ベトナムIT産業は、若く優秀なIT人材の厚みと急成長する市場規模を背景に、日本企業からのオフショア開発先として高い注目を集めています。本記事では、ベトナムIT産業の市場動向や人材の強み、得意とする技術分野を整理し、実績ある企業15社をご紹介することで、自社の開発ニーズに対するベトナムIT活用の適合度を見極めるための材料を提供します。
ベトナムIT業界の現状:市場規模と成長トレンド
ベトナムIT産業は、政府主導のデジタル化政策と海外からの旺盛な投資需要を背景に、東南アジアを代表するIT拠点として急速に存在感を高めています。ソフトウェア輸出やデジタルサービスを中心に市場規模は年々拡大しており、その成長スピードは他の主要新興国市場と比較しても際立っています。
📊 市場規模データ
ベトナム情報通信省(MIC)によれば、2023年のICT産業総売上高は約1,420億米ドルに達しており、これは2016年実績の約2.3倍に相当します(2017〜2023年のCAGR成長率:13%)。
出典:ベトナム情報通信省『ICT産業統計』(キャピタルアセットマネジメント「ベトナムIT人材レポート」2024年6月より引用)、2023年
こうした成長の背景には、政府による「国家デジタル変革プログラム」などの政策支援に加え、海外からの直接投資の拡大が挙げられます。一方で、市場規模の拡大に伴い、品質管理やセキュリティ体制の整備といった課題への対応も求められるようになっています。
ベトナムIT産業の主要分野
ベトナムIT産業は、複数の分野で構成される多層的な産業構造を持っています。主要な分野は、以下の4つに整理されます。
- オフショア開発:日本企業からの受注実績が豊富であり、ベトナムIT産業の中核を担う分野
- BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング):企業のバックオフィス業務やデータ処理業務を受託する分野
- DXソリューション開発:企業のデジタル化需要に対応したシステム・アプリケーション開発分野
- AI・データ分析サービス:生成AIや機械学習を活用したサービス開発が急速に拡大している分野
このうち、オフショア開発は最も実績が豊富な分野であり、ベトナムIT産業の成長を牽引してきました。一方で、BPOやDXソリューション分野も、企業のデジタル化需要の高まりとともに存在感を増しています。特に、AI・データ分析サービスは、今後さらなる成長が見込まれる分野です。
日本企業がベトナムIT産業に注目する理由
ベトナムIT産業が日本企業から高く評価される理由は、コストメリット、デジタルインフラの整備水準、地政学的な安定性という3つの強みに集約されます。国内のIT人材不足が深刻化するなか、海外の開発リソースを活用する動きが拡大しており、その有力な選択肢としてベトナムが位置づけられています。
📊 日本企業のオフショア委託先シェア
「オフショア開発白書2025年版」(オフショア開発.com)によると、ベトナムは日本企業のオフショア開発委託先として43%のシェアを占め、3年連続で首位を維持しています。
ベトナムがこの地位を確立した背景には、単なるコスト優位性にとどまらない、複合的な強みがあります。
1. コスト最適化
国内開発と比較して人件費を抑えながら一定の開発品質を確保できる点は、オフショア先選定における最初の判断軸となります。ベトナムエンジニアの人月単価は約32〜39万円帯(オフショア開発白書2024-2025年版)で推移しており、インドやフィリピンと比較しても競争力のある水準を維持しています。開発品質面では、ベトナムIT企業の多くがCMMI認定やISO27001取得を進めており、コストと品質のバランスを重視する日本企業のニーズに適合しています。
2. デジタルインフラの整備水準
ベトナムは、政府主導のブロードバンド整備と通信自由化を推進してきた結果、東南アジア諸国の中でも高い水準のデジタルインフラを構築しています。総務省「情報通信白書」でも言及されるように、インターネット普及率は近年急速に伸びており、都市部だけでなく地方のIT拠点都市(ダナン・ハイフォン等)においても安定した高速通信環境が整備されています。
また、ベトナム政府は国家デジタルインフラ戦略のもと、データセンターやクラウド関連の外資誘致を積極化しており、開発環境の安定性・可用性は年々向上しています。日本企業がオフショア開発を委託する際に求める「24時間稼働可能な開発・運用環境」の実現可能性を、インフラ面から下支えしている点が評価されています。
3. 地政学的安定性
ベトナムは、一党支配による政治的安定性と、積極的な対外開放政策を両立させてきた国です。日越間では2023年に「包括的戦略的パートナーシップ」へと関係が格上げされており、経済・技術協力の制度的基盤はより強固なものとなっています。
