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ベトナム人エンジニアの特徴と強みを徹底解説|採用注意点
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2026.07.17

ベトナム人エンジニアの特徴と強みを徹底解説|採用注意点

日本企業ではIT人材不足やスキル確保、コスト最適化が課題となるなか、ベトナム人エンジニアが注目されています。本記事では、特徴・強み、採用メリット、4つの協業モデル、注意点、費用相場を解説します。直接雇用とオフショア開発を比較し、自社の課題に適した活用方法を判断するための具体的なポイントをご紹介します。

主要なポイント
1 ベトナム人エンジニアは幅広い技術領域に対応し、日本との2時間の時差で連携しやすい
2 ベトナム人エンジニアの活用は、人件費を最適化し、開発速度とチーム拡張性を高める
3 協業モデルは直接雇用・業務委託・BrSE・ラボ型の4種類から目的別に選択する
4 品質・情報共有・セキュリティ・契約・引き継ぎの事前設計が安定運用の鍵となる
5 委託単価は開発人材で月20万〜65万円、BrSE・PMで月50万〜100万円が目安となる

ベトナム人エンジニアが注目される背景

ベトナム人エンジニアは、日本企業がIT人材の確保と開発体制の強化を進めるうえで、有力な選択肢の一つとして注目されています。 ベトナムではIT教育やデジタル産業の育成が進み、若手を中心とした技術人材が継続的に輩出されています。そのため、日本企業にとっては、国内採用だけに依存せず、必要なスキルを持つ人材へアクセスするための選択肢が広がっています。

  • 幅広い技術領域に対応しやすい: Web・業務システム、モバイルアプリ、クラウド、AIなど、多様な開発分野の人材を検討できます。
  • 若手を中心とした人材供給が期待できる: IT教育の拡大を背景に、継続的に新しい技術人材が輩出されています。
  • 日本企業とリアルタイムで連携しやすい: 日本との時差が2時間と小さく、会議や仕様確認、レビューを同じ営業日の中で進めやすい環境です。
  • 目的に応じて開発体制を構成しやすい: 直接雇用、業務委託、ブリッジエンジニア、ラボ型開発など、期間や必要人数に合わせて活用方法を選べます。

一方、日本ではIT人材不足が深刻化しており、DXやクラウド移行、レガシーシステム刷新を進めるための人材確保が課題となっています。IPA「DX動向2025」では、DX推進人材が「やや不足している」「大幅に不足している」と回答した日本企業は8割を超えており、人材不足がデジタル変革を進めるうえでの大きな制約となっています(出典:独立行政法人情報処理推進機構『DX動向2025』、2025年)。

そのため、国内採用だけに依存せず、技術人材を継続的に輩出するベトナムを、直接雇用やオフショア開発の有力な選択肢として検討する企業が増えています。

ベトナム人エンジニアの特徴

ベトナム人エンジニアを採用する際は、技術力だけでなく、日本企業の開発環境との親和性やコミュニケーション面の課題も確認する必要があります。主な特徴は、次の3点です。

  1. 技術スキルと開発領域の親和性
  2. コミュニケーションと文化的親和性
  3. 勤務時間が重なり、開発サイクルを短縮しやすい

1. 技術スキルと開発領域の親和性

ベトナム人エンジニアは、Webシステムや業務システムを中心に、モバイルアプリ、クラウド、AIなど幅広い分野で活躍しています。特に、Java、JavaScript、TypeScript、Python、C#、PHPなど、日本企業の開発案件でも利用される技術を経験している人材が多く見られます。

TopDevの「2024–2025 Vietnam IT Market Report」でも、ベトナムのIT人材に関連する主要技術としてJavaScript、Java、PHP、C#/.NET、Pythonなどが挙げられています(出典:TopDev『2024–2025 Vietnam IT Market Report』、2024年)。

一方で、同じプログラミング言語を扱える場合でも、要件定義、基本設計、詳細設計、実装、テストのどこまで担当できるかは異なります。そのため、採用時には保有スキルの一覧だけでなく、過去のプロジェクト規模、担当工程、コードレビュー経験まで確認する必要があります。

ベトナム人エンジニアの主要技術スタックを示すインフォグラフィック。Java、JavaScript、TypeScript、Python、C#、PHP、Cloudを配置
図:ベトナム人エンジニアに多く見られる技術領域の例

