があるため注意が必要です。中小企業 の 製造業 者向けのシステムについて解説
https://kaopiz.com/wp-content/uploads/2024/05/HP-16-1.jpg
ブログ
24.05.09
生産管理とは?主な業務や課題、改善方法、生産管理システムについて解説
生産管理 は生産計画に基づく業務全般を管理することです。生産管理の業務内容(仕事内容)には受注管理や生産計画、購買・調達、工程管理などがあります。生産管理にはさまざまな課題が起きるため、課題を解決し生産管理を効率化させるためには生産管理システムの導入が必要です。
https://kaopiz.com/wp-content/uploads/2024/05/HP-21.png
ブログ
24.05.06
賃貸管理システム|メリット、機能、およびクラウド開発の利点
賃貸管理システム の選び方とクラウドの利点を徹底解説。効率化、コスト削減、セキュリティ強化など、クラウドベースの賃貸管理システムが不動産管理にもたらす多数のメリットを紹介します。不動産業務を次のレベルに引き上げるためのキーガイドです。