また、2009年発効のASEAN・日本包括的経済連携協定(AJCEP)や、2019年発効の日越EPA(VJEPA)により、ビジネス上のリスク管理環境も整備されています。こうした外交・経済面での枠組みが、長期的なパートナーシップを築くうえでの制度的な裏付けとなっています。
ベトナム vs インド・フィリピン・中国|オフショア開発先の比較
オフショア開発先の選定では、国ごとの特性を客観的に比較することが欠かせません。以下の表は、主要な4つのオフショア開発先を、人月単価・日本語対応・タイムゾーン・技術領域の強み・文化的親和性という5つの観点から整理したものです。
| 比較項目 | ベトナム | インド | フィリピン | 中国 |
|---|---|---|---|---|
| 人月単価の傾向 | 約32〜39万円(比較的低水準だが上昇傾向) | 約44〜53万円(高水準、近年さらに上昇傾向) | 約35万円(ベトナムよりやや高めの水準) | 約35〜40万円(高水準、地域差が大きい) |
| 日本語対応 | 日本語学習者数が東南アジア主要オフショア国でトップクラス、BrSE常駐企業が多い | 日本語対応人材は比較的少なく、英語が中心 | 日本語対応人材は少なく、英語が中心 | 歴史的に日本向け開発実績が長く、日本語人材も一定数存在 |
| タイムゾーン | 日本との時差2時間、コアタイムを合わせやすい | 日本との時差約3時間30分、調整がやや必要 | 日本との時差1時間、調整しやすい | 日本との時差1時間、調整しやすい |
| 技術領域の強み | Webシステム・モバイルアプリ開発、近年はAI・クラウド対応も拡大 | AI・データ分析・大規模システムなど先端領域に強み | Web開発に加えBPO領域との親和性が高い | 大規模開発の実績が豊富、先端技術領域にも対応 |
| 文化的親和性 | 勤勉な国民性、親日的傾向が強いとされる | 商習慣や時差の面で一定のギャップがある | 家族を重視する文化的背景があり、配慮が必要な場面がある | 商習慣の違いに留意が必要な場面がある |
表1: 主要オフショア開発先4カ国の比較(人月単価・日本語対応・タイムゾーン・技術領域・文化的親和性)
(出典:オフショア開発.com「オフショア開発白書」2024-2025年版。なお人月単価は年により変動するため、最新の見積もりは個別にご確認ください)
各国にはそれぞれ異なる強みがあり、優劣を一概に判断することはできません。自社の開発ニーズ(コスト重視か、コミュニケーション重視か、技術領域の専門性重視か)に応じて、最適な選定先を見極めることがポイントです。
「比較表を見たが、自社に合うパートナーをどう選べばよいかわからない」という方へ
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オフショア開発について無料相談する →なぜベトナムはIT人材大国として注目されているのか
ベトナムがIT人材大国として注目される背景には、教育水準の高さ、技術力の高さ、若手エンジニアの厚みという3つの要因があります。これらの要因は、ベトナムIT産業全体の競争力を支える基盤ともなっています。
図1: ベトナムIT人材大国を支える4つの基盤(教育・技術スタック・日本語対応力・若手人材)
教育水準・技術力・若手人材の厚み
ベトナムのIT人材大国としての地位は、政府主導の教育政策と実践的な技術力によって支えられています。本セクションでは、教育基盤・技術力・日本語対応力・人材構成という4つの観点から整理します。
1. 教育基盤の強さ
ベトナムでは、初等教育の段階からコンピューター教育を導入しており、中等教育からはソフトウェアコーディングなどIT専門科目の授業が行われています。こうした教育体制の成果は人材輩出規模にも表れています。ベトナム教育訓練省によれば、大学で年間約51,000人、短期大学・専門学校で約68,000人、合計で年間約120,000人のICT関連人材が輩出されており、この規模が維持されれば2030年には同国のICT人材は120万人を超えると見込まれています。
2. 得意とするプログラミング言語・フレームワーク
ベトナムのITエンジニアは、日本のIT市場でも需要の高いプログラミング言語に幅広く精通しています。具体的には、JavaScript、Java、PHP、Python、C#などの言語を扱えるエンジニアが豊富であり、フレームワークではReact、Laravel、Node.jsといったモダンな開発環境への対応力も高い傾向にあります。
📊 ベトナムエンジニアの技術スタック(TopDev「Vietnam IT Market Report」調査)
プログラミング言語ではJavaScriptが最多採用で、Java(採用ニーズ49.4%)・Python(48.5%)・C#(43.3%)が続きます。フレームワークはPHP領域でLaravelが75%超のシェアを占め、データベースはMySQLが78%超でトップとなっています。