2. コミュニケーションと文化的親和性

ベトナムでは、日本企業向けの開発案件や日本語教育に接するIT人材も多く、日本企業との協業経験を持つエンジニアやブリッジSEを確保しやすい環境があります。日本語での進捗報告、仕様確認、品質に関するやり取りに慣れた人材であれば、日本側の担当者と直接コミュニケーションを取りながら開発を進められます。

文化面では、日本とベトナムはいずれもチーム内の関係性や相手への配慮を重視する傾向があり、組織単位で協力して業務を進めるスタイルと親和性があります。日本企業向け案件の経験があるチームでは、報告・連絡・相談、納期、品質確認といった日本企業特有の進め方を理解しているケースもあります。

3. 勤務時間が重なり、開発サイクルを短縮しやすい

日本とベトナムの時差は2時間で、両国の勤務時間の大部分が重なります。そのため、仕様確認、コードレビュー、テスト結果の共有、不具合対応を同じ営業日のうちに進めやすく、遠隔開発でも確認待ちによる停滞を抑えられます。

たとえば、日本側が午前中に要件や修正内容を共有し、ベトナム側が当日中に実装・確認を進め、夕方にレビュー結果を返すといった連携が可能です。時差の大きい地域と比べて、質問への回答を翌営業日まで待つ場面が少なく、短いサイクルで改善を重ねやすい点が特徴です。

特に、アジャイル開発、継続的な機能改善、障害対応など、日々の判断とフィードバックが重要なプロジェクトでは、勤務時間が重なること自体が開発スピードと進行管理の安定性につながります。

ベトナム人エンジニア採用で得られる3つのメリット

ベトナム人エンジニアを採用・活用する主なメリットは、次の3つです。

  1. 人件費と採用コストを最適化できる
  2. 開発スピードとチームの拡張性を高められる
  3. 成長するベトナムIT市場の人材と技術を活用できる

効果は、経験、日本語力、契約モデル、ブリッジエンジニアの有無によって変わります。給与・委託単価に加え、採用費、教育工数、BrSE・PMの配置費、品質保証費を合算すると、国内採用と外部委託のどちらが予算と開発期間に合うか判断しやすくなります。

1. 人件費と採用コストの最適化

ベトナム人エンジニアを活用すると、必要な職種・人数・稼働率をプロジェクトに合わせて組み合わせやすくなります。要件整理はBrSE、実装はエンジニア、品質確認はQAが担うなど、工程ごとに適した人材を配置することで、全員を高単価人材でそろえる必要がありません。

また、業務委託やラボ型開発では、採用や福利厚生などの固定費を抑えながら、開発量に応じて体制を調整できます。単価だけでなく、BrSE・PM・QA・セキュリティ・仕様変更を含む総額で比較することが重要です。

比較項目 日本国内での直接採用 ベトナム人エンジニアの活用
人材確保 採用市場の状況に左右される 海外の人材市場まで候補を広げられる
費用構造 給与や福利厚生など固定費が中心 契約モデルにより変動費化しやすい
チーム調整 採用後の短期的な増減が難しい 業務委託やラボ型では増減を調整しやすい
追加コスト 採用、教育、定着支援 ブリッジ、管理、翻訳、品質保証
適したケース 長期的に社内ノウハウを蓄積したい場合 必要な期間に開発体制を補強したい場合

表:国内採用とベトナム人エンジニア活用における費用構造の違い

2. 開発スピードとチームの拡張性

ベトナム人エンジニアを活用すると、国内採用の完了を待たずに、外部人材を含めた開発体制を検討できます。特に、複数のエンジニアが必要なプロジェクトでは、一人ずつ直接採用する方法に加え、既存チームやラボ型開発を利用することで、体制構築の選択肢が広がります。

