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システム開発手法とは? 開発プロセスの詳細と一般的な開発モデルの比較
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システム開発手法とは? 開発プロセスの詳細と一般的な開発モデルの比較

システム開発は、現代のビジネスや技術の進化において不可欠なプロセスです。しかし、その複雑さから、どのように進めるべきかを理解することは容易ではありません。本記事では、システム開発の基本概念を説明し、開発プロセスの詳細について掘り下げます。さらに、一般的な開発モデルの比較を通じて、それぞれの利点と欠点を明らかにし、最適なアプローチを選択するためのガイドラインを提供します。これにより、システム開発における理解を深め、より効果的なプロジェクト管理に役立てていただければと思います。

システム開発とは

目次

システム開発とは?

システム開発とはとは、ビジネスの効率向上、従業員管理、顧客情報管理など、特定の問題やニーズを解決するためのITシステムの構築を指します。

システム開発と聞くと、企業に完全に合った新しいシステムを作成するイメージがあるかもしれませんが、実際には主に二つのアプローチがあります。

・スクラッチ開発: ゼロからシステムを開発する方法(場合によってはフレームワークを使用)

・パッケージ導入/カスタマイズ: 既存のソフトウェアをカスタマイズまたは拡張する方法

ゼロからシステムを開発することは、高い拡張性と柔軟性を提供しますが、コストと開発時間が長くなります。一方で、既存のサービスを導入する場合、比較的迅速かつ安価に導入できますが、機能が制限される可能性があります。

「システム開発 = 新しいシステムの作成」と考えるのではなく、目的と予算に応じた適切な方法を選ぶことが重要です。システム開発は、システムの再構築、新機能の追加、システムの保守など、必ずしも新しいシステムの創造を意味するわけではありません。多くの業界では、SaaSの普及により、既存のシステムの検討や業務プロセスの最適化だけで十分な成果を上げられる場合もあります。

※関連記事:【必見】日本システム開発|意味・メリット・企業が知るべきポイント

システムの開発と導入は手段であり、目的ではない

システムの開発と導入にはさまざまなアプローチがありますが、重要なのは、これらが手段であって目的ではないということです。

システムの開発と導入は手段であり、目的ではない

システム開発の目的は、ビジネスの問題やニーズを解決することです。「システムが古くなったから更新する」「DXやAIが注目されているからツールを導入する」といった考え方をすると、導入したシステムを十分に活用できず、計画とは異なる結果を招く可能性があります。その結果、コスト対効果が悪化し、時には導入前よりも問題が大きくなることもあります。

システム開発の要件を検討する前に、「本当に新しいシステムが必要なのか?」と自問し、社内で議論することが重要です。新しい技術やトレンドに飛びつく前に、会社の実際のニーズや問題を深く理解し、最適なソリューションを選択する必要があります。

※関連記事:AIシステム開発プロセスの概要と主要なポイントについて簡単なご紹介

そのため、ビジネスニーズに応じた最適な方法を見つけるには、ITの知識と豊富な開発経験を持つ専門家のサポートが必要です。カオピーズは、経験豊富なシステム開発者として、適正なコストと優れたスピードでお客様の問題を解決するお手伝いをいたします。

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開発可能なシステムの種類と特徴

「システム」という言葉を使う際、多くの異なる種類が存在します。広く見ると、システムは内部システムと外部システムに分類されます。さらに、内部システムはコアシステムとビジネスシステムに分かれます。以下に、それぞれの種類の概要と例を簡単に紹介します。各システムの特性と開発方法を理解することで、顧客の期待に応える成果を確保するために役立ちます。

ユーザー 概要 システムの例
会社内部 コアシステム 会社の主要な業務を支える中心的なシステムデータの管理や主要な業務フローを担当します ERPシステム、会計システム、人事システムなど
ビジネス業務システム 特定の業務をサポートするシステム。各タスクの特定のニーズに応じます 顧客管理システム、ワークフローシステム、コミュニケーションツールなど
会社外部 ユーザーシステム 会社の外部のユーザー(顧客)が使用するために設計されたシステム ECサイト、EDIなど

システム開発手法とは?

システム開発にはさまざまな手法があり、それぞれに特徴と適応性があります。したがって、開発するシステムの目的や要件に応じて最適な手法を選択することが重要です。最も大きな違いは、ウォーターフォールモデルとV字モデルとアジャイルモデルという二つの主要な開発手法の間に見られます。これらの手法は対照的な特徴を持っています。

ウォーターフォールモデル

ウォーターフォールモデルは、伝統的なシステム開発手法で、システムの要件が詳細に定義された後、設計、実装、テスト、導入といった一方向で段階的なプロセスが進行します。この手法は、要件が少なく変更がない場合や、明確な要件がある場合に適しています。長期にわたる複雑なプロジェクトや要件の頻繁な変更があるプロジェクトには不向きです。ウォーターフォールモデルでは、各段階が明確に分かれており、進捗管理や予算、リソースの割り当てが容易になります。

ウォーターフォールモデル

出典:Qbook

ただし、大規模で複雑なシステムプロジェクトでは、要件段階で重要な詳細を見逃す可能性があり、その結果、不正確な製品が顧客に提供されることがあります。この場合、再設計が必要になることもあります。多くのプロジェクト評価では、要件と設計の欠陥が全体のエラーの半分を占めることが示されています。

V字モデル

ウォーターフォールモデルの問題を解決するために、V字モデルが開発されました。このモデルでは、各開発段階に対して対応するテスト段階が実施されます。Vモデルでは、ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)とソフトウェアテストライフサイクル(STLC)が並行して進行し、全体として「V」の形になります。