これらの言語・フレームワークは、日本企業が開発を依頼する際に技術的なギャップが少なく、スムーズなプロジェクト進行が期待できる要因となっています。特に、要件定義などの上流工程よりもコーディングを専門とするエンジニアが多い傾向があり、開発実装フェーズにおける生産性の高さが強みとなっています。
3. 日本語対応力・BrSE体制
ベトナムは、東南アジア主要国の中でも日本語学習者数が多い国の一つです。この背景には、留学や就労を目的として日本語を学ぶ人材が多いという特徴があります。
国際交流基金「海外日本語教育機関調査」によれば、ベトナムの日本語学習者数は約16万9千人(世界第6位)に達しており、2024年度調査でも同順位を維持しています(出典:国際交流基金「海外日本語教育機関調査」)。
こうした日本語学習者の厚みを背景に、BrSE(ブリッジSE)として日本語能力試験(JLPT)N1・N2レベルを保有するエンジニアが一定数在籍しています。これにより、通訳を介さない直接的な日本語コミュニケーションが可能となり、仕様伝達における誤解のリスクを軽減できます。
4. 若手人材の厚み
ベトナムのIT人材は、IT人材全体に占める20〜30代の割合が高いという特徴があります。この若手中心の構成は、新しい技術への適応力の高さにつながっており、AIやクラウドといった先端技術領域への対応力にも表れています。
TopDev「Vietnam IT Market Report 2023」によれば、ベトナムのITエンジニアのうち20〜24歳が29.8%、25〜29歳が26.2%を占め、合計で20〜29歳の若手層が全体の56%に達しています。
若手層が中心の人材構成は、AIやクラウドなどの新興技術への適応力の高さに直結しており、最先端のプロジェクトに機動的に対応できる体制の構築につながっています。
課題と対応策
一方で、ベトナムオフショア開発の活用にあたっては、いくつかの実務上の留意点も存在します。
業務文化・進め方の違い:報告・連絡・相談の頻度や、仕様書・設計書などドキュメント作成の習慣について、日本企業が求める水準との間にギャップが生じるケースがあります。開発初期に定期報告の頻度や成果物の粒度を明文化しておくことで、後工程での手戻りを抑えやすくなります。
エンジニアの定着:成長機会やより高い待遇を求めた転職が一定程度見られ、長期プロジェクトでの人材継続性を確保するための工夫が求められます。ラボ型契約で専任チームを固定する体制を導入することが、チームへの習熟度の維持と離脱リスクの低減に有効です。
こうした課題に対しては、BrSE(ブリッジSE)の活用や、専任チームを編成するラボ型契約の導入が、コミュニケーション品質の安定化と人材継続性の確保において有効な対応策として挙げられます。
ベトナムオフショア開発のおすすめ企業15選
ベトナムには数多くのオフショア開発会社が存在し、それぞれが異なる強みを持っています。本章では、日本市場での実績があるオフショア開発会社を15社ご紹介します。なお、掲載順はランキングではなく、紹介順となります。各社の特徴を比較しながら、自社のニーズに合った開発パートナーを検討する際の参考としてご活用ください。
ご注意:以下の各社の設立年・従業員数・サービス内容は、各社公式サイトおよび公開資料(2026年参照時点)に基づいています。情報は更新される場合があるため、最新の詳細については各社公式サイトにてご確認ください。
1. カオピーズ(Kaopiz)
カオピーズは、ベトナムを拠点とするDX・AIソリューション企業として、日本をはじめグローバル市場に向けて高品質なITサービスを提供しています。10年以上の歴史を持つベトナムのICTグループとして、オフショア開発にとどまらず、コンサルティングから開発・運用までを一貫して支援し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に貢献しています。
- 設立:2016年8月8日
- 従業員数:グループ全体で約800名
強みのポイント
- 24時間365日の安定運用サポート:自社で監視センターを運営しており、アラート発生から10〜30分以内に初期対応を行う体制を整えている
- AI・クラウドを活用したDX支援:AI-OCRやAIエージェント、RAGなどの自社開発AIソリューションに加え、AWS Advanced Consulting Partner認定を取得している
- 日本市場に最適化された開発体制:日本語対応可能なエンジニアが332名在籍しており、BrSE(ブリッジSE)が日本現場に常駐する体制を整えている
カオピーズは、ISO9001・ISO27001・プライバシーマーク(Pマーク)・AWS Advanced Consulting Partner・ISTQB Platinum Partner認定を取得しています。7年連続のSao Khue Award(ベトナムソフトウェア業界最大の賞)「ITアウトソーシングサービス」部門受賞など、品質・信頼性を第三者機関が継続的に保証しています。