また、日本とベトナムの時差は2時間です。勤務時間の多くが重なるため、日中に次の業務を進めやすい点もメリットです。

  • デイリーミーティング
  • 仕様確認と質疑応答
  • コードレビュー
  • テスト結果の共有
  • 障害発生時の初期連携

欧米など時差が大きい地域との開発と比べて、回答を翌営業日まで待つ場面を減らしやすく、リアルタイムで認識を合わせながら開発を進められます。

3. AI・クラウド人材へアクセスしやすい

ベトナムIT市場では、ソフトウェア開発に加えて、AI、クラウド、データなどのデジタル技術に関する人材育成が進められています。JETROの調査では、ベトナムの主要IT系大学において、日本市場向けのブリッジエンジニア育成や日系企業との連携プログラムが実施されている事例が紹介されています(出典:日本貿易振興機構『ベトナムのIT系大学と日本企業等との連携可能性に関する調査』、2023年)。

日本企業との連携分野としても、AI、レガシーシステム刷新、スマート製造などが挙げられています。単純な実装リソースの確保だけでなく、新しい技術分野を担うパートナー候補として活用できる可能性があります。

ただし、市場全体の成長性と、個々のエンジニアの能力は分けて評価する必要があります。採用や委託先選定では、次の項目を具体的に確認しましょう。

  • 対象技術の実務経験
  • 担当した工程と役割
  • 類似業界やシステムの開発実績
  • 設計、レビュー、テストの能力
  • 日本語または英語での連携力

ベトナム人エンジニアとの4つの協業モデル

ベトナム人エンジニアとの協業方法は、主に次の4つです。

  1. 自社の社員として採用する直接雇用
  2. 必要な業務を外部へ依頼する業務委託
  3. 日本側と開発チームをつなぐブリッジエンジニアの活用
  4. 専属チームを中長期で構築するラボ型開発

適したモデルは、採用の緊急度、プロジェクト期間、必要人数、自社の管理体制で決まります。オフショア開発会社へ委託する場合は、契約形態に加え、指示系統と品質管理の責任者を確認します。

1. 直接雇用モデル

直接雇用は、ベトナム人エンジニアを自社の社員として採用し、社内チームの一員として配置する方法です。長期的に技術や業務知識を蓄積したい企業に適しています。

日本国内でエンジニアとして雇用する場合は、業務内容、学歴、実務経験が在留資格「技術・人文知識・国際業務」の要件に合うかを確認します。出入国在留管理庁は、同資格の該当例に技術者を挙げています(出典:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」、2026年確認)。

直接雇用の主な特徴は、次のとおりです。

  • 自社の開発方針や業務知識を共有しやすい
  • 長期的な人材育成を行いやすい
  • 社内メンバーとして役割を広げやすい
  • 採用、在留資格、入社後の定着支援が必要になる

短期的な人員補充よりも、社内に技術力を残しながら継続的にチームを強化したい場合に向いています。

2. 業務委託モデル

業務委託は、開発業務の一部または全部を、個人や開発会社へ委託する方法です。日本のシステム開発では、主に請負型と準委任型が使われます。

請負は成果物の完成を前提とし、準委任は専門業務の遂行を中心とする契約です。経済産業省のモデル契約でも両者を区別し、成果物、検収、知的財産権、再委託、責任範囲の明確化を求めています(出典:経済産業省『情報システム・モデル取引・契約書 第二版』、2020年)。

業務委託を利用する際は、次の項目を契約前に明確にします。

  • 委託する業務と対象工程
  • 成果物と受け入れ条件
  • プロジェクト管理の責任者
  • 仕様変更の手続き
  • 知的財産権と秘密保持
  • 不具合発生時の対応範囲

開発範囲と成果物が明確な案件では請負、要件の変更が多く、作業内容を柔軟に調整したい案件では準委任が検討されます。

3. ブリッジエンジニア活用モデル

ブリッジエンジニア活用モデルは、日本企業とベトナム側の開発チームの間に、技術とコミュニケーションの両方を理解する担当者を配置する方法です。

ブリッジエンジニアは、単純な通訳ではありません。主に次の役割を担います。

  • 日本語の要件を開発チームへ正確に伝える
  • 仕様や優先順位に関する認識を調整する
  • 開発状況や課題を日本側へ報告する
  • 成果物や品質基準を確認する
  • 文化や仕事の進め方の違いを補完する