V字モデル

出典:Qbook

SDLC(ソフトウェア開発ライフサイクル): ソフトウェアの設計と開発に関する活動を含むプロセスです。

STLC(ソフトウェアテストライフサイクル): ソフトウェア製品をテストするための活動を含むプロセスです。

Vモデルでは、各開発段階に対して対応するテストが行われるため、ウォーターフォールモデルよりも早期に問題を発見することができます。

Vモデル以外にも、反復型および漸進型の開発モデルがあり、開発作業は段階的に実行され、新機能が古いバージョンに追加され、最終的な完全なバージョンに到達します。これにより、段階的に開発が進められ、各ステップが独立してテストされます。各フェーズは、開発およびテストのアクティビティのセットで構成されます。

反復型および漸進型開発モデルの典型例は、アジャイルです。

アジャイルモデル

アジャイルモデルは、要件定義からリリースまでの開発プロセスを短期間で繰り返し実施することでシステムを構築する手法です。アジャイルは、ウォーターフォールやCMMIなどの古いモデルの改善と見なされています。アジャイル開発手法は、自己管理型かつクロスファンクショナルなチーム間の協調を通じて、要求と解決策を徐々に開発する反復および漸進的な開発サイクルの集合体です。

アジャイルモデル

出典:SHIFT

・アジャイルモデルは反復型および漸進型モデルに基づいています。

・アジャイルでは、タスクは小さなタイムフレームに分割され、最終的なプロダクトのさまざまな機能が開発されます。

・要件や解決策は、各機能の組み合わせに基づいて開発されます。

アジャイルの特徴は、仕様の変更が容易であり、要件を柔軟に反映できる点です。そのため、顧客が短期間で機能を必要とし、市場の急速な変化に対応する場合に特に適しています。ただし、顧客の積極的な参加と頻繁なフィードバックが必要であり、高速な開発サイクルを繰り返し行うことが求められます。

代表的なアジャイル手法には「スクラム」や「スパイラル」があります。

アジャイルモデルの種類 概要
スクラム

開発プロセスは短期間(通常2〜4週間)のスプリントと呼ばれるサイクルで進行します

各スプリントの開始時には、その期間内に達成すべき目標を設定し、スプリントの終了時には納品物をレビューし、次のスプリントの計画を立てます

スパイラル

システムを機能単位(サブシステム)に分割して、各プロトタイプを評価・改良しながら順番に開発します \

これにより、リスクを最小限に抑えながら同時進行で開発を進めることができます

特に大規模かつ複雑なプロジェクトに適していますが、管理レベルとコストが高くなる場合があります

アジャイルモデルは、要件が頻繁に変化する中小規模のプロジェクトや、柔軟な対応が求められるシステム(外部システム)に適しています。重要な機能を先行して実装し、初期段階から価値を生み出し、開発の過程で要件を変更することが可能です。発注者側はプロジェクト管理、テスト実施、品質保証の指揮を取ることが重要です。

また、仕様変更などに柔軟に対応するために、製品の納品ではなく時間単位で報酬が支払われる半委任契約が一般的です。

※関連記事:エンジニアが知っておきたいソフトウェア開発モデル7選

モデルの比較

モデル ウォーターフォール V字モデル アジャイル スクラム スパイラル
モデル 順次開発モデル、各段階を完了して次の段階へ進む 開発と並行してテストを実施する順次モデル 柔軟な開発モデル、継続的な改善と変更が可能 アジャイル手法の一つ、短いスプリントと定期的な会議 リスク分析と評価を繰り返す反復開発モデル
主な段階 要件→設計→実装→テスト→保守 要件→設計→実装→テスト→導入 要件→設計→開発→テスト→導入 スプリント計画→開発→テスト→スプリントレビュー 計画→リスク分析→設計→実装→評価と改善
テスト 完了後にテスト 各開発段階と並行してテスト 開発中に継続的に実施 各スプリントで実施 各サイクルで実施
リスク管理 低い、リスクの早期認識と対処が苦手で、困難が生じやすい ウォーターフォールよりは優れているが、低い柔軟性 高い、各イテレーションやスプリントでリスクが管理・軽減される 高い、 各イテレーションやスプリントでリスクが管理・軽減される 優秀、リスク管理が開発プロセスの一部
適したプロジェクト 要件が明確で変更が少ないプロジェクト 要件が明確で厳密なテストが必要なプロジェクト 頻繁な変更が必要で柔軟性が求められるプロジェクト 頻繁な変更が必要で進捗管理が重要なプロジェクト 複雑でリスクが高いプロジェクト
開発期間 固定される フェーズごとに異なる スプリントごとのニーズと進捗に応じて柔軟に変更される 開発期間はスプリントに分けられ、短期間で行われる イテレーションの回数やプロジェクトの複雑さに応じて長くなる場合もある

結論

システム開発は、組織のニーズに応えるために、ソフトウェアやアプリケーションを設計、実装、維持するプロセスです。Waterfall、V字モデル、Agile、Scrum、Spiralなど、多様な開発モデルが存在する中、最適なモデルを選択することは、最高の結果を達成するために非常に重要です。

カオピーズでは、10年以上にわたる経験を持ち、150社を超える日本企業のクライアントを支援し、売上の拡大やビジネス課題の解決を図るために、数百のシステムを導入してまいりました。当社は、先進的なソリューション、高速な開発、そして確かな品質を提供することに誇りを持っています。柔軟で効果的な開発モデルを適用し、クライアントのビジネスアイデアを確実に実現いたします。貴社のニーズや目標に最適なシステム開発をどのようにサポートできるか、ぜひ私たちにご相談ください。

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