【カオピーズの提供サービス】
- ITコンサルティング/DX推進支援
- AI・生成AI・AIエージェント開発/データ活用支援
- システム開発(新規開発/PoC開発)
- レガシーシステムモダナイゼーション(COBOL・基幹系移行含む)
- クラウド導入・移行(AWS/Azure/GCP等)
- システムリニューアル/機能改善
- 保守・運用/24時間365日監視サービス
- テスト/品質検証
2. FPTジャパンホールディングス
FPTジャパンホールディングスは、ベトナム最大級のICTグループであるFPTグループの日本法人です。AI、IoT、クラウド、AR/VRなど幅広い先端技術領域に対応しています。
- 設立:2005年11月
- 従業員数:日本グループ全体で連結5,000名以上(2026年1月時点、パートナー含む)
強みのポイント
- グループ全体の規模と総合力:ベトナムを代表するICTグループとして、大規模プロジェクトにも対応可能な体制を構築している
- 情報セキュリティ認証の取得:ISO 27001認証およびプライバシーマークを取得している
- 多領域にわたる技術対応力:AI、IoT、クラウド、AR/VRなど、先端技術を含む幅広い開発領域に対応している

3. CMC Japan
CMC Japanは、ベトナム第2位のICTグループであるCMC Corporationの日本法人です。2017年8月に神奈川県横浜市で設立され、30年以上にわたる親会社の技術力とノウハウを背景に、クラウド移行を中心としたオフショア開発サービスを提供しています。
- 設立:2017年8月
- 従業員数:グループ全体で3,000名以上の認定エンジニアを擁する
強みのポイント
- 親会社の長年の実績:30年以上の歴史を持つCMC Corporationのノウハウを活用した開発体制を整えている
- クラウド移行への強み:グループ全体として2021年にAWSコンサルティングパートナーに正式認定されている
- 品質認証の取得:ISO 27001、ISO 9001、CMMI Level 3などの国際規格認証を取得しているほか、ベトナムIT業界最高峰とされるSao Khue賞を2019年・2020年・2022年に受賞している