日本語での会議や仕様調整が多いプロジェクトでは、ブリッジエンジニアを配置することで、伝達ミスや確認の遅れを抑えやすくなります。

情報がブリッジエンジニア一人に集中すると、判断と連絡が属人化します。議事録、課題管理ツール、仕様書を共有し、担当者が交代しても経緯を追える状態にします。

4. ラボ型開発モデル

ラボ型開発は、一定期間にわたり、特定の企業向けに専属の開発チームを構築する協業モデルです。エンジニア、テスター、ブリッジエンジニア、PMなどを組み合わせ、自社の開発チームに近い形で運用します。

ラボ型開発の主な特徴は、次のとおりです。

  • 継続的に同じメンバーと開発しやすい
  • プロジェクトの優先順位を調整しやすい
  • 業務知識や開発ノウハウを蓄積しやすい
  • 必要に応じてチーム規模を調整しやすい

要件が完全に固まっていないサービス開発や、機能改善を繰り返すプロジェクトでは、個別の成果物ごとに発注するよりも柔軟に運用できます。

専属チームを機能させるには、日本側でプロダクトオーナー、意思決定者、優先順位、KPI、レビュー方法を定めます。これが曖昧だと、開発側が次に進める作業を判断できません。

協業モデル 適した目的 自社の管理負担 体制の柔軟性 主な注意点
直接雇用 長期的な人材育成とノウハウ蓄積 高い 低〜中 採用、在留資格、定着支援
業務委託 特定業務や成果物の外部委託 契約範囲と責任分担
ブリッジエンジニア活用 言語・仕様調整の円滑化 情報の属人化
ラボ型開発 継続開発とチーム拡張 高い ガバナンスと優先順位管理

表:ベトナム人エンジニアとの4つの協業モデルの違い

短期間で明確な成果物を開発したい場合は業務委託、社内に人材と知識を残したい場合は直接雇用、言語や仕様調整を強化したい場合はブリッジエンジニア、継続的にチームを拡張したい場合はラボ型開発が選択肢になります。

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カオピーズでは、開発期間、必要な技術、社内の管理体制を整理したうえで、請負・準委任・ラボ型開発など、プロジェクトに合う体制をご提案します。

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ベトナム人エンジニア採用で注意したい5つの注意点

ベトナム人エンジニアを採用・活用する際は、次の5点に注意する必要があります。

  1. 品質基準とレビュー体制を明確にする
  2. コミュニケーションルールを統一する
  3. データとセキュリティの管理範囲を定める
  4. 契約と責任分担を明文化する
  5. 文化的な違いを踏まえて定着を支援する

これらは海外協業全般に共通する課題です。言語や勤務拠点が異なる場合は、国内チーム以上にルールを明文化し、委託先の技術力だけでなく品質管理と情報共有の運用まで確認します。

1. 品質基準とレビュー体制

海外チームとの開発では、「仕様どおりに動作すること」だけでなく、コード品質、テスト範囲、性能、保守性などの合格基準を事前にそろえる必要があります。品質の定義が曖昧なままでは、日本側とベトナム側で完成の認識がずれ、修正や手戻りが増える可能性があります。

品質を安定させるためには、次のような仕組みが有効です。

  • コーディング規約とレビュー基準を統一する
  • 設計、実装、テストの完了条件を明文化する
  • ベトナム側と日本側で段階的にレビューする
  • 不具合の重要度と対応期限を定める
  • 品質指標を定期的に確認する
ベトナム側のセルフレビュー・QAと、日本側の受け入れレビューを組み合わせた二段階品質管理フロー
図:ベトナム側と日本側による二段階の品質確認プロセス

レビュー担当者が曖昧だと、問題を発見しても修正判断が遅れます。技術判断者と最終承認者をプロジェクト開始前に決めます。

2. コミュニケーションルール

ベトナム人エンジニアとの協業では、日本語力だけでなく、情報をどの方法で共有するかが重要です。口頭の説明や曖昧な依頼に依存すると、担当者によって解釈が異なる可能性があります。

認識ずれを防ぐためには、次の項目を統一します。

  • 会議、チャット、メールの使い分け
  • 課題や障害を報告するタイミング
  • 仕様変更を記録する場所
  • タスクの担当者と期限
  • 完了条件と承認者

「できるだけ早く」「適切に対応する」ではなく、期限、対象範囲、優先順位を数値や条件で示します。画面例やサンプルデータを添えると、言語だけに依存せず認識をそろえられます。

時差は小さくても祝日や勤務時間は異なるため、定例会議に加えて緊急連絡先と対応時間を決めます。

3. データとセキュリティ

IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版」では、重要情報の管理、ID・アクセス権限、委託先の対策状況、インシデント対応などを継続的に確認することが求められています(出典:独立行政法人情報処理推進機構『中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版』、2026年)。

ベトナム側から日本企業のシステムやデータへアクセスする場合は、情報の種類、利用目的、保管場所、アクセス権限を明確にする必要があります。

特に確認したい項目は、次のとおりです。

  • 個人情報や機密情報の取り扱い
  • 開発環境と本番環境へのアクセス権限
  • 端末やネットワークのセキュリティ
  • ソースコードや資料の保管場所
  • データの持ち出しと削除方法
  • インシデント発生時の報告手順

アクセス権限は、業務に必要な範囲だけに限定することが基本です。退職やプロジェクト離任時には、アカウント停止、端末確認、データ削除まで含めた手順を整備します。

4. 契約と責任分担

直接雇用、請負、準委任、ラボ型開発では、指示方法や責任範囲が異なります。契約内容と実際の運用が一致していない場合、成果物、不具合、納期、追加作業をめぐって認識のずれが生じる可能性があります。

契約前には、少なくとも次の点を明文化します。

  • 対象業務と契約期間
  • 成果物と検収条件
  • 仕様変更時の見積もり方法
  • 不具合への対応範囲
  • 知的財産権の帰属
  • 再委託の可否と条件
  • 秘密保持とデータ管理
  • 契約終了時の引き継ぎ方法

準委任型では、発注側が受託側の個々のエンジニアへ直接指揮命令しない運用が必要です。依頼経路と責任者を契約に合わせ、判断が難しい場合は法務担当者へ確認します。

5. 人材の継続性と引き継ぎ体制

ベトナム人エンジニアを直接雇用する場合も、業務委託やラボ型開発で活用する場合も、特定の担当者だけに業務知識が集中すると、異動や離任の際に開発が停滞する可能性があります。個人の能力だけでなく、チームとして知識を維持できる体制を確認することが重要です。

人材交代による影響を抑えるため、次の項目を事前に整備します。

  • 仕様書、設計書、議事録、運用手順を共通の場所で管理する
  • コードレビューを複数名で行い、担当領域を属人化させない
  • 主要ポジションの副担当者やバックアップ要員を決める
  • メンバー交代時の引き継ぎ期間と完了条件を定める
  • 離任時のアカウント停止、権限移管、データ返却を手順化する

開発会社へ委託する場合は、主要メンバーの平均在籍期間、交代時の代替要員、追加教育の費用負担、引き継ぎ方法を契約前に確認します。直接雇用では、評価制度、キャリアパス、教育機会を明確にし、長期的に働ける環境を整えることが人材の継続性につながります。

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ベトナム人エンジニアの費用相場

ベトナム人エンジニアを業務委託やオフショア開発で活用する場合、人月単価は職種や経験、日本語力によって異なります。一般的な開発メンバーでは月20万〜65万円程度、ブリッジSEやPMなど上流工程を担う人材では月50万〜100万円程度が目安です。

ここで示す金額は、日本国内で直接雇用する場合の給与ではなく、開発会社へ委託する場合の参考人月単価です。予算は個人単価だけでなく、チーム構成と追加費用を含めて試算します。

1. 職種別に見るベトナム人エンジニアの人月単価

ベトナムオフショア開発における主な職種別の人月単価は、次のとおりです。

職種・役割 スキル・日本語の目安 人月単価の目安
フロントエンドエンジニア Junior・N3 25万〜35万円
フロントエンドエンジニア Senior・N2 35万〜50万円
バックエンドエンジニア Junior・N3 30万〜40万円
バックエンドエンジニア Senior・N2 40万〜60万円
フルスタックエンジニア Middle・N3 35万〜50万円
フルスタックエンジニア Senior・N2 45万〜65万円
QA・テスター Junior・日本語なし〜N3 20万〜30万円
QA・テスター Senior・N3〜N2 30万〜40万円
ブリッジSE Senior・N2〜N1 50万〜80万円
プロジェクトマネージャー Senior・N2〜N1 60万〜100万円
テックリード Senior・N2 50万〜80万円
アーキテクト Expert・N2〜N1 70万〜110万円