4. 株式会社リッケイ(Rikkeisoft)
株式会社リッケイは、ベトナムで急速に成長を遂げてきたテクノロジー企業Rikkeisoftの日本法人です。UI/UX開発やブロックチェーン開発を中心に、システム統合や投資コンサルティングなど幅広いサービスを展開しています。
- 設立:2016年3月1日
- 従業員数:325名(2024年12月時点、親会社Rikkeisoftは2,368名)
強みのポイント
- UI/UX・ブロックチェーン分野への強み:ユーザー体験設計やブロックチェーン技術の開発に専門性を持っている
- 受賞歴:親会社RikkeisoftはSao Khue Awardを2015年に初受賞して以降複数回受賞しているほか、2020年には「トップ10ベトナム企業賞」(AI/IoT・アウトソーシング部門)を受賞している
- 幅広い事業領域:システム統合や投資コンサルティングなど、開発以外のサービスも提供している

5. 株式会社VTIジャパン
株式会社VTIジャパンは、2018年2月に設立されたVTIグループの日本法人です。SAP関連のERP/CRM開発をはじめ、クラウド、IoTといった領域に強みを持ち、複数国にまたがるワンストップサービスを提供しています。
- 設立:2018年2月
- 従業員数:VTIジャパン単体250名/グループ全体1,800名以上
強みのポイント
- 多国籍展開によるリソース確保:ベトナム・日本・韓国・シンガポール・タイ・マレーシアの6カ国11拠点を活かした柔軟な体制を構築している
- SAP・IoT分野への対応力:エンタープライズ向けSAP開発やIoTシステムの開発に対応している
- ワンストップサービス:複数拠点を横断したサービス提供により、多様なニーズに対応できる

6. Omi Japan株式会社
Omi Japan株式会社は、ヘルスケア・医療情報システム開発に特化したベトナムオフショア開発会社です。2013年2月の設立以来、日本市場で10年以上の実績を積み重ねてきました。
- 設立:2013年2月1日
- 従業員数:日本法人40名/ベトナム側のオフショア開発体制900名
強みのポイント
- 医療・ヘルスケア領域への専門性:医療情報システムの開発に特化した知見を蓄積している
- 情報セキュリティ認証の取得:JIS Q 27001(ISO/IEC 27001)の認証を医療・介護およびIT全般のシステム開発領域で取得している
- 日本市場での長期実績:これまでに350以上のシステム開発実績を持ち、全国1万以上の医療機関・7,000以上の薬局に導入されている

7. 株式会社エイチビーラボジャパン
株式会社エイチビーラボジャパンは、EC系開発やERPソリューションを得意とするベトナムオフショア開発会社です。2017年11月に設立された、ベトナムHBLAB JSCの日本法人です。
- 設立:2017年11月
- 従業員数:グループ全体(ハノイ・ダナン・東京・ソウル・シンガポール・福岡 6拠点)で700名以上(2025年10月時点)
強みのポイント
- EC・ERP分野への専門性:ECサイト開発やERPソリューションの導入・開発に強みを持っている
- ローコード開発への対応:ローコード開発手法を活用し、開発期間の短縮に対応できる
- 日本語対応ブリッジSEの厚み:日本語に精通したブリッジSEを多数擁している