表:ベトナム人エンジニアを業務委託する場合の人月単価の目安

実装やテストを中心に担当する人材は比較的費用を抑えやすい一方、要件整理、顧客折衝、設計判断を担うブリッジSEやPMは単価が高くなります。特に、日本語力と上流工程の経験は費用差に反映されやすい要素です。

オフショア開発白書2025年版を基にした平均値では、ベトナムの人月単価はプログラマー40.1万円、シニアエンジニア50万円、ブリッジSE59万円、PM71.4万円とされています。ベトナムはすべての職種で最安というわけではありませんが、実装から管理まで大きな価格の偏りが少なく、チームを構成しやすい価格帯にあります。

(出典:オフショア開発.com『オフショア開発白書2025年版』、2025年)

2. チーム構成別に見る月額予算の目安

実際の開発では、エンジニア一人だけでなく、ブリッジSE、QA、PMなどを組み合わせます。前述の人月単価を基にすると、チームごとの月額費用は次のように試算できます。

想定する体制 チーム構成例 月額費用の目安
小規模な開発・保守 BrSE 1名+Juniorエンジニア2名+Junior QA 1名 130万〜190万円
標準的なWeb開発 BrSE 1名+Seniorエンジニア2名+Senior QA 1名 160万〜240万円
上流工程を含む開発 PM 1名+BrSE 1名+Seniorエンジニア3名+Senior QA 1名 260万〜400万円
高度技術を含む開発 PM 1名+アーキテクト1名+Seniorエンジニア3名+Senior QA 1名 280万〜430万円

表:職種別単価から試算したベトナム開発チームの月額予算

小規模な改修やPoCでは、ブリッジSE1名とエンジニア1〜2名から始める構成も選択できます。

ただし、上記は各メンバーが1人月稼働する前提の単純試算です。ブリッジSEやPMが複数プロジェクトを兼務する場合や、稼働率を50%に設定する場合は、月額費用が変わります。

予算を立てる際は、まず次の項目を整理しましょう。

  • 必要な開発人数
  • Junior、Middle、Seniorの比率
  • 日本語で顧客対応する担当者
  • PMやブリッジSEの稼働率
  • QAを専任で配置するか
  • 契約期間と増員予定

全員に高い日本語力やSeniorレベルを求めると費用が上がります。日本側が要件定義、ベトナム側が実装・テストを担うなど、工程ごとに役割を分けると調整しやすくなります。

3. 人月単価以外に確認すべき追加費用

同じ40万円の人月単価でも、管理費やレビュー、開発環境が含まれているかによって総額は異なります。一般的に、人件費、基本的な管理費、PCや社内ネットワーク、標準範囲のレビューなどは単価に含まれる場合があります。

一方、次の項目は別途費用になりやすいため、見積もり時に確認が必要です。

追加費用になりやすい項目 確認内容
ブリッジSE・通訳 人月単価に含まれるか、別途配置か
PM・管理費 進捗管理や顧客報告の費用が含まれるか
セキュリティ環境 VPN、専用端末、監査対応などが必要か
クラウド・開発環境 AWSなどの利用料をどちらが負担するか
高度なテスト 負荷試験、脆弱性診断、自動テストの費用
仕様変更 追加作業の計算方法と承認手続き
残業・短納期対応 時間外対応の追加単価
オンサイト対応 渡航、滞在、日本国内での作業費用

表5: 比較項目と主な特徴

見積もりでは、単価に加えて成果物の範囲、レビュー回数、修正対応、仕様変更時の精算ルールを比較します。相場より低い場合は、管理費、BrSE、QA、再テストが別料金か確認します。