8. NTQジャパン
NTQジャパンは、在日ベトナムDX協会(VADX Japan)において副会長の役割を担うベトナムオフショア開発会社です。幅広い業界のプロジェクトに対応する実績を持っています。
- 設立:2016年(日本法人)/親会社NTQ Solutionは2011年設立
- 従業員数:NTQジャパン単体110名/NTQ Solutionグループ全体約1,300〜1,500名
強みのポイント
- 業界団体での主導的立場:在日ベトナムDX協会で副会長を務めており、業界内での連携・情報発信に積極的である
- 幅広い業界対応力:複数の業界にわたるプロジェクト実績を持っている
- 品質・安定性への信頼:業界団体所属企業としての組織的な品質管理体制を整えている

9. SotaTek
SotaTekは、SOTAホールディングス傘下のベトナムオフショア開発会社です。ブロックチェーンやFintechなど先端技術分野に強みを持ち、新規事業やPoCに適した柔軟性の高い開発体制を提供しています。
- 設立:SotaTek(ベトナム本体)2015年08月/日本法人「株式会社SOTATEK JAPAN」2019年12月
- 従業員数:SotaTek/SOTAホールディングスグループ全体で1,200名以上
強みのポイント
- ブロックチェーン・Fintech分野への専門性:先端技術領域において高い技術力を持っている
- PoC・新規事業向けの柔軟性:要件が固まりきっていない段階のプロジェクトにも対応しやすい体制を整えている
- 情報セキュリティ認証の取得:現行でISO/IEC 27001:2022の認証を取得している

10. フジネット・システムズ
フジネット・システムズは、業務システム開発やマイグレーションを中心に、Web・モバイル開発まで幅広く対応するベトナムオフショア開発会社です。開発以外にもRPAソリューションやハードウェア販売・保守事業を展開しています。
- 設立:1996年10月(コンピュータ販売店として創業)/2000年09月(法人化、ソフトウェア開発=オフショア事業開始)
- 従業員数:約750名
強みのポイント
- 豊富な開発実績:創業以来2,500以上のプロジェクトを実施してきた実績を持っている
- 日本的な対応文化:日本とベトナムの文化の差を埋め、日本的な相談がしやすい環境を整えている
- 開発以外の事業領域への展開:RPAソリューションやハードウェアの販売・保守にも対応している

11. 株式会社SHIFT ASIA
株式会社SHIFT ASIAは、ソフトウェアテストで高い評価を持つ株式会社SHIFTのベトナムオフショア拠点です。ホーチミンとハノイに拠点を構え、ソフトウェア開発やPMOサービスも展開しています。
- 設立:2016年5月9日(ホーチミン市)
- 従業員数:215名(うち日本人17名、2025年1月時点)
強みのポイント
- ソフトウェアテストへの専門性:親会社である株式会社SHIFT(東証プライム上場)のQA・テスト分野におけるノウハウを活用している
- PMOサービスへの対応:開発だけでなく、プロジェクトマネジメントの支援にも対応している
- 複数拠点による体制:ホーチミンとハノイの2拠点を活かした開発体制を構築している

12. NAL JAPAN
NAL JAPANは、システムコンサルティングやベトナムオフショア開発、現地法人設立支援を行うベトナムオフショア開発会社です。アジャイル開発とDevOpsの分野でリーダー的な存在として知られています。
- 設立:NALグループ2013年(ベトナム)/日本法人「株式会社NAL JAPAN」2015年
- 従業員数:グループ全体でハノイ200名以上・ダナン300名・ホーチミン30名・東京30名
強みのポイント
- アジャイル・DevOpsへの専門性:Scrum Masterを含む経験豊富なエンジニアが在籍しており、アジャイル開発を主導できる
- 日本語上級人材の厚み:日本語能力試験N1・N2取得者や、日本の大学卒業者が多数在籍している
- 法人設立支援への対応:開発だけでなく、ベトナムでのIT法人設立支援も行っている

13. 株式会社レリパ
株式会社レリパは、ベトナム・ハノイに本社、神奈川県横浜市に日本法人を置くベトナムオフショア開発会社です。日本の大学を卒業した、または日本企業での勤務経験を持つベトナム人エンジニアが在籍しています。
- 設立:2016年(ベトナム本体)/日本法人2018年8月
- 従業員数:100〜499名
強みのポイント
- 日本経験豊富な人材:日本の大学卒業者や日本企業での勤務経験者が、日本語で直接対応している
- 日越両拠点での体制:ハノイ本社と横浜の日本法人を活かした開発体制を構築している
- コミュニケーションの円滑さ:日本での生活・就労経験を背景に、文化的な理解を伴った対応が可能である

レリパは2023年にSao Khue賞およびベトナムTop10デジタルテクノロジー企業を受賞しています。
14. VNEXT JAPAN
VNEXT JAPANは、2008年にベトナムで設立されたVNEXT SOFTWARE JSC(VNEXTグループの創業母体)を背景に持つ、AI・ブロックチェーン分野において高い技術力を持つベトナムオフショア開発会社です。上流工程から運用・保守までワンストップで対応しています。
- 設立:VNEXT SOFTWARE JSC(ベトナム創業母体)2008年01月/日本法人「VNEXT JAPAN株式会社」2017年10月
- 従業員数:VNEXT SOFTWARE JSC 500名(2025年1月時点)
強みのポイント
- AI・ブロックチェーン分野での技術力:自然言語処理や画像処理などのAI技術、ブロックチェーン技術に対応している
- 上流から運用まで一気通貫のサポート:要件定義から開発・テスト・実装、運用・保守までをトータルで支援している
- 品質管理体制の独立性:日本人がリードする独立した品質管理部門が、各プロジェクトの品質を常時チェックしている

15. Solashi
Solashiは、事業視点からの開発提案を重視するベトナムオフショア開発会社です。Short Project、MVP開発、本開発と段階を踏むアプローチにより、リスクを抑えた開発を支援しています。
- 設立:2019年2月
- 従業員数:85名
強みのポイント
- 事業視点からの提案力:顧客のビジネスゴールを深く理解したうえで、最適な開発プロセスを提案している
- 段階的な開発アプローチ:Short ProjectやMVP開発を経て本開発に進む、リスクを抑えた進め方を採用している
- 柔軟なラボ型契約:プロジェクト途中での変更にも柔軟に対応できるラボ型契約を提供している