4. 費用を左右する主な要素

最終的な費用は、主に次の5つの要素によって変動します。

  1. 技術スタックと専門性
    一般的なWeb開発よりも、AI、クラウド、金融、組み込み、セキュリティなどの専門領域は高くなる傾向があります。

  2. 経験年数と担当工程
    実装中心のJuniorと、設計やレビューを担うSenior・Leadでは単価が異なります。

  3. 日本語対応の範囲
    N2〜N1レベルの人材や、日本企業との調整を担うBrSE・PMは費用が高くなります。

  4. プロジェクト規模と契約形態
    短期の請負案件ではリスクバッファが含まれやすく、中長期のラボ型開発では費用を平準化しやすくなります。

  5. 為替と市場環境
    円建てかドル建てかによって、契約期間中の為替変動が総額に影響する場合があります。

ベトナムは、日本企業が検討する主要なオフショア開発先の一つです。「オフショア開発白書2025年版」でも、委託先国別の相談実績においてベトナムが高い比率を占めています。人材供給が比較的豊富であることは、職種や経験レベルを組み合わせたチーム編成の選択肢を広げる要因となります(出典:オフショア開発.com『オフショア開発白書2025年版』、2025年)。

まとめ

ベトナム人エンジニアは、幅広い技術領域、日本企業との協業経験、勤務時間の重なりを活かし、IT人材不足の補完や開発体制の拡張に貢献できます。

活用方法は、長期的な内製化を目指すなら直接雇用、必要な期間だけ体制を補強するなら業務委託、継続開発にはラボ型開発など、目的に応じて選ぶことが重要です。単価だけでなく、技術力、管理体制、品質保証、セキュリティを含めて比較し、自社に適した協業モデルを検討しましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q1. ベトナム人エンジニアを日本で直接雇用するには、どの在留資格が必要ですか?

システム開発やITエンジニア業務では、一般的に在留資格「技術・人文知識・国際業務」が検討されます。 申請時には、本人の学歴や職歴と、実際に担当する業務との関連性が確認されます。採用前に、担当業務、雇用条件、学歴・実務経験が在留資格の要件に合っているかを確認する必要があります。

Q2. ベトナム人エンジニアの技術力はどのように見極めればよいですか?

履歴書に記載された技術名だけでなく、過去に担当した工程、プロジェクト規模、役割、成果物を確認することが重要です。 コーディングテスト、技術面接、ポートフォリオ確認に加えて、既存コードのレビューや仕様説明を依頼すると、実装力だけでなく設計力や説明力も評価できます。

Q3. ベトナム人エンジニアの定着率を高めるにはどうすればよいですか?

業務内容、評価基準、キャリアパスを入社前から明確にすることが重要です。 入社後は、教育担当者の配置、定期面談、日本語学習支援、技術研修などを行い、本人が成長を実感できる環境を整えます。給与だけでなく、担当業務や昇進機会も定着に影響します。

Q4. ベトナム人エンジニアの採用とオフショア開発はどちらが適していますか?

社内に長期的なノウハウを蓄積したい場合は直接雇用、短期間で複数人の開発体制を確保したい場合はオフショア開発が適しています。 直接雇用では採用や育成、定着支援が必要です。一方、オフショア開発では、開発会社側のPM、BrSE、QAなどを含めたチームを活用できます。目的、期間、自社の管理リソースを基準に選びましょう。

Q5. ベトナムのオフショア開発会社はどのように選べばよいですか?

技術者数や価格だけでなく、類似案件の実績、日本語対応力、品質管理、セキュリティ、契約後のサポート体制を確認します。 特に、誰がプロジェクトを管理するのか、仕様変更やトラブルにどう対応するのか、主要メンバーが交代する場合にどのように引き継ぐのかを契約前に確認することが重要です。

参考文献

  1. 独立行政法人情報処理推進機構.(2025).「DX動向2025」。
    https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/dx-trend-2025.html
  2. TopDev.(2024).「2024–2025 Vietnam IT Market Report」。
    https://topdev.vn/vietnam-tech-talents-report-topdev-2024
  3. 日本貿易振興機構(JETRO).(2023).「ベトナムのIT系大学と日本企業等との連携可能性に関する調査」。
    https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2023/3ea450db1fe01b35/Vietnam_ITUniversity.pdf
  4. 出入国在留管理庁.(2026年確認).「在留資格「技術・人文知識・国際業務」。
    https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/gijinkoku.html
  5. 経済産業省.(2020).「情報システム・モデル取引・契約書 第二版」。
    https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/softseibi/
  6. オフショア開発.com.(2025). 「オフショア開発白書2025年版」。
    https://41690687.fs1.hubspotusercontent-na2.net/hubfs/41690687/offshore/example.pdf

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