ベトナムIT企業と協業する際の8つの選定ポイント
ベトナムIT企業との協業を成功させるためには、契約・コスト、体制・コミュニケーション、品質・セキュリティという3つの観点から、合計8つのポイントを確認する必要があります。
図2: ベトナムIT企業選定チェックリスト(契約・コスト/体制・コミュニケーション/品質・セキュリティの3観点8項目)
1. 契約・コスト面で確認すべきポイント(契約形態・隠れコスト・撤退コスト)
契約・コスト面では、以下の3点を確認することが重要です。
- 契約形態の適合性:請負型・ラボ型・ラボ型+のうち、自社のプロジェクト特性(仕様確定度、開発期間)に合った契約形態かどうかを確認する
- 隠れコストの有無:ブリッジSEの費用、通信費、現地訪問費用など、人月単価以外に発生する費用を事前に確認する
- 撤退コストの把握:契約終了時に発生する費用や手続き、引き継ぎ体制について、契約前に確認しておく
特に、隠れコストは見積もり段階で見落とされやすいため、契約前の質問事項として明確にしておくことが望ましいといえます。
2. 体制・コミュニケーション面で確認すべきポイント(BrSE体制・タイムゾーン運用・スケーリング柔軟性)
体制・コミュニケーション面では、以下の3点を確認することが重要です。
- BrSE体制の充実度:日本語レベルや技術理解度の高いBrSEが、プロジェクトに十分な人数配置されているかを確認する
- タイムゾーン運用の実態:時差を踏まえたコアタイムの設定や、緊急時の連絡体制が整備されているかを確認する
- スケーリングの柔軟性:プロジェクトの進行に応じて、開発体制の人数を柔軟に増減できるかを確認する
こうした体制面の確認は、プロジェクト開始後のコミュニケーションコストを左右する重要な要素となります。
3. 品質・セキュリティ面で確認すべきポイント(セキュリティ・IP管理・業界実績)
品質・セキュリティ面では、以下の2点を確認することが重要です。
- セキュリティ体制の整備状況:ISO27001など情報セキュリティに関する国際認証の取得状況を確認する
- 知的財産(IP)管理体制:開発したシステムやソースコードの知的財産権の帰属について、契約書上で明確にされているかを確認する
加えて、自社の業界(金融、医療、製造業など)における開発実績の有無も、品質面での重要な判断材料となります。
まとめ
ベトナムIT産業は、若く優秀な人材の厚みと、コスト・言語対応・地政学的安定性という強みを背景に、日本企業から高い注目を集めています。一方で、人材獲得競争や日本語上級人材の限定性といったベトナムIT特有の課題も存在するため、これらを正しく理解したうえでの活用が求められます。
カオピーズは、12年以上の開発経験と1,000件以上のプロジェクト実績をもとに、貴社のオフショア開発パートナー選びから実際のプロジェクト推進まで、一気通貫でサポートいたします。ベトナムIT活用に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
Q1. オフショア開発の人月単価相場はどのくらいですか?
人月単価は国やエンジニアの経験年数、契約形態によって異なります。具体的な金額については、各オフショア開発会社への直接の見積もり依頼を通じて確認することをおすすめします。
Q2. 契約形態(請負型・ラボ型)はどのように選べばよいですか?
仕様が確定しているプロジェクトには請負型、仕様を柔軟に調整しながら進めたいアジャイル型のプロジェクトにはラボ型が適しています。プロジェクトの特性に応じて選定することが重要です。
Q3. ベトナムは他のオフショア開発先と比べて何が違いますか?
ベトナムは、コスト・デジタルインフラ・地政学的安定性のバランスに優れている点が特徴です。インドや中国と比較して人件費を抑えやすく、政府主導のデジタルインフラ整備により安定した開発環境を確保しやすいという強みがあります。自社が重視する条件に応じて、最適な国を選定することが重要です。
Q4. オフショア開発会社の日本語対応レベルはどのように確認すればよいですか?
BrSEや担当者の日本語能力試験(JLPT)のレベル、過去の日本企業向けプロジェクトの実績、商談時のコミュニケーションの円滑さなどを通じて確認することができます。
Q5. ベトナムオフショア開発における失敗を避けるには何に注意すべきですか?
人月単価の安さだけで判断せず、隠れコストや撤退コスト、BrSE体制の充実度などを総合的に確認することが重要です。契約前の確認事項を明確にすることで、後のトラブルを防ぎやすくなります。
参考文献
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- 株式会社エイチビーラボジャパン(HBLAB). 公式サイト「会社概要」. https://hblab.co.jp/about-hblab/
- 株式会社NTQジャパン. 公式サイト. https://jp.ntq.com.vn/
- SotaTek. 公式サイト「会社概要」. https://www.sotatek.com/jp/about-us/
- FUJINET SYSTEMS JSC. 公式サイト. https://www.fujinet.net/ja
- 株式会社SHIFT ASIA. 公式サイト「会社概要」. https://shiftasia.com/company/
- NAL JAPAN(NAL Group). 公式サイト. https://nal.vn/
- 株式会社レリパ(RELIPA). 公式サイト「企業情報」. https://relipasoft.com/company/
- VNEXT HOLDINGS. 公式サイト「VNEXT JAPAN」. https://vnext.vn/ja-jp/vnext-japan.html
- Solashi. 公式会社概要PDF「Solashi Corporate Profile」. 公開URLなし。最新情報は公式サイトにてご確認ください